道路構造物ジャーナルNET

大保大橋では架替えを検討、新たな離島架橋も視野に

新本部大橋が進捗、管内の塩害などに対処

沖縄県 土木建築部
北部土木事務所長

嘉手納 良文

公開日:2015.03.06

新本部大橋は上部工へ

 ――現在進捗中の路線は
 嘉手納 まず国道449号の本部北道路があります。国道449号のうち瀬底大橋入口の本部町大浜から名護本部線交差点の本部町渡久地間のみ2車線でボトルネックになっていることから、当該区間1.6㌔を4車線化し沖縄海洋博記念公園など本部地域の観光拠点へのアクセス性向上を図るものです。


                本部大橋(奥)と新本部大橋。新本部大橋は下部工の建設が進んでいる

 ――本部北道路の進捗状況は
 嘉手納 現在は新本部大橋の下部工の施工及び上部工の製作を進めています。上部工は最初のけた架設を4月にも行う予定です。


            架設前の測量を念入りに行っている

 ――新本部大橋について詳細を
 嘉手納 新本部大橋は橋長330㍍の鋼5径間連続鋼床版箱桁橋です。下部工は張出式橋脚および橋脚式橋台、基礎工はA1、P1とA2が鋼管杭基礎、P2~P4が鋼管矢板井筒基礎を採用しています。

橋脚式橋台を採用
土質条件を考慮

 ――まず下部工から特徴は
 嘉手納 現地の土質条件(液状化など)を考慮して、橋台背面には土圧を載荷させない複合橋台方式を採用しました。具体的には橋脚式橋台により杭本数の低減とフーチング構造の寸法の最小化が図られ、従来の形式と比べてコストを縮減しています。上部工の荷重は橋脚式橋台で支持し、背面土圧は補強土壁(多数アンカー式補強土壁)で支持する構造です。


 橋脚式橋台、面土圧は補強土壁(多数アンカー式補強土壁)で支持する。フライアッシュやエポキシ樹脂塗装鉄筋を採用

新本部大橋の鋼桁は伊良部仕様
コンクリート部はフライアッシュ、エポ鉄筋

 嘉手納 また、塩害対策としては伊良部大橋で用いられた方式を採用しています。即ちエポキシ樹脂塗装鉄筋とフライアッシュコンクリート(27-12-40)を採用しています。水和熱や乾燥収縮によるひび割れの防止、水密性の向上、アルカリシリカ反応の抑制、長期強度の増進など耐久性向上を図る目的でフライアッシュコンクリートを採用しています。また飛来塩分やコンクリート材料に含まれる内在塩分による早期の劣化を防止するためエポキシ樹脂塗装鉄筋を使用しています。
 ――次に上部工について
 嘉手納 まず架設予定ですが、A1~P2は桁下に制約がないためクローラークレーン+ベントにより架設します。P3~A2は桁下に船揚場がありますので桁下空間が使用できません。そのため、手延べ桁による送り出しで架設します。海上部であるP2~P3間は台船による一括吊上げ工法(台船で桁を架設予定地直下まで輸送し、架設済みの桁に吊上げ用のジャッキを配置して吊上げるもの)を採用する予定です。
 ――鋼桁の防食はどのようなものを採用していますか
 嘉手納 コンクリートと同様、伊良部大橋で用いられた方式を採用します。
 まず、両側径間と中央径間(P2~P3)の間の剛結は全断面溶接により行い(ボルト接合に比べて)、継手部の耐久性を向上させます。また、防食は今後100年の耐久性を期待して金属溶射(アルミニウム95%+マグネシウム5%)にふっ素樹脂塗装を重ねるスーパー防食を採用します。
 なお、全断面溶接に当たっては、両側径間部の桁に溶接部から250㍉塗り残し部を設けてアーク溶接を行う際の熱の影響による防食の劣化を回避します。その上で溶接後、現場で溶射およびふっ素樹脂塗装を施工します。
 ――国道331号塩屋工区について
 嘉手納 国道331号のうち、大宜味村塩屋地内における幅員狭小および線形不良箇所の解消を図るため、集落の背後に延長760㍍のバイパスを整備するものです。平成24年度より事業着手しており、今年度は実施設計および用地補償を行っています。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム