道路構造物ジャーナルNET

⑳ 青森ベイブリッジ(1)

次世代の技術者へ

土木学会コンクリート委員会顧問
(JR東日本コンサルタンツ株式会社)

石橋 忠良 氏

公開日:2021.04.01

3.基礎の施工

 写真-2、3は地中連続壁の掘削の機械です。


写真-2 ハイドロフレーズ/写真-3 エレクトロミル

 写真-4は地中連続壁の施工が終えた状況です。


写真-4 地中連続壁の施工が終えた状況

 写真-5は基礎の頂板を掘削している状況です。


写真-5 基礎の頂板掘削の施工途中

4.主塔の施工

4.1 主塔のコンクリート
 主塔のコンクリートは圧縮強度60N/mm2です。当時使われ始めていた高性能AE減水剤を用いました。地上からの高さ約100mまで、ポンプ圧送しました。
 コンクリートの配合を表-1に示します。季節に応じて配合を変えています。高性能AE減水剤は表-1に示す2種類のものを用いました。


表-1 高強度コンクリートの配合表

 写真-6はコンクリートのスランプコーンを抜いた時の状況です。
 図-6はコンクリートのスランプフローの時間経過にともなう変化を示しています。山陽新幹線で岩鼻のPCトラスを施工した頃はスランプがすぐに低下したのですが、それと比べて、スランプの低下が少なくなり、高性能AE減水剤の性能が格段に向上していることをこの時実感しました。


写真-6 高強度コンクリートのスランプコーンを抜いた時の状況
図-6 コンクリートのスランプフローと時間経過

4.2 主桁の施工
(1)ワーゲン施工
 写真-7は青函連絡船の入る港の上で、ワーゲン施工をしている状況です。青森駅の線路上も同様な方法で施工しています。下に物や水も落ちないように防護を完璧にして、列車運行に制約されず施工しました。


写真-7 張り出し施工の状況

(2)斜材の構造と施工、一時緊張
 図-7は斜材の桁側の定着構造です。図-8は斜材の塔側の定着構造です。図-9は斜材の断面です。FRPの外筒菅にPCストランドを最大91本配置しています。


図-7 斜材の桁側の定着構造/図-8 斜材の塔側の定着構造

図-9  斜材の断面

 次の写真-8は斜材ケーブルの一時緊張の様子です。ストランド1本ずつ定着具に止めていきます。工場で、ストランド1本ごとに同じ長さでマーキングして、そのマーキング位置を揃えて、長さを設計値になるように止めてもらいました。この方法で、ストランド1本ごとの張力のばらつきをなくすことができます。


写真-8 ストランドに工場でマーキング

 技術的な話は次回に続けて紹介しますが、当時の現場の様子を紹介します。
 当時は青森の現場近くに、JRの現場監督員のための寮がありました。社員の自宅は仙台か盛岡の人が多いので、青森の現場には単身で行く人がほとんどです。東北工事事務所は東北地方の工事を担当しているので、仙台から遠い工事区は、当時は青森のほかに秋田にもありました。
 これら遠隔地の勤務は当然単身なので、当時はこのような現場には寮がありました。賄いのおばさんが通ってきてくれ、朝食と夕食を作ってくれます。私も現場に打ち合わせなどに行くときにはこの寮に泊めてもらっていました。
 夜は寮に住んでいる社員たちとの懇親の場となります。ここで初めて食べたのがフジツボです。ゆでたものの殻を割って食べるのですが、カニのような味でおいしかったことを記憶しています。
 また、ねぶたの時期にはJRグループでねぶたに参加するのですが、当時は青森地区に勤務している人だけでは足りないので、何人か仙台から応援に行きました。ねぶたの衣装を着け、跳人といって片足で跳ね続けるので若い人が必要なのです。JR 分割直後で若い人が非常に少ない時期でしたので、私も応援に行ったことがあります。工事区には何人か分の衣装や花笠が用意してあり、それを付けて参加しました。これほどエネルギッシュな祭りはないだろうと思います。
 東北は仙台の七夕、秋田の竿灯は見ることが中心で、山形の花笠まつりは踊りに参加しますが比較的静かです。ねぶた祭りは参加する機会があれば、参加してみてください。若くないとアキレス腱を切るかもしれませんが。
 今はこのような寮はなくなったようで、懐かしい思い出です。
(次回は5月1日に掲載予定です)

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