道路構造物ジャーナルNET

橋長759m、有効幅員11.5mの鋼連続箱桁

愛知・岐阜県境の新濃尾大橋左岸の上部工架設が佳境

公開日:2022.09.02

手延べ桁解体に「桁回転装置」を採用 実働1か月程度で解体
 手延べ機の1ブロック当たりの長さは7.2m、重さは6~16t

手延べ桁の解体
 手延べ桁の解体は、施工時期が出水期となったため、河川内で桟橋が使えないこと、また、撤去作業の安全性を高めるため橋脚上および足場上からブロックで解体できるように、横河ブリッジとオックスジャッキが新開発した『桁回転装置』を用いた。同装置は、すでに設置されている手延べ機を回転・撤去する装置であり、搭載能力70tの自走台車上に、撤去する手延べ機(以下、撤去桁と呼ぶ)を固定する吊天秤、巻上げ支持するためのタワーとウインチおよび2セットのジャッキで構成されている。

 回転の準備作業は、まず撤去桁に吊天秤を設置し、台車をボルト継手部後方の計画位置まで後退させ、レールクランプジャッキで桁回転装置と後方手延べ機とを固定する。次に、ジャッキを使用してタワーを鉛直まで建て起こす。最後にウインチを巻き上げて撤去桁の荷重を桁回転装置で受け替え、継手を撤去して準備完了となる。回転は第一段階として、ウインチで巻き上げて撤去桁を鉛直まで回転させ、タワーと撤去桁とをボルト固定する。第二段階として、メインジャッキで引き戻してタワーを約60度回転させ、最終的にサブジャッキに切り替えて約30度回転することで水平状態にした。

手延べ機解体ステップ図



トラベラークレーンと桁回転装置(井手迫瑞樹撮影)



実際の桁回転装置の施工状況(井手迫瑞樹撮影)

 撤去桁は、桁回転装置に載ったまま手延べ機と本設桁の境目まで運ばれ、本設桁上に配置したトラベラクレーン(350t・m級)でクレーンの背後に設置している桁上運搬台車に積み替えられた。桁上運搬台車は桁上をA2側へ250m移動後、後方台車上へ乗り移り、桁上の運搬は完了となる。後方台車は撤去桁を桁上運搬台車とともに荷おろし用クレーン位置へ運ぶための台車であり、後方桁から切り離し所定の位置まで運搬した。撤去桁は、桁上の作業のみで堤防上まで運ばれ、ブロックで地面に荷おろしされていた。一連の作業終了後、後方台車は元の位置まで戻り、再設置して、次の運搬に備える、という工程を繰り返した。


手延べ機の上を移動し

手延べ機を吊上げで桁上運搬台車へ搭載

桁上運搬台車が桁端部まで移動し

後方台車を切り離して移動

 本設桁が鋼2主箱桁であることから、手延べ機は左右に2本配置されている。初回は起点からみて左側のブロックを撤去したが、続いて右側のブロックを撤去するためトラベラクレーンで桁回転装置を吊り上げ、右側の手延べ機上へ盛り替えていた。手延べ機の1ブロック当たりの長さは7.2m、重さは6~16tある。手延べ機は全部で2本×64mあるが、これを実働1か月程度で解体し終えた。


到達したブロックを吊り上げて撤去した

桁降下量は約5.6m P8はジャッキングホイストで吊り下げて降下
 8月中旬から降下開始、9月中の降下完了を目指す

桁降下(P5~P8)
 P5-P8間の送出しおよび手延べ機解体後、P5-P7は送出し設備からサンドル降下設備への組替えを行った。P8は降下する桁のジョイント(ジョイント番号38)が橋脚から外れているためサンドル降下ができない。そのためジャッキングホイストで吊り下げて降下する計画とした。

P5~P8の桁降下図

 P5からP8の各支点反力は、1箱桁当り1,341kN、3,399kN、3,752kN、1,211kNの計画であり、P5は1,000kN、P6およびP7は3,000kNの油圧ジャッキを1箱桁当り2台使用する。油圧ジャッキのストロークは230mmで、横梁を介して主桁に下向きに固定し、サンドル(H150)を抜くことで桁を降下させる。
 P8の降下設備は、架設済みの桁からベント設備を立ち上げ、その上にセッティングビームとなる架設桁を設置する。降下する桁側には2,000kNのジャッキングホイストを1箱桁当り1台、後方にはアップリフト止めとして架設桁と既設桁とをゲビンデスターブでつなぐ構造としている。
 降下量は約5.6mであり、8月中旬から降下を開始し、9月中の降下完了を目指している。


桁降下施工前

同1回目施工後。600mmほど降下させている拡大写真はいずれもP8設備

景観と調和しつつも、地域の新たなシンボルとして存在感を強調する色
 自然豊かな木曽川の河川景観を引き締めるアクセントライン

桁の塗装色は『瑠璃』色を採用
 塗装色も独特で周囲の景観とマッチした「瑠璃(るり)」色を採用している。色の決定に当たっては、愛知県で色彩検討委員会を立上げ、学識経験者の助言の元、一宮市、羽島市、愛知県、岐阜県の関係者が議論や現地での検証をして決定したもの。委員会では、風景に「なじむ」色ではなく、景観と調和しつつも、地域の新たなシンボルとして存在感を強調する色にすべく議論を重ねコンセプトを決めた。愛知県側から岐阜県側を見ると養老山脈の雄大な山並みを背景に自然豊かな木曽川の河川景観が広がる。愛知県・岐阜県の更なる交流と連携強化のシンボルとなる橋梁として位置づけることにより、「自然豊かな木曽川の河川景観を引き締めるアクセントライン」を橋桁の色のコンセプトとした。「色は天候や光の当たり方によって印象が変わるが、候補となった色の中で、様々な条件下で最も安定して見える色」が瑠璃色といえる。


塗装色も独特で周囲の景観とマッチした「瑠璃(るり)」色を採用

 上部工の製作・架設は横河ブリッジ・JFEエンジニアリングJV。一次下請はミック、イチテック、寺島塗装店、オックスジャッキ、セイトク工業、アソシエ。

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