道路構造物ジャーナルNET

⑦「考える職員」を増やす

民間と行政、双方の間から見えるもの

富山市 
建設技術管理監 

植野 芳彦 氏

公開日:2016.06.16

 民間と行政の双方を経験し、何が見えるか?書いてほしいとの話があった。執筆を引き受けたのは良いが全く書く内容に困った。しかし、これから大きく変化する、社会情勢の中で特に、何が今問題なのか?我々は何をするべきなのかを考える一助になればと思い書くことにする。技術的内容よりも、一般論に近いものとなる。書くに当たっては、批判も罵声も大いに結構である。さまざまな考えの方が居て当然であり、私の考えが間違っているかもしれない。大いに批判していただきたい。

 熊本地震、新名神高速道路工事橋桁落下事故において、お亡くなられた方に、謹んでお悔やみ申し上げます。また、被災された方々に、お見舞い申し上げます。

 前回は、役所側を見てみたが、モット率直に考えてみる。

壁を破る勇気が必要だ

1. 壁、障壁、バリア
 まず、「役割」の違いを明確にと言ったが、役所の人間は其の経歴から言っても、経験値からいっても、技術的に細部まで理解できるわけがないのである。個人的に、よっぽど興味を持ち、研究していれば別だが、なかなかそうは行かない。
 赴任してから、毎月1回の「植野塾」と「橋梁技術研修」を職員向けにやっている。この中で感じているのは、「自ら自分の壁を作ってしまっているな!」と思うところである。自分はやったことがない。⇒できない。⇒無理だ。⇒やっても無駄だ。になってしまっていないか?「植野塾」ではどちらかと言うと、インハウスエンジニアのメンタル面の話をしている。ここで、前向きな職員は「自身のキャリア形成」を考えはじめている。定期的な人事異動で異動しながらも、自分をどう形作っていくかは、重要な課題であるはずである。いわれたことをやっているのが一番無難であるが、面白みもない。私は根が反骨精神の塊なので、言われたことはそのままやらない。なんとか、考えてどうやったら、楽にうまく行くか考える。まずストーリーを考えることからはじめる。
 せっかく優秀な資質を持っているのに、自ら壁を作ってしまうのは、もったいない限りである。若ければ若いほど、いろんな物を身に着けられる。“時間“は限られているので、誰かから学んでいくのがもっとも有効だが、それもなかなか難しいのも事実だ。私は、これまでの人生の中で「師匠」と言える人が何人か居た。それが現在の私の核の部分を作っている。(たいしたことはないが)それは、おおむね、「かんがえかた」「仕事に対する姿勢」であったりする。だから、「植野塾」では、そのことに重点をおきたいと考えている。「考える職員」を増やしたいのである。
 ここで壁は何か?上司、同僚、家族、であり、其れは自分の考えに起因する自分自身である。「経験がない。知識がない。」で止まってしまっては、そこまで。いろいろ自分でできない理由を考える。
 世の中で言われる、「役人」「公務員」は、非常にまじめな方が多い。優秀でもある。しかし、型にはまってしまっているのが、非常にもったいない。型にはまっていると言うか?悪く言うと、付け焼刃で、ことが足りると考えているのではないだろうか?専門の知識は、実績と経験を持った人間には勝つことはできない。しかし世の中には、間違った知識や感覚の人間も居る。付け焼刃的な民間業者も大勢居る。この辺をわきまえて仕事をしていかねばリスクとなる。さらに、間違ったままの知識で対応してしまった場合、気づいたら直に修正していく謙虚さも必要である。さまざまな障壁を打ち破ってこそ未来が開ける。壁を破る勇気が必要だ。

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