道路構造物ジャーナルNET

管理延長は約321km、558橋、21トンネルを管理

熊本河川国道事務所 国道57号北側復旧ルート 2020年度中の開通を目指して工事を展開

国土交通省
九州地方整備局
熊本河川国道事務所長

鈴木 学 氏

公開日:2020.03.25

黒川高架橋の黒川渡河部では曲線桁約83mを送り出し架設

 ――特徴ある橋梁は
 鈴木 橋長が最も長い橋梁という意味で、黒川高架橋が挙げられます。橋長527.5mの鋼3径間連続RC床版非合成鈑桁橋×4連(444m)+鋼単純鋼床版箱桁橋(83.5m)で、黒川渡河部ではスパンを飛ばす必要があり、13橋のうち唯一の鋼橋となっています。
 ――黒川渡河部の架設について教えてください
 鈴木 A2~P12(支間長81.7m)の桁を送り出し架設しました。桁長は83.3m、手延べ機など(51.0m)と合わせた重量は約800tで、2019年11月21日に送り出しを開始して、12月7日に完了しました。送り出し全長は117mです。


黒川高架橋 渡河部の送り出し架設(大柴功治撮影)

 ――施工上の特徴は
 鈴木 桁が単曲線ではなく、さらにA2方向に桁幅が拡幅していたため、桁が移動するたびに重心や反力が変化しました。そのため、1mごとに反力計算と安定計算を行い、その都度、支点位置の調整を行わなければならず、慎重な施工が求められました。



単曲線でなく桁幅を変化する桁の送り出しには慎重な施工が求められた(右下以外、大柴功治撮影)
(左下)橋面工を施工中の黒川高架橋(渡河部)

九州中央自動車道 山都中島西IC~矢部IC(仮称)間で全面展開
 中九州横断道路 滝室坂トンネルを掘削中

 ――次に九州中央自動車道についてお願いします
 鈴木 九州中央自動車道は、九州縦貫自動車道の嘉島JCTから延岡道路の延岡JCT・ICに至る延長約95kmの自動車専用道路で、当事務所では熊本県内の約44kmの整備を担当しています。嘉島JCT~小池高山IC間(延長1.8km)は2014年3月に、小山高山IC~山都中島西IC間(延長10.8km)は2018年12月に開通しました。
 現在、山都中島西IC~矢部IC(仮称)間(延長10.4km)について、用地取得がすべて完了しましたので、全面的に工事を展開しています。
 矢部IC(仮称)から蘇陽は2019年度から計画段階評価に着手しており、地元の方々に意見をいただくなどの手続きを進めて、事業化に向けた検討を進めています。蘇陽から県境は計画段階評価が完了していますので、事業化に向けて調査中です。


九州中央自動車道概要図

 ――山都中島西IC~矢部IC(仮称)間の構造物は
 鈴木 跨道橋を除く橋梁は8橋(合計773.1m)で、トンネルはありません。構造物比率では約7%となります。
 ――8橋の施工状況は
 鈴木 5橋が上部工まで完了しています。滑川橋(橋長167.8m、鋼5径間連続非合成鈑桁橋)は、下部工が完了して上部工を施工中です。城ノ尾第一橋(橋長102m、鋼3径間連続非合成鈑桁橋)は、下部工はA2橋台以外完成していて、上部工も施工中です。城ノ尾第二橋(橋長31m、PC単純コンポ桁橋)は、橋台を構築中で上部工は未着工となっています。


滑川橋/城ノ尾第一橋

九州中央自動車道 橋梁一覧

 ――中九州横断道路は
 鈴木 中九州横断道路は、大分市と熊本市を結ぶ延長約120kmの地域高規格道路で、その一部を構成する滝室坂道路と竹田阿蘇道路の事業を進めています。
 滝室坂道路の事業区間は、阿蘇市波野大字小地野~阿蘇市一の宮町坂梨で延長6.3kmです。そのうち、4,834mが滝室坂トンネルとなり、延長比率で約77%を占めています。阿蘇の外輪山東側の非常に脆弱な地盤のところを掘削していますので、慎重な掘削を進めていますが、事故なく1日も早く開通ができるように考えています。

滝室坂道路概要図

 竹田阿蘇道路は、起点が大分県竹田市大字会々、終点が阿蘇市波野大字小地野の延長22.5kmの道路で滝室坂道路と接続します。熊本県側は2019年度に事業化され、2019年11月に中心杭打ち式を行いました。今後、調査、設計を進めて、できるだけ早く工事に着手できるようにしていきます。


竹田阿蘇道路概要図

11月17日開催された竹田阿蘇道路中心杭打ち式

 ――滝室坂トンネルでは脆弱な地盤を掘削しているとのことでしたが、補助工法の採用などどのような対策を取られているか教えてください。また、進捗状況は
 鈴木 切羽判定を実施したところ、東工区本坑において、切羽面に脆弱な砂礫層が分布し、沈下量が大きくなったことから、Eパターンを採用しました。Eパターンとは、高強度の支保工とするとともに、補助工法でAGF工法(注入式長尺先受工法)や長尺鏡ボルトを施工し、かつ断面を円形に近づけ、外圧等に耐えうる構造としたものです。全延長は本坑4,834m、避難坑4,898mで、西工区と東工区の2工区で施工しています。西工区は本坑2,679m のうち452.4m、避難坑3,069m のうち1,109.4m、東工区は本坑2,155m のうち594.1m、避難坑1,829m のうち1,293.5mまで掘削が進んでいます。


滝室坂トンネル断面図

西工区 坑口と本坑の掘削

東工区 坑口と本坑の掘削

 ――滝室坂道路の橋梁について
 鈴木 坂梨1号橋(40.7m、鋼単純非合成鈑桁橋)と坂梨2号橋(23m、PC単純プレテンションT桁橋)の2橋で、未着手です。


滝室坂道路 橋梁一覧

 ――発注済みですか
 鈴木 未発注であり、工事着手時期も未定です。

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