道路構造物ジャーナルNET

これからは九州横断道路などに注力

九州地方整備局 東九州道残るは宮崎・鹿児島間

国土交通省九州地方整備局
道路部長

喜安 和秀 氏

公開日:2015.05.20

15橋の上部工施工へ、下部工は17橋75基着手
 田代第2トンネルなど5トンネルも着工

 ――主要構造物の着手状況は
 喜安 まず、昨年度着手した橋長100㍍以上の上部工は15橋で、そのうちPC橋が7橋、鋼橋が8橋となっています。このうち平成27年度に11橋、平成28年度に4 橋が完成する予定です。
 主な橋梁は鋼橋で申しますと国道208号有明海沿岸道路の徳益高架橋P36~P39(3径間連続鋼床版箱桁、314㍍)、PC橋では九州横断道延岡線(嘉島~山都)における太田川橋(PC4径間連続ラーメン箱桁、354㍍)があります。
 また平成26年度補正予算では有明海沿岸道路の沖端高架橋全体1,238㍍のうちP13~P18間168㍍の鋼5径間連続非合成鈑桁橋などを発注しています。 
 下部工は有明海沿岸道路の筑後川橋など17橋75基で着手しました。補正予算では中九州横断道路大野竹田道路(朝地~竹田)の平井川橋(198㍍、PC5径間連結コンポ橋)の下部工4基などを発注しています。
 トンネルは東九州道(清武~北郷)の椿山トンネル1,099㍍など24トンネルを施工しておりますが、平成26年度末に13カ所が完了し、平成27年度中にさらに7カ所、平成28年度に4カ所が完了する予定です。また、平成26年度は新たに、九州横断道延岡線(小池高山~北中島)の田代第2トンネル(531㍍)など5トンネルに着工しました。


椿山トンネル坑口部の施工

椿山トンネル坑内の施工

平成26年度から継続施工中の橋梁

平成26年度補正予算で発注した橋梁

平成26年度に発注したトンネル

 ――今年度の予定は
 喜安 橋梁の上部工に着手予定は14橋(PC橋5橋、鋼橋9橋)、下部工には11橋・41基に着手する予定です。
 鋼橋では、福岡国道管内の有明海沿岸道路で、大川バイパスに計画する、筑後川橋(1,008㍍、m)のうち、筑後川を渡河する450㍍区間と、大川佐賀道路に計画する、早津江川橋(854㍍)のうち早津江川を渡河する448㍍区間の橋梁工事を発注する予定です。橋梁形式は、筑後川橋は、鋼4径間連続(2連、単弦)中路アーチ橋、早津江川橋は、鋼4径間連続(単連、単弦)中路アーチ橋です。
 PC橋では、佐伯河川国道管内の中九州横断道路(大野竹田道路)に計画する笹無田橋(154㍍、PC2径間連続ラーメン箱桁橋)を発注する予定です。JR豊肥本線と国道57号を跨ぐ橋梁です。
 下部工では、福岡国道管内の有明海沿岸道路(大川バイパス)の大川連続高架橋(2,086㍍)の下部工も進めており、52基の内23基が施工済、8基を建設中で、基礎工には鋼管ソイルセメント杭を採用しています。今年度新たに21基着工を予定しています。
 同じく、有明海沿岸道路(大川バイパス)の筑後川橋(1,008㍍、鋼4径間連続中路アーチ橋ほか)は現在、21基の内5基を施工中です。今年度新たに4基着工を予定しています。
 福岡国道管内・佐賀国道管内の有明海沿岸道路(大川佐賀道路)に計画中の早津江川橋(854㍍、鋼4径間連続中路アーチ橋ほか)は、今年度、下部工2基着工を予定しています。
 八代河川国道管内の南九州西回り自動車道(芦北出水道路)では小津奈木第二橋(459㍍)は12基の内9基が施工中です。基礎に大口径深礎杭を一部採用しています。残る3基も今年度着工を予定しています。
 また、トンネルでは、延岡河川国道管内の、九州横断道延岡線高千穂日之影道路にある平底トンネル(1,665㍍)を予定しています。


平成27年度発注予定橋梁(下部工)

平成27年度発注予定橋梁(上部工)

平成27年度発注予定トンネル

新田川橋など9橋の設計に着手

 ――同様に26年度に設計着手した橋梁および着手したトンネルは
 喜安 設計は西九州道伊万里道路の新田川橋(448㍍)など9橋で設計に着手しました。
 ――27年度に設計着手予定の橋梁および設計予定のトンネルは
 喜安 橋梁については、 熊本河川国道管内の熊本北BPでは須屋高架橋(244㍍、鋼橋)、葉山大橋(383㍍、PC橋)や、鹿児島国道管内の南九州西回り自動車道(芦北出水道路)の米ノ津橋(PC橋)など14橋を予定しています。
 トンネルについては、八代河川国道管内の芦北出水道路の中尾山トンネル(1,434㍍)など4トンネルを予定しています。


今年度設計を発注および設計中の橋梁、設計済みで未発注の橋梁一覧

 ――鋼橋の防食手法は
 喜安 主に塗装です。場所によっては耐候性鋼材を採用している橋梁もあります。

一旦解体して橋脚を構築
 デ・レイケ導流堤上の橋脚施工?

 ――構造物で特別な配慮を行っている現場はありますか
 喜安 有明海沿岸道路の筑後川橋があります。同橋梁は全長1,008㍍、主橋梁部は450㍍の鋼4径間連続中路式アーチ橋です。同橋は土木学会選奨の土木遺産であるデ・レイケ導流堤の上にP6橋脚を設置するため、デ・レイケ堤の水理機能を確保し、かつ橋脚高を低くすることで圧迫感の少ない形状としています。
 施工時は導流堤を一旦、解体および調査を行い、橋脚の躯体を構築し、その後復元を行います。導流堤の水制機能の維持、橋脚構築による圧迫感の軽減や導流堤の連続性への配慮、導流堤の存在感を第一として施工に留意しつつ進める予定です。
 (*デ・レイケ導流堤=内務省オランダ人土木技師デ・レイケの指導で明治期に施工。土木学会選奨・土木遺産)
 ――筑後川橋、早津江川橋の上部工の景観的な配慮についてもお答えください
 喜安 架橋地周辺は昇開橋、デ・レイケ導流堤、三重津海軍所跡地等の歴史遺産群及び、日本一の干満差で変化に富んだ有明海があり、歴史的遺産と自然に囲まれた周辺風景に、主張しすぎることなく準主役級の役割を持って風景全体を引き立て合うように「単弦アーチ橋」を採用しました。


有明海沿岸道路 筑後川橋のイメージパース

早津江川橋イメージパース

コラムリンクや地中連壁を検討
 208号現道の浦島橋を架替え着手

 ――有明海沿岸道路は地盤が軟弱なことから橋梁の架設だけでなく盛土の構築も難しい施工となっています。過去の経験から工夫していることがあれば教えてください。
 喜安 軟弱地盤に対応するためコラムリンク工法や地中連壁工法などを検討しています。盛土や橋梁を建設する時にはそのままだと一緒に周辺の地盤を引き込んで沈下してしまうので、そうしたことがないよう施工することも課題です。
 また、国道208号(現道)の浦島橋の架替えにも着手します。昭和31年に架設されたコンクリート橋ですが、主桁のひび割れや下部工の塩害が激しいこと、幅員が狭小なことから架け替えるものです。150㍍の本橋の他、前後含め700㍍を拡幅します。現在は橋脚1基を施工しています。
 国道57号森山拡幅の下井牟田・赤崎高架橋は、島原鉄道と並行して近接している個所に建設を進めています。そのため既設線路に影響を与えないよう、地盤改良を面的に施し、変位量を抑制しています。
 単独の上部工施工中の橋梁で最も橋長が長いのが国道3号鳥栖久留米道路の筑後川橋(391㍍)です。形式は鋼5径間連続非合成箱桁橋でクレーン併用横取り架設により施工しています。


国道3号鳥栖久留米道路の筑後川橋

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