道路構造物ジャーナルNET

橋梁4887橋とトンネル251施設を管理

中国地方整備局 山陽側の都市圏渋滞対策、山陰側のミッシングリンク解消事業を推進

国土交通省
中国地方整備局
道路部長

福田 敬大

公開日:2019.03.25

倉敷立体(仮称)高梁川大橋の橋脚構築ではREED工法を採用
 岡山環状南道路事業 新設橋梁で全国初となるECI方式で整備実施

 ――主要な整備事業について教えてください
 福田 都市部の渋滞対策として、「国道2号倉敷立体」、「国道2号玉島・笠岡道路、笠岡バイパス」、「国道180号岡山環状南道路」、「国道2号安芸バイパス・東広島バイパス」などの事業を推進しています。
 山陰側の高規格幹線道路のミッシングリンク解消を目的とした事業では、「山陰道鳥取西道路」、「山陰道北条道路」、「山陰道出雲~仁摩間」、「山陰道三隅・益田道路」、「山陰道長門・俵山道路、俵山・豊田道路」などを進めています。
 ――国道2号倉敷立体は
 福田 岡山県倉敷市新田から同市船穂町船穂までの延長7.7kmの道路です。倉敷市内の交通混雑の緩和や観光活性化による地域振興などを目的としています。倉敷美観地区は近年、観光客が増加しており、広島方面からの高速道路を利用した観光交通は倉敷IC経由が約6割となっていますが、大規模商業施設への交通と重複しているため、周辺道路の速度低下が発生しています。倉敷立体の整備により、広島側の玉島IC経由での美観地区への所要時間短縮と美観地区北部の渋滞緩和を期待しています。


事業概要図

 ――事業の進捗状況は
 福田 延長7.7kmのうち5.0kmは4車線化が完成し、残る2.7kmの整備を進めていて、2019年度の4車線開通を目指しています。
 ――整備中区間の構造物について
 福田 (仮称)高梁川大橋と(仮称)船穂高架橋があり、(仮称)高梁川大橋は橋長714mの鋼12径間連続非合成少数鈑桁橋、(仮称)船穂高架橋は橋長512m のPC連結プレテンションT桁橋や鋼連続非合成鈑桁橋など複数の形式で構成されています。高梁川大橋は上部工、船穂高架橋は下部工および上部工に着手しています。
(仮称)高梁川大橋では橋脚構築にあたり、REED工法(鉄骨コンクリート複合構造橋脚構築工法)を採用しています。施工にあたっては、非出水期での施工、河川敷に埋設されている送水管防護による河川内工事着手への影響、仮桟橋施工による下部工着手への影響などの制約条件がありました。そのため、工場製作のプレキャスト型枠(SEEDフォーム)と突起付きH形鋼を組み合わせることで、施工場所での型枠組立脱型・鉄筋組立作業を省くことができるREED工法により、工期短縮と安全性の向上を実現しました。


(仮称)高梁川大橋 下部工イメージ

REED工法による橋脚(P19)構築

(仮称)高梁川大橋現況(2019年3月撮影)

 ――国道2号玉島・笠岡道路、笠岡バイパスは
 福田 地域高規格道路「倉敷福山道路」(延長約55km)の一部を担う岡山県倉敷市玉島阿賀崎から笠岡市茂平までの延長21.5kmの自動車専用道路です。玉島・笠岡道路では延長13.9kmのうち、4.5km(Ⅰ期)が開通し、Ⅱ期(9.4km)の事業を進め、笠岡バイパス(延長7.6km)では側道部が部分開通しています。全体の事業進捗率は32%となります。
 事業区間周辺には工場が多く、その物流で国道2号が利用されていますが、玉島・笠岡道路、笠岡バイパスの整備により所要時間の短縮と輸送の定時性向上が期待されています。


事業概要図

 ――国道180号岡山環状南道路は
 福田 地域高規格道路「岡山環状道路」(延長約40km)の一部を構成する、国道30号(岡山市南区藤田)と国道2号(岡山市南区古新田)を結ぶ延長2.9kmの道路です。事業進捗率は47%となっています。
 国道2号との接続部は渋滞緩和を目的に国道2号の立体化を行いますが、付近の国道2号の交通量が約10万台/日であり、施工期間中の渋滞・混雑の増加が課題となりました。また、現道を切り回しながら、中央帯に橋梁を施工するため難易度の高い工事となります。そこで、新設橋梁では全国で初めて「ECI(Early Contractor Involvement)方式」を導入しました。優先交渉権者(施工予定者)と技術協力業務を締結し、課題に対して設計段階から施工者としての提案を行ってもらうもので、施工者のノウハウを活用します。


事業概要図/国道2号立体のイメージ

 その他の主な構造物としては、JR宇野線を跨ぐ(仮称)大福高架橋(橋長480m、鋼多径間連続非合成多主I桁橋)があり、下部工を施工中です。
 ――国道2号安芸バイパス・東広島バイパスは
 福田 東広島市八本松町から安芸郡海田町南堀川町までの延長17.3kmの自動車専用道路となります。安芸バイパスが延長7.7km、東広島バイパスが延長9.6km(うち、7.7km開通済み)で、事業進捗率は66%です。


事業概要図

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