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大保大橋では架替えを検討、新たな離島架橋も視野に

新本部大橋が進捗、管内の塩害などに対処

沖縄県 土木建築部
北部土木事務所長

嘉手納 良文

公開日:2015.03.06

 沖縄県北部土木事務所は36路線341㌔の道路を所管している。新本部大橋など新設の橋梁の建設が進む一方で、既設の橋梁は厳しい塩害を受けコンクリートの浮き、剥離はおろかPCケーブルの破断や損傷が生じているものもあるなど、劣化が深刻な個所も散見される。そうした課題に対してどのように取り組んでいるのか嘉手納良文所長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)

県全面積の36%を担当
所管道路は36路線341㌔

 ――沖縄県北部土木事務所の管轄する道路網から
 嘉手納所長  沖縄本島の恩納村以北および離島の伊平屋村、伊是名村、伊江村の1市2町9村を管轄しています。管轄面積は約825平方㌔であり県全面積の36%に達します。一方で人口は約12万8,000人であり県全人口の9%程度です。中核都市は名護市です。
 管内の道路網は、管轄区域が南北に細長いことから、ハシゴ状の道路網を形成しています。国道58号・329号・331号および県道70号線を縦軸(南北軸)として、また、国道329号・331号の一部及び県道2・14・18号線を横軸(東西軸)とする道路網を形成しています。
 ほか、本部半島には国道449号と505号が本部半島の環状道路として機能しています。その中に県道84・72号線が東西、南北を貫く道路を形成しています。
 管内には国道・県道を合わせ33路線があり、全体の道路延長は約341㌔でそのうち一次改良済みが306㌔(89.7%)となっています。一方、舗装率は95%に達しています。

 名護東線、県道104号線の整備を要望
 伊平屋・伊是名架橋の整備も検討へ

 ――整備予定の道路は
 嘉手納 県と41市町村が要望事項を協議する沖縄振興拡大会議の中で出されている主な路線の要望としては、1点目に名護東道路の延伸があります。当該道路は直轄事業で名護市の世冨慶から伊差川までは供用していますが、この路線を本部半島まで延長して欲しいという要望があります。本部半島には沖縄海洋博記念公園(年間約400万人が来場)や世界遺産に認定された今帰仁城跡などの観光地、北部離島への定期航路となっている本部港や運天港などがあり、そこへのアクセス性の向上が目的です。ルートはまだ決定していません。
 2点目に、恩納村と金武町を結ぶ県道104号線は、道路線計が悪く歩道がない個所もあることから整備の要望が出ています。国道58号との接続部から500㍍程度は改良済みなのですが、その先は米軍基地がありその返還が進まないと理想的な線形を引くことはできない状態です。米軍基地の返還には長期間を要することから、現在は米軍基地を避けてより現道に近くできるだけ線形を良くする案を検討しています。
 3点目に、伊平屋島と伊是名島間の架橋整備の要望が出てきました。元々平成15年頃に伊平屋・伊是名両村の合併を前提とした離島架橋要望がありました。しかし、市町村合併ができなかったことから、架橋要望も沈静化してきました。しかしここにきて、再度、合併が検討され始めたことや、伊平屋空港の事業化の機運が高まったことから伊良部架橋の次の離島架橋として期待が高まっています。
 ただ、ネックになるのが費用対効果です。そのため観光などの経済便益を含んだ形での新たな費用対効果を算出していく必要があると考えています。伊平屋・伊是名架橋については地元からの強い要請もあり、県としては平成27年度に基礎調査を行うことになっています。

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