道路構造物ジャーナルNET

㊶どこを向いて仕事をしているのか

民間と行政、双方の間から見えるもの

富山市
建設技術統括監

植野 芳彦

公開日:2019.04.16

4.「補修オリンピック」始まりました

 先月から、「仮称:補修オリンピック」という、あらたな「しくみ」を開始した。
 これは、これまで点検を行い、補修に移行するわけであるが、有効な補修技術が良くわからないというのが現実である。これを打開しようというもので、自分達の納得のいく工法材料を選定し活用しようというものである。


3月15日に開催された合同説明会。
金沢工業大学の宮里教授、金沢大学の深田教授などに加え、応募した5社の担当者が参加した。

 まず、初回の今回は比較的中小の橋梁の上部工、下部工のひび割れと断面修復を簡便に出来る工法に関して募集した。結果、大同塗料、サンコーテクノ、住友大阪セメント、ダイフレックス、デーロス・ジャパンの5社が参加してくれた。この5社には感謝状を出せないか? と考えたところ、宮里先生から出していただけることになった。




募集技術はコンクリートの断面修復とびひび割れ注入。今後、試験施工を行う

 目的とするところは、これらの技術の施工性、耐久性、コストなどを比較し将来的には富山市の標準工法とするところにある。さらに、今回募集技術は職員などでも簡易に施工出来るものを想定している。つまり、現場で点検などの際に、劣化部分を直に補修出来るものを想定している。

5.職員教育の難しさ2

 職員教育に関してであるが、本当に難しい。良い資質を持っているのに、殻を破れないでいる者たちの力になりたいのだが、どうしたらよいのか分からない。私は、教育の専門家ではないので、せめて技術者の心意気を伝えたいと思って「植野塾」というものを実施している。
 しかし、なかなか難しく、もうあきらめたほうが良いのか? 別なところでやるか? と考えてしまう。教えるにしても伝えるにしても、私のスタイルとしては、あまり細かなことは言わずやらせてみるのが重要だと思っている。やはり、納得できないと人間は、先には進めない。

6.まとめ

 世の中、自分の思ったとおりには進まない。もう、富山で5年もたってしまった。この5年で何が出来たのだろうと考えると、なんとなく残念だ。結局、思いは伝わらず、停滞してしまっているのではないか?
 こういうときの私のスタイルは、リセットすることが一番すっきりすると思っている。同じことをやるにしても心機一転、別の環境でやってみることが重要なのだ。そして自分の失敗例から、軌道修正していくのが私のスタイルである。また、こういう人生の中の時期が巡ってきているのかもしれない。世の中の動きや、他人の考えは、どうしょうもないので、逆らうつもりは全然なく、自分が動く必要がある。
(2019年4月16日掲載、次回は5月中旬掲載予定です)

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