道路構造物ジャーナルNET

道路管理に毎年平均150億円を投入

神奈川県 今後5~10年が道路建設の正念場

神奈川県 
県土整備局長

浅羽 義里 氏

公開日:2015.06.01

JR相模線の複線化目指す
 東海道新幹線 倉見新駅の実現に邁進

 ――鉄道網の整備について
 浅羽 県内の鉄道交通は主に小田急線とJR東海道本線の2路線に大きく依存しています。一方、県央湘南都市圏を見てみますと、非常に良い位置に相模線が走っています。しかし同線は単線です。この相模線の輸送力強化をJRに働きかけています。県では複線化まではいかないまでもとりあえずは活力をもたらそうと、最近「アトムトレイン」を走らせ、県内外の注目を集めました。他にも車内の吊り広告などで紹介しながらできるだけ多くの方に乗っていただく、誘致した会社の社員さんにも定期券を買っていただき乗っていただく、採算性を取れるよう相模線沿線の活性化を第一段階として図ります。
 第二段階として、相模線の一部の駅で生じている擦れ違い不可能な個所の解消を図ります。
 また、東海道新幹線の新駅を相模線の「倉見」地区に建設する計画も推進しています。さらにリニア中央新幹線の駅が橋本駅付近にできることが決定しています。これらを南北のゲートと位置付けて全国連携の窓口にし、さらにこの相模線という縦軸を活性化していきたいと考えています。
 ――相模線は他の交通機関とりわけバスとの連携も課題と考えますが
 浅羽 その前段階として駅前広場の建設など環境の整備が必要です。それに加えてバス網など他の交通機関とのスムーズな乗換をどのように実現するかが課題であると認識しています。もちろん、その前提として企業の集積が必要です。この3点を同時に進めて魅力ある「相模線沿線の街づくり」を行うことが重要です。3月にはリニア中央新幹線の用地買収について相模川以東は相模原市、相模川以西は県が行うという協定を結びました。
 倉見新駅の実現は、このリニア中央新幹線の進捗が深く関係していくと考えます。リニア中央新幹線が開通すれば、名古屋までの長トリップは新幹線からリニア側へ大幅に移ることが予想されます。そうすれば現在、過密状態である「のぞみ」を含めた新幹線ダイヤは緩和されます。また新幹線の性格も速達性から地域活性化のための旅客運輸手段という風に変わっていくことが予想され、倉見新駅の実現性が高まります。新駅ができれば厚木・座間・藤沢・茅ケ崎などの各市の活性化につながると考えています。
 また、「神奈川東部方面線」として西谷から羽沢を通って相鉄からJRに入っていくSJ線(相鉄・JR直通線)。さらには羽沢から新横浜を通って大倉山付近を抜けて日吉に到るST線(相鉄・東急直通線)は、いずれも平成31年度には完成する予定です。これらは東京五輪に間に合う予定です。また、相模鉄道に対しては、湘南台駅から慶応大学湘南キャンパスを経由し、倉見新駅へ至るいずみ野線の延伸について要望しているところです。倉見新駅は駅前広場も大きくつくり、バス会社もリンクしやすくし、交通の一大拠点を形成したいと考えています。 

戸田交差点をアンダーパスで立体化
  アンダーパス区間は500㍍

 ――次に道路事業の主要路線の進捗状況は
 浅羽 まず国道134号の江の島~大磯町間4車線化事業があります。交通渋滞対策のため現行2車線道路を4車線化するもので、昭和60年から取り組んでおり、平成25年度までに江の島~平塚市内間約13.9㌔は4車線化済みです。そしてこのほど平成27年3月1日に最後の平塚市虹ケ浜~大磯までの約1.1㌔の工区も完成し、供用を開始しました。
 主要構造物としては花水川橋(下り線)があります。橋長は132㍍、幅員は12㍍(有効幅員は車道7.5㍍、歩道3㍍)で、上部工形式は2径間連続鋼床版箱桁橋(74.3+55.7㍍)です。防食はC-5系の重防食塗装を採用しています。また、下部工の鉄筋にはエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用しています。工費は約13億円となっています。
 次に県道22号(横浜伊勢原)の用田バイパスがあります。既にⅠ期区間約3.3㌔は供用しており、現在はⅡ期区間820㍍(藤沢市用田~綾瀬市吉岡)の整備を進めていましたが、27年3月31日に無事開通しました。
 構造物としては用田大橋があります。同橋は橋長160㍍の橋梁です。上部工は140㍍の主橋梁と20㍍のアプローチ橋にわかれており、主橋梁部が3径間連続合成床版細幅箱桁橋、アプローチ部が単純PC中空床版橋です。鋼桁部分は耐候性鋼材を採用しています。
 もう一箇所は国道129号の戸田交差点立体化事業があります。
 戸田交差点の交通量は、国道129号が1日交通量約4万6千台、県道22号(横浜伊勢原)が同約3万台と、県内でも有数の交通量となっており、交通渋滞が慢性化しています。さらに今後は、新東名高速道路の厚木南IC(仮称)などの完成によって、さらに交通量が増加すると見込まれています。


(左写真)イメージパース(アンダーパス部) / (右写真)イメージパース(接続区間)

 このため、国道129号を県道22号(横浜伊勢原)の下にアンダーパスさせることで渋滞を緩和しようというものです。またこのアンダーパスと併せて、現在、中日本高速道路(株)が建設を進めている新東名高速道路の「厚木南IC(仮称)」と国道129号を繋ぐ接続道路の整備も県で進めています。新東名の接続道路については、国道129号の上を跨ぐ橋梁を整備する予定でこうした複雑な線形であることなどからアンダーパスを採用しました。
 事業延長は約1.7㌔です。そのうちアンダーパス区間は500㍍(両側のU型擁壁が156+158.5㍍、国道129号直下のボックスカルバート部が185.5㍍)となっています。
 ――アンダーパスの工法は
 浅羽 既存の道路への影響を避けるため、連壁のような形で路面の両側、中間杭で中央を支えると共に上面には覆工板を設置した上でアンダーパス部分を開削していく工法を採用しています。


(両写真とも)アンダーパス部の施工状況

ランプ橋は85㍍前後の2主鈑桁橋を2橋施工
 厚木市道の付け替え橋は60㍍の鋼床版箱桁

 ――ランプ橋部は
 浅羽 現在は129号の上を通る新東名のランプ橋を2本、もう一つ厚木市道の付け替え橋を1橋施工中です。ランプ橋は橋長85㍍前後の2径間連続非合成2主鈑桁、市道橋が60㍍強の単純鋼床版箱桁橋となっています。ランプ橋は耐候性鋼材を採用しています。


(写真)新東名接続区間の現況

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