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国道51号神宮橋は橋長1,075mの新橋に架替え

2024年新年特集① 関東地方整備局 圏央道未開通区間の工事が進捗

国土交通省
関東地方整備局
道路部長

野坂 周子

公開日:2024.01.01

 国土交通省関東地方整備局は、道路事業の主要プロジェクトと位置付ける首都圏3環状道路の整備をはじめ、大宮上尾道路(与野~上尾南)、国道357号(東京湾岸道路)などの事業を進めている。更新事業では、国道51号神宮橋の架替え工事が進捗中だ。そうした事業の概要と進捗状況、さらに橋梁を中心とした維持管理の取組みも含め、野坂周子道路部長に聞いた。
※計画・建設中の構造物、JCT・ICはすべて仮称です。

22路線、延長約2,429kmを管理
 首都圏3環状道路は全体の約8割が完成

 ――関東地方整備局が管理する道路および管内の特徴についてお教えください
 野坂部長 関東1都6県と山梨県、長野県の22路線、総延長約2,429kmを管理しています(2023年4月現在)。管内の都県面積は全国の約1割ですが、4割近い人口と経済が集積し、我が国の中枢を支えるインフラが集中している重要な地域となっています。その一方で、今後30年以内に70%の確率で発生すると言われている首都直下地震のリスクを抱えています。
 当整備局では、防災・減災、国土強靱化に向け、また生産性向上に資するため、高速道路のミッシングリンク解消や災害に強い道路ネットワークの構築などを目指して、さまざまな事業を推進しています。


関東地方整備局 管内図(国土交通省関東地方整備局提供。以下、同)

 ――事業路線の概要をお願いします
 野坂 道路事業の主要プロジェクトとして、首都圏3環状道路の整備を進めています。首都高速中央環状線が全通し、東京外かく環状道路(以下、外環)が約6割、首都圏中央連絡自動車道(以下、圏央道)は約9割が開通しており、全体で約8割の整備が完了しました。
 圏央道は、千葉県内の大栄JCT~松尾横芝IC間と、神奈川県内の横浜環状南線、横浜湘南道路が未開通となっており、引き続き整備を推進しています。
 外環(関越~東名)は、2020年10月に発生した地表面陥没事故を踏まえて、有識者委員会において再発防止対策等を取りまとめ、準備が整ったシールドトンネル工事から掘削作業を順次再開しているところです。細心の注意を払いながら安全に工事を進めていくとともに、安全に工事を進められる環境整備に尽力してきます。


首都圏3環状道路の整備状況

 3環状道路以外では、中部横断自動車道の未開通区間である長坂~八千穂のルート(事業予定者案)を2023年7月に山梨県および長野県に提供し、両県において10月に都市計画原案の説明会を開催しています。今後、住民等地域の意見や環境影響評価をふまえて都市計画案を取りまとめていく予定ですので、当整備局としては、引き続き、両県が行う都市計画と環境影響評価の手続きが円滑に進むよう、関係自治体と連携しながら必要な検討を進めます。
 同道は、2021年8月に静岡~山梨間の全線が開通し、沿線企業の取引企業数、従業員数が増加するなど経済活動の活性化に寄与しています。同時に、並行する国道52号とのダブルネットワークにより、災害時等の通行止め時のリダンダンシーを確保できました。
 直轄国道の事業では、東京湾岸地域の交通混雑の緩和や物流施設等の連携強化に向けた国道357号の整備や、新たな国際交通拠点の形成を目指す国道15号品川駅西口基盤整備事業のほか、国道51号神宮橋の架替えや国道20号新笹子トンネルの改修といった老朽化した構造物の更新などを行っています。

大栄JCT~松尾横芝IC間は2026年度の開通を目指す
 横浜環状南線 栄IC・JCTは下部工119基完成、7橋の架設完了

 ――圏央道の未開通区間である大栄JCT~松尾横芝IC間から
 野坂 成田市吉岡から山武市松尾町谷津に至る延長18.5kmとなります。一部区間でトンネルや橋梁がありますが、主に土工構造となります。
 全線で用地取得が完了し、埋蔵文化財調査や本体工事を実施しており、開通目標は2026年度です。なお、大栄JCT~国道296号IC(延長約9km)は、1年程度前倒しでの開通を目指しています。


大栄JCT~松尾横芝IC 概要図

 ――NEXCO東日本との共同事業となっていますが、直轄区間の延長と進捗率、構造物は
 野坂 香取郡多古町の約5km区間を担当しており、事業進捗率は約45%(2023年3月現在。以下、同)です。直轄区間に構造物はなく、土工部での改良工を進めています。


大栄JCT~松尾横芝IC 直轄区間施工状況

 ――圏央道では4車線化事業も進めていますね
 野坂 暫定2車線となっている久喜白岡JCTから大栄JCTまでの延長92.2kmを4車線化に向けて事業中です。そのうち、久喜白岡JCT~幸手IC間(8.5km)、境古河IC~坂東IC間(9.1km)は2023年3月31日に4車線での供用を開始しました。残る区間についても全区間で工事に着手していて、各自治体協力のもと、2025年度から2026年度までの全線4車線化を目指し、現在、土工工事および橋梁工事を推進しています。


圏央道4車線化事業(久喜白岡JCT~大栄JCT) 概要図

 ――NEXCO東日本との共同事業ですが、直轄区間での主な橋梁と進捗状況は
 野坂 利根川橋(橋長886m、鋼10径間連続細幅箱桁橋)のほか、鬼怒川高架橋、小貝川高架橋などがあり、これらの橋梁は桁製作中もしくは架設中となっています。


利根川橋(左)/鬼怒川高架橋(中央)/小貝川高架橋(右)の施工状況

施行中の橋梁(橋長100m以上の上部工。2023年3月時点)

 ――神奈川県内の横浜環状南線について
 野坂 横浜横須賀道路の釜利谷JCTから国道1号の戸塚ICまでの延長8.9kmの道路で、途中の栄IC・JCTでは横浜湘南道路と接続しています。延長8.9kmのうち、約3.1kmがシールドトンネルとなっています。NEXCO東日本との分割施工となっており、直轄区間は栄IC・JCTの東側から戸塚ICまでの区間で、事業進捗率は約46%です。
 整備効果では、横浜市内の交通の利便性向上や交通渋滞の緩和、地域拠点間の連絡強化、周辺地域の活性化が見込まれています。


横浜環状南線 概要図

 ――栄IC・JCTは本線とランプ橋が輻輳している構造となっていますが、施工状況をお教えください
 野坂 当該IC・JCTはランプが5層に輻輳するなど、大規模な構造となっています。下部工は全124基で、このうち2023年10月末までに119基が完成しています。上部工は上下線別で全30橋あり、2023年10月末までに7橋の架設が完了し、20橋が施工中です。構造物が輻輳しているなかでの架設が課題と言えます。


栄IC・JCT 施工状況(2023年8月時点)

 ――その課題に対してどのような工夫、取組みを行っていますか
 野坂 複数の工事が錯綜している状況のため、各工事間調整やCIMを使った上部工架設の施工計画検討を行っており、上部工架設時の隣接橋梁や高圧線等の近接影響検討、ベントの構造・配置検討などを行っております。


構造物が輻輳しているなかで架設が進められている

 ――本線橋の架設では
 野坂 本線第4橋(橋長約178m、鋼3径間連続非合成箱桁橋、鋼重約3,500t)では、横浜市道を跨ぐことになることから、クレーンベントによる架設のほか、先行して送出し架設を行った上り線の桁上を、下り線桁架設の施工ヤードとして使用するなど、限られた施工ヤードを最大限活用する工夫も行っています。
 ――送出し架設をどのように行っているのか、具体的にお教えください
 野坂 上り線の送出しは箱桁を連結し、計2回の送出しをしており、桁の送出し長は約130m、手延べ機を含めた桁全長は約170mと大がかりな設備となっています。上り線の送出し施工後は桁降下を行い、その後、上り線の桁上を利用して下り線桁の縦取り架設・横取り架設・桁降下を行います。


本線第4橋の送出し架設

 ――戸塚ICの施工状況はいかがですか
 野坂 改良工事を行っています。重交通路線である国道1号をはじめ近隣道路の交通影響を最小限にしながら、切り回し工事を行うことが課題になっています。
 国道1号直下の函渠施工では、国道1号を切り回して施工し完了後、線形を元に戻しています。その他、必要に応じて既設市道も切り回しを行い、交通を確保しながら施工しています。


戸塚IC施工での国道1号切り回し

戸塚IC施工状況(2023年8月時点)

 ――ランプ橋はありますか
 野坂 当該ICは橋梁構造ではありません。国道1号などの道路と交差する部分はBOX構造となります。
 ――今後、発注予定の橋梁は
 野坂 栄IC・JCTと戸塚ICの中間付近に位置する新小雀高架橋(橋長129m、PC4径間連結コンポ橋(ポストテンション方式))や栄IC・JCT Cランプ3号橋(橋長166m)などがあります。

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