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門型油圧リフターで床版を上下に移動

NEXCO中日本 東名高速富沢第二橋更新工事で全断面床版架設機を採用

公開日:2021.01.29

壁高欄は「EQ-Wall」を採用

 壁高欄は、三井住友建設が開発したプレキャスト壁高欄「EQ-Wall」を採用。1ブロックの延長は床版2枚分の4.8mで、PC緊張が完了した箇所から25t吊クレーンを用いて架設していった。場所打ち部は、伸縮装置部と壁高欄の伸縮目地がある支点上周りのみで、早強コンクリート(50N)で打設した。


プレキャスト壁高欄「EQ-Wall」の設置。路肩側は通信管路6条に対応したものになっている

 床版防水は高性能床版防水工法(グレードⅡ)を採用し、「ハイブリッドウレアNT2000」を用いて施工した。同工法は、日本特殊塗料と照見工業(施工も担当)が共同開発したものでウレアウレタンタイプの塗膜系防水層となっており、手塗り施工が可能で飛散防止が図れることが特徴となっている。舗装は、基層が橋梁レベリング層用混合物(FB13)、表層は高機能舗装Ⅰ型用混合物としている。採用足場は、パネル吊式足場「SKパネル」。



床版防水工と舗装工

床版取替工事完了

規制区間の防護柵設置ではロードジッパーシステムを活用

 本工事にあたっての車線規制区間は約6km(対面通行規制4.5km)で、対面通行区間の仮設防護柵の設置にはロードジッパーシステムを活用している。規制開始前の約2カ月前から1基あたり延長1,000×高さ810×幅460mm、重量680kgのコンクリート製防護柵を走行車線規制で、1日あたり150~200m分を路肩に仮置き。対面通行規制開始にあわせて、防護柵切替用車両(BTM:Barrier Transfer Machine)を用いて路肩から中央に移動させた。BTMでは1時間あたり約5㎞の防護柵移動が可能(線形などにより多少異なる)で、今回は準備・後片づけも含め約4時間で作業を完了させた。



ロードジッパーシステムでの仮設防護柵の設置

 また、安全対策のひとつとして、対面通行規制区間テーパー部には路面点滅誘導灯「LEDストリームワン(トーグ安全工業)」を設置した。LEDライトによりドライバーに注意喚起をするとともに、車両を円滑に誘導するためだ。


LEDライトを用いた路面点滅誘導灯で注意喚起と円滑な車両誘導を図った

 今後は鋼桁の疲労き裂対策や塗替え塗装、支承取替などを行っていく。

 元請は、三井住友建設横河ブリッジJV。一次下請は、第一カッター興業(カッター工)、北川工業(床版取替工)、保科リース(クレーン工)、ヤマダインフラテクノス(塗装工)、不二工業建設(鍛冶工)。防水工・舗装工事元請は、NIPPO。
(2021年1月29日掲載 大柴功治)

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