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関係機関と膨大な協議を行い、都市部の厳しい現場条件下で事業を着実に推進

首都高速道路 更新・建設局 総勢150人で大規模更新事業4件・新設事業1件等を担当

首都高速道路株式会社
更新・建設局
局長

諸橋 雅之

公開日:2023.11.15

新大宮上尾道路 与野出入口付替え工事に着手
 ランプ橋は鋼4径間連続合成床版細幅箱桁橋と鋼4 径間連続合成床版箱桁橋の2橋

 ――新設事業の新大宮上尾道路は
 諸橋 埼玉大宮線が与野JCTまで供用していて、JCTからは埼玉新都心線が東方向に伸びています。新大宮上尾道路は与野JCTから鴻巣市に至る約25.1kmの高架構造の自動車専用道路で、新大宮バイパス上に整備されることになります。
 2016年度には、与野JCT(仮称)(さいたま市中央区円阿弥)から上尾南出入口(仮称)(上尾市堤崎)までの延長約8.0kmが事業化され、翌年度から、国土交通省関東地方整備局と当社が共同で事業を進めています。


事業概要図

 ――御社が担当している事業は
 諸橋 与野JCT区間が主な事業で、本線部の舗装や道路附属物は全区間担当します。また、新大宮バイパスは若干幅員が狭くなっていて、標準的な区間では両側をおよそ3mずつの用地買収が必要です。与野JCTにかかる部分については当社が進めています。
 ――与野JCT区間の事業概要と現況について
 諸橋 現在の与野出入口は将来本線となる部分で暫定運用をしていて、本線部接続の空間確保のためには、与野出入口を付替える必要があります。6月に「与野出入口下部・擁壁等工事」の工事説明会を行い、現場着手しました。上部工も契約締結済みで、詳細設計を進めています。
 ONランプは国道17号バイパスからループ形式で本線と接続し、OFFランプは本線左側に設置するサイドランプとなります。


与野JCT区間の事業概要

現場着手した与野出入口下部・擁壁等工事

 ――ON/OFFランプの延長とランプ橋の構造形式は
 諸橋 ONランプは延長約400mで、鋼4径間連続合成床版細幅箱桁橋(約190m)+U型/L型擁壁(約70m)+土工(約140m)となります。橋梁基礎は既製杭(SC+PHC)、下部工はコンクリート橋台、コンクリート橋脚3基、鋼製橋脚(既設改良)1基です。
 OFFランプは延長約280mで、鋼4 径間連続合成床版箱桁橋(約200m)+U型/L型擁壁(約70m)+土工(約10m)となります。橋梁基礎は場所打ち杭(オールケーシング工法)、下部工はコンクリート橋台、鋼製橋脚(既設改良)4基です。
 ――基礎工にあたり、地盤、周辺環境への配慮などの課題がありましたら教えてください
 諸橋 入口部の杭の工法は、杭先端のオーガを回転させて地盤に圧入する方法で、振動や騒音が小さい工法となっております。また、出口部についても場所打ちコンクリート杭を施工するため、騒音や振動が小さい工法となっております。

銀座・京橋出入口付近 街づくりの計画と連携して事業を推進
 新京橋連結路が事業範囲と重なるため、本社と調整

 ――更新・建設局の担当事業とはなっていませんが、銀座・京橋出入口付近更新についてもお願いします
 諸橋 当該区間(約1.5km)は1962年の供用から60年以上が経過しています。掘割構造になっていますが、もともとは運河の区間を干上がらせて掘割構造としました。また、鉄筋の被り厚が43mmで現行基準の最小かぶり厚(70mm)を満足していません。そのため、コンクリートの剥離、鉄筋腐食が顕著になっています。応急措置は行っていますが、抜本的な対策が必要です。
 さらに、新橋演舞場近くの采女橋の下はS字カーブがきつくなっているので、その線形改良も含めて大規模更新事業として実施していきます。
 ただ、本地区では日本橋地区と同様に街づくりの計画がありますので、それらと連携して進めるべく、調整を本社で鋭意進めています。


掘割区間/擁壁部の損傷

 当該区間と密接に関係するものに、都心環状線新京橋連結路があります。日本橋区間の地下化にともない江戸橋JCTの都心環状線連絡が廃止されますので、代替ルートとして神田橋JCTから八重線を経由して京橋付近に至る新京橋連絡路を整備する必要があります。


新京橋連結路 整備計画(案)

 現在、その事業化に向けて、東京都が都市計画の変更手続きを行っている段階ですが、新連絡路と都心環状線の接続部は、大規模更新事業範囲と重なっていますので、どのように進めていくかを本社と調整しています。
 ――ありがとうございました
(聞き手=大柴功治)

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