道路構造物ジャーナルNET

『民間と行政、双方の間から見えるもの』

第96回 災害対応連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 今これを書いている途中で、北陸で大きな地震が発生。亡くなった方々、被害を受けられた方々には、心から哀悼の意を示します。耐震は大丈夫かと年末に話していたところだった。老朽化と耐震は別物ではあるが密接に関係する。国土強靭化とは言っているが、わかって言っているのだろうか?さんざん富山に居るときは耐震の話をすると「市民に不安を与える。富山は立山に守られているから大丈夫だ。」と言う方が…

詳細ページへ

第95回 点検から補修へ、インフラ・マネジメントへ連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 前回、マネジメントとは、「何とかすること」と書いたことに対して、何人かの方から賛同をいただきありがとうございました。しかし、世の中の大半は、難しいことを望んでいるようです。富山市においては公式に毎年技術研修会を職員と近隣自治体向けに開催しています。今年度は熊本県玉名市の木下氏に、遠路おいでいただき話していただいた。木下氏は、「DIY補修」と言うことで著名な方である。しかし、私の見…

詳細ページへ

第94回 最終的な答えは当事者がその責任において決断しなければならない連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 インフラ・マネジメントにおいて、「自治体が遅れている。」と言われて久しい。2巡目が終わり3巡目へと。そして「第2ステージへ」と言われているが、自治体側からは、「何をどうやればよいのか?わからない。」とも言われる。しかし、沈黙を保っているところが多い。わからなければ聞けばよいだろうに。そしてここに、さも分かったように、様々なことを言う人たちが存在する。本当にわかっているならば、どん…

詳細ページへ

第93回 「包括管理」と「群管理」連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに前回の話の中で、何人かの方が「分からないことは聞け」と言うことに同調して下さった。昔からそうだ。わからなければ聞けばよい。世の中には様々な人がいて、やっていることも、やってきたことも様々である。「聞くは一時の恥、聞かぬは末代までの恥」と、言うことが言われている。昔は良く、国の方や県の方から質問が来た。「悪いけど教えてくれない。」そういわれることが、うれしかったもの…

詳細ページへ

第92回 行政マンであり、技術者なのだ連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 毎回勝手なことを書いている。前回のインハウスエンジニアに関して書いたが、今回はさらに掘り下げる。「自治体のことはよくわからない」と多くの方に言われるが、それは入り込んでいないから。実は自治体、特に市町村では「まちづくり」を目指し入庁する、技術系職員が多い。時々、大学などで講演を頼まれた時に最初に聞くが、学生は、ほとんどが「まちづくり」「景観」「デザイン」と出てくる。また、公務員は人気が…

詳細ページへ

第91回 エンジニアとして生きる連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに暑い日が続いています。台風、豪雨災害も発生し、被災された方にはお見舞い申し上げます。また台風が近づいています。お気を付けください。前回まで2回技術者論を書いたが、あくまで植野の考えです。考えの違う方も多いだろう。それはそれで構わないし、どうぞ自分のやり方でやってください。要は若者をどう育てるか?育ってもらうかだ。土木技術者は一朝一夕には育たない。78度目の終戦の日が来…

詳細ページへ

第90回 「プレーヤー」と「プロ」、「インハウスエンジニア」連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 いつも、このくらいの季節になると思い出すのだが、自分も67歳になる。うちの父親は57歳、現役で亡くなった。もう、その年齢から10年も過ぎている。父親は最終が栃木県の職員であった。農業系の技術職で当時は農薬を担当していた。今はほとんど実施されていないが、水田にヘリコプターで農薬を散布する「航空散布」と言うのがあり、この時期になると毎回立ち会っていた。父が亡くなった時に県庁内が、ざわ…

詳細ページへ

第89回 真の技術力とは?連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに先月、これを読んだ方々から、ミーのお悔やみを言われた。「私の、たわごとを、読んでくださっているんだな」と思い感謝した次第である。中島みゆきの「地上の星」という歌がある。かつて、NHKの「プロジェクトX」の主題歌であった。我々の世代では、この歌を聞くと元気になってやる気が出るという者も多い。なんか、力がわく名曲だ。この歌詞は、天空に輝くスターではないけれども、それぞれの分…

詳細ページへ

第88回 維持管理は手作り連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 18年間飼っていた、愛猫の「ミー」(右写真)が亡くなって2か月がたった。ミーは生まれて3か月くらいの時に知人から貰った、日本猫の虎ネコ雄。人間にすれば90歳くらいであろう。ミーには、様々なことを教わった。ペットは飼い主に似るという。いつも病院では大暴れして獣医さんを困らせて3人がかりであった。凶暴であった。流血事件に発展しそうだった。常に、謝罪して帰ってくる。帰るときは、何食わぬ顔で…

詳細ページへ

第87回 管理物を「群」としてとらえ、マネジメントしていくためには②連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 いよいよ、また新年度が巡ってきました。新たな気持ちで、インフラの老朽化に取り組んでまいりましょう。WBCで日本が優勝し、日本人選手の活躍が目立ちました。素晴らしいですね。野球と言えば春の高校選抜野球大会に私の母校が栃木から21世紀枠で出場しました。「栃木県立石橋高校の健闘に敬意を示したいと思います。在学中の50年ほど前では考えられないことです。「石橋高校」は栃木の石橋町というところに…

詳細ページへ

第86回 管理物を「群」としてとらえ、マネジメントしていくためには連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 やっと春めいてまいりました。年度末で皆様お忙しい日々をお過ごしでしょう。多くの自治体においては、議会の対応でも忙しいことと思います。お体に気を付けて、こなして行ってください。現役を終わり、3年もたつと現役の時と違って、年度末のあわただしさが、感じられない。なんか、気が抜けたような気がする。よく聞かれるのが、「今はどちらに行っている?(勤務先)」私の答え「どこにも。しがない個人事…

詳細ページへ

第85回 フィールドを用意するが、やってみる気はありますか?連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 まだまだ、寒い日が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか?私は、年末から、五十肩(年齢は60過ぎてますが)で、腕が上がらず、夜中に夜間痛で起きてしまい苦しい思いをしてます。やっと、ここにきて、少々和らいできた感じです。聞いてみますと、結構、皆さん経験していて、やはりつらいと言ってます。中には40歳前なのに、そうだという方も居ます。原因もわからず、寝違いかと思ったら、どうも腕が…

詳細ページへ

第84回 「たかが伸縮、されど伸縮」連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 新年あけまして、おめでとうございます。本年は皆さん、世の中は暗いですが楽しくやりましょう。令和5年度の公共事業予算は、例年並みで横ばいでした。老朽化の進行は、もはや止められないだろう。建設業界は人材不足が続いている。これは一朝一夕には解決できない。また、人材教育にも関心が高まっているが、非常に難しい問題だ。皆さん実施しようとはしているが、どうしたらよいのかわからないという話を聞…

詳細ページへ

第83回 新技術としての非破壊検査技術連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめにだいぶ寒くなってきました。歳をとると1年が早い。コロナも第8波ですね、お気を付けください。11月は結構、講演の機会が多かった。講演をすると色々感じることがあり、逆に勉強になる。よく注意されるのが「あまり、コンサルの悪口を言わないでください」と言われるが、悪口ととらえるのも一つだが、決して悪口のつもりはなく、悪口と思って、スルーするのではなく足りないところを補填してほし…

詳細ページへ

第82回 維持管理への解析技術の応用連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 やっと涼しくなってきましたが、お元気でしょうか?最近どこに行っても人が増えてきた。新幹線の中も混んでいます。コロナも第8波と言ってますし、お気を付けください。ある申請を電子で行おうとしたら、かえって2度手間になって厄介になるので書面申請に改めた。弁護士(義理の息子)に依頼していたが、そう言われ、彼も驚いていた。なんとこの国は、そもそもシステムが理解できていないのではないか?デジ…

詳細ページへ

第81回 BIM/CIM連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 今年は本当に雨が多い。いつもジメジメどうも気分もよどむ。コロナの影響で対面では遠慮されていた会合などは最近、復活してきた。実際に顔を合わせて話せることは、素晴らしいことだ。前回から肩書の表記を変えた。何人かの方に指摘された。「富山市政策参与」は、アドバイザーであるし、富山市からの特別な依頼事項と、PRになるような活動に対して使う称号である。「植野インフラ」のほうがメインで、自営…

詳細ページへ

第80回 リスクマネジメント連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに久しぶりに秋田に行く機会があったので、小山から秋田まで車窓からではあるが、先日の東北豪雨の状況を土木技術者の習性として、構造物や道路、田畑の様子などを観察した。若干影響が残っているように見えた。鉄道ではローカル線はまだ影響があるようであった。これから台風の季節、災害にはくれぐれも、皆さま、お気を付けください。昔とは威力が違ってます。ここに書いていることは、あくまで…

詳細ページへ

第79回 災害の増加と維持管理連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 新型コロナウイルスの感染がまた猛威を振るっています。自然災害も大きな脅威となりつつあります。そして暑さと豪雨災害。先月、今回は、最近の私の考えを書くと、予告したので書くことにする。本誌の良いところは査読が無いので好きなことを検閲なしで書ける。厳しいことも書くし、間違っていることもあると思う。読者の方がどう判断するかである。自分の判断がその後を決めるというのは何においても同様だ…

詳細ページへ

第78回 構造物の現在の状態を見極める連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに異常に暑い日が続いております。皆さま、お元気でしょうか?新型コロナウイルスの感染がまた盛返しつつあるような?先月、「100年のジレンマ」について書いたが、それに対する反響が多少あった。私の感覚だと、「よく理解されている方は、これで苦労されている」ということである。まずは生い立ち(計画・設計・施工)、そして、その後の再劣化のスピードである。良く世の中に示される「長寿命化…

詳細ページへ

第77回 100年橋梁という幻想連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに最近の世の中の話題は、持続化給付金問題だろうか?どうも「金・金」である。それはお金はあったほうが良い。しかし、まあ、これは、個人の価値観の問題である。経営者と言われる方々にはそれぞれのご苦労があり使命もあるので、考え方の相違もあろう。我々の世界では、できもしない仕事を、中途半端にやってお金をもらおうというのは、犯罪までは行かなくても、社会に迷惑をかける。長期にわた…

詳細ページへ

第76回 木橋について連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 最近、どうも長距離の移動が疲れる、東京に行くのでさえ、おっくうである。ちょうど委嘱期間が終了であったので、次は辞退するということを言ったたが、継続を依頼された。そもそもが、「政策参与」は名称だけの問題で、何の権限も無い。年度末にかけて非常に厄介なこともあり、退任を宣言しながら周辺の動きを観察していたところもある。(これは、私の得意の戦略である。)今回も、面白い実態が見えた。こ…

詳細ページへ

第75回 地方のインフラメンテナンスはなぜすすまないか?Ⅱ連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 新年度あけましておめでとうございます。私の富山市撤退計画は見事に失敗しました。しかし、やり方を少し考えていきたい思います。私が居るだけでは何もできませんし、進みません。実際に実行する方々が、どう判断し実行していくか?重要なのは決断です。

詳細ページへ

第74回 東日本大震災から11年。笹子トンネル事故から10年連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 今年で東日本大震災から11年。笹子トンネル事故から10年になる。インフラメンテナンスの現在の形が作られて10年。いわゆる橋梁などの全数近接目視の制度の2巡目が終わろうとしている。ここで、何が変わってきたのか?と言うところであるが、みな困ってはいるものの、打開策は見いだせないでいる。

詳細ページへ

第73回 Ⅲ評価への現実的な対応とは連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 まだまだ寒い日々が続きます。オミクロン株によるコロナも猛威を振るってます。お元気でお過ごしでしょうか?前回は、なかなか書きなれないことをしましたが結局いつもの話になってしまったかな?もっと批判がくるかと思ったが、私のところには届いていない。良いのか悪いのか?インフラメンテナンスを、実行していくためには様々な分野の人材が必要だ。まず、入り口の点検は、現状ではコンサルの領域だろう…

詳細ページへ

第72回 私がコンサルに厳しいわけ連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 皆さま、あけましておめでとうございます。(少々遅いですが)私も、昨年11月に前期高齢者となり、のんびりゆったり、くらしたく思うのが今年の目標です。という思いもあり、富山で考えた、インフラ・マネジメントに関して前回述べましたが、残念ながら反応はない。今回は、いつも私が悪口?を、言っていると言われているコンサルのことを少々書いてみた。私は、構造・ハードバカで新技術やシステム開発の経…

詳細ページへ

第71回 トリアージ・インパクト連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 最近また、「橋梁トリアージ」に関する問い合わせ、ご意見が増えてきた。しかし、前回の数年前の質問とは内容が少し違ってきている。これはみなさん、そろそろインフラを減らさなければ、世の中が持たないことが、わかってきたものと思われる(ならば良いのだが)。今回は、なぜ私が、「橋梁トリアージ」と叫んだか?導入プロセスを少々書いてみたい。

詳細ページへ

第70回 長寿命化計画とマネジメント連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに最近よくある質問は、「インフラ・メンテナンスでやる気のある自治体は?」「新技術の導入をどうしたらよいか?」ということが多い。何度もここにも書いているし、講演などをすると、質問でよく出る。これらに関しては、答えても恐らく理解できないのだと思う。これに特化した講演もしたが、人気がなく主催者に申し訳ないくらいであった。しかし、多くの講演会などの主眼がずれているということ…

詳細ページへ

第69回 『新技術』への過剰反応連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 前回、「伸縮継ぎ手の標準化」に関して書いた真意をお分かりだろうか?最近、自治体の維持管理の発注者は、「新技術、新技術」と頭を悩ませているのではないだろうか?そして、これにコンサルさんも応えなければならない。で、例えば無理やりドローンを使う、AIを使う(AIの完成度には疑問があるが)となってくる。そこで、例えば、伸縮装置をどう考えるか?という事例を示したのである。新技術の導入には明…

詳細ページへ

第68回 たかが伸縮、されど伸縮連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 1.はじめに前回、「伸縮継ぎ手の標準化」に関して少し書いたが、何人かの方にご意見をもらった。その中で、考え方のフロー図の左下の写真で、あれは、ダメな伸縮の例ではなく良い伸縮の例です。一部誤解を招いたようで申し訳ない。あの、伸縮の写真の企業には職員を連れて工場を見させていただき、止水性の試験の様子も見せてもらっている。協力的な企業である。そもそもであるが、ここに書いている内容は…

詳細ページへ

第67回 伸縮装置の標準化検討例連載

民間と行政、双方の間から見えるもの

 暑い日が続いております。皆さま、お元気でしょうか?新型コロナウイルスの感染が拡大し、オリンピックは閉会したがこの先どうなるのか?前回、「新技術」に関して書いたが、何人かの方にご意見をもらったが皆官庁の方であった。思いは同じだというのである。私は、民間からの反論も期待したのだが無かった。陰で言われているかもしれないが、よく言われる、「ニーズとシーズの違い。」という簡単なものでは…

詳細ページへ
お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム