道路構造物ジャーナルNET

締固め時間を長くできブリーディングも少なく高品質な橋脚を建設

有沿道・三池港IC橋P2橋脚で5~6cmの低スランプコンクリートを用いて打設

公開日:2023.01.31

高品質なコンクリート構造物は、余計な維持管理費も人も縮減
 真に必要な箇所の補修ができるようになり、インセンティブはやる気を促す

 こうした丁寧な施工を行うため、打設時にはたくさんの人が必要になるが「新設橋脚工事全体に占めるコストアップは1~2%程度と意外と少ない。それでいて向こう数十年、補修を殆ど行わなくて良い高品質のRC橋脚を建設できると考えれば、ライフサイクルコストが縮減できるし、今後の人口減を考慮すれば、省人化にも寄与でき、本当に必要な箇所に維持管理予算と人員を提供できるようになる。今後もこうした高品質なコンクリート構造物を提供し続けることに努力していきたい。また発注者の方々にはこうした高品質な躯体を建設する取り組みを適切に評価することで、インセンティブを働かせ、企業のやる気をさらに引き起こしてもらいたいと願う」(平瀬氏)としている。


高品質な躯体を建設する取り組みを適切に評価することが建設会社のやる気を育てる

 元請の瀬口組としては今回で5基目の取り組みとなる。
 同社で監理技術者を務める徳永幸弘氏は「本現場で5基目の取り組みとなりますが、取り組み初期では高品質と思えるような結果を残すことができませんでした。改善点を見出し、一から打設計画を立案し、周知会(打設検討会)を開催するようになってからは取り組みを重ねるごとに透気係数も最高値を記録し、高品質と思える結果と自負しています。また、発注者様の評価としても工事成績評定点で、例外なく高評価をいただいています。今後もこのような機会を得た際はこの取り組みを継続し、国益に貢献したい」と話している。
 また、同じく現場代理人を担っている竹川賢一氏は「今回で2基目の施工となるが、通常の手法と違ってより品質の高いRC橋脚が作れることが分かっており、達成感が大きい。今後も受注した際はスランプの小さい高品質なコンクリートを丁寧に打設することで耐久性の高い構造物を建設することに努め、社会に貢献していきたい」と述べていた。

 元請は瀬口組(監理技術者・徳永幸弘氏、現場代理人・竹川賢一氏、担当技術者・萩原孝太氏)。一次下請は進成建設(コンクリート打設)、福建工業(コンクリート圧送)、有明生コンクリート大牟田工場(コンクリート製造)、高井良建設(型枠工)、ファインテクノ九州支社(コンクリート品質向上アドバイザー)。

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