道路構造物ジャーナルNET

事業区間の構造物比率は約8割

NEXCO中日本秦野工事事務所 山岳工事では現場アクセスに苦心、各現場で工期短縮策を採用

中日本高速道路株式会社
東京支社
秦野工事事務所
前 所長

長浜 勲 氏

公開日:2019.09.11

葛葉川橋 φ1,200mmのベノト杭を498本打設
 中津川橋 世界初の二面吊りエクストラドーズドバタフライウェブ箱桁橋

 ――特徴のある形式あるいは工法適用の橋梁は
  長浜  葛葉川橋、中津川橋、河内川橋、皆瀬川橋があります。
 ――葛葉川橋は
  長浜  鋼5径間連続鈑桁橋と鋼16径間連続鈑桁橋の2連からなる橋長1,013m(下り線、上り線は1,004m)の管内では最長の橋梁です。橋台・橋脚は27基あり、基礎は場所打ち杭で施工しましたが、φ1,200mmのベノト杭を498本打設しました。打設総延長は約10kmに及びます。


葛葉川橋 ベノト杭施工状況

葛葉川橋 下部工施工

 また、A1~P5間は上下線分離区間であり、将来の拡幅を考慮して合理化合成床版を採用しています。一方、P5~A2間は上下線一体区間とし、最大幅員約26mのPC床版を計画しています。
 ――進捗状況は
  長浜  上下部構造施工中で、下部構造27基のうち、24基完成しています。上部構造はA1~P5の架設が完了しています。当初はトラッククレーンベント工法での架設を予定していましたが、技術提案によりノーベント工法で大型クレーンにより一括で架設しました。


葛葉川橋 施工状況

ノーベント工法による一括架設

 ――中津川橋は
  長浜  松田町に位置し、二級河川の中津川を跨ぐPC3径間連続エクストラドーズドバタフライウェブ箱桁橋(上り線268m、下り線278m)です。二面吊り形式のエクストラドーズドバタフライウェブ箱桁橋は世界初となります。斜材の緊張力による面外曲げに対して、隔離構造ではなく施工性に配慮したプレキャストウェブを斜材定着部に配置する予定です。
 中津川の左岸側には神縄・国府津-松田断層帯の神縄断層が存在し、気象庁の活断層からは外れていますが、過去に2~3m程度動いた形跡があったために長期的な変位を想定して、このような形式を採用しました。


中津川橋概要図

中津川橋完成予想図

 現在、詳細設計の最終段階ですが、断層の詳細調査を進めると破砕帯が広がっていて、下り線についてはこれを避けるために主塔が予定の位置に立てられないこと、また東京電力の高圧線も避けなければならないため、上下線で非対称の形式となりました。このような制約条件から下り線では橋脚と主塔のアンバランスが生じ、負反力対策でA2側径間の一部橋桁(約20m)をトンネル断面内へ延伸することにしました。トンネル内の負反力対策は、L2地震時にA2支点に発生する負反力を上部構造以外の別構造で対応するとともに、待ち受けケーブルである負反力対策ケーブルとグランドアンカーで対応予定です。
 当初は、もう少し延伸することも検討しましたが、斜材もトンネル内に入ることになるのでトンネル断面が大きくなるとともに、維持管理の観点からも斜材をトンネルから出すことにしました。バタフライウェブの採用は、中央径間の死荷重を少なくするためです。
 側径間がトンネル内に位置する橋梁は、NEXCO中日本では東海北陸自動車道の加須良橋があり、その事例や過去の対策を踏まえつつ、断層の課題を解決していきました。
 ――トンネル内に側径間があると、維持管理が大変になりませんか
  長浜  維持管理に必要な空間は確保します。新東名高速道路のトンネル断面は静岡県内の3車線部で約180m2ですが、それよりも大きい断面になります。
 ――進捗状況は
  長浜  現場への進入路となる工事用道路や仮橋、仮構台の建設はほぼ完了して、深礎杭のための構造物掘削に着手しています。基礎構造完了までに半年以上、今年度末ごろから橋脚の立ち上げを予定していますが、もともと地盤がいい地山ではないので補強をしながら実際に掘削してみないとわからないところがあります。


中津川橋 施工状況

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