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東日本高速道路 維持管理リレー連載④

新潟支社管内の高速道路における橋梁の劣化と維持管理

東日本高速道路株式会社 新潟支社
技術部
上席構造物指導役

東田 典雅 氏

公開日:2015.02.16

 5.おわりに

 日本道路公団が、かつて一般有料道路として建設(改造)・管理した橋(旧越路橋)の一部が越路河川公園(長岡市)に移設され、遊歩道の一部として保存されている。(写真-15)。本橋は、1898年に建設された信越本線信濃川橋梁(鉄道橋)を道路橋に転用した橋である。日本国有鉄道から新潟県に払い下げられ、道路公団が事業を継承し一般有料道路として供用、無料開放後、新潟県に引継がれ、1998年に新越路橋が完成するまで100年間供用した橋である。また、旧越路橋に利用されなかった2連のトラスは、旧越路町(現長岡市)の道路橋(不動沢橋:写真-16、岩田橋)に転用され、鉄道橋時代から116年間もの長い間、現役として活躍している。不動沢橋の塗装記録表から2013年(岩田橋は2000年)に塗替えが行われたのが確認できる。
 土木学会創立100周年を記念して「100年橋梁」という本が出版され多くの歴史的価値ある橋梁が紹介されている。これら3橋は、この本に掲載されていないが、立派な100年橋梁であると思っている。管理者(北越鉄道、国鉄、新潟県、道路公団、旧越路町、長岡市)が幾度か変わっているが、各管理者が責任を持って点検~診断~対策(補修・補強)のサイクルを継続的に回し続け大切に使ってきたからこそ、100年以上供用し、現在も現役で社会に貢献し続けているのだと思う。これらの橋を訪れた時、継続的な維持管理の重要性を改めて認識させられた次第である。


        写真-15 旧越路橋と銘板(英:アンドリュー・ハンディサイド社)            写真-16 不動沢橋

 新潟支社においても、他支社と同様、大規模更新・大規模修繕事業への対応準備や保全計画検討会、保全計画WGを開催し確実な維持管理サイクルの循環と高速道路資産の保全に取り組んでいるところである。現在、管内で最も古い橋梁の経過年数は、37年であるが、維持管理サイクルを確実に回し、末永く安全に道路構造物としての機能を果し、100年橋梁の仲間入りができるよう維持管理を行っていきたいと考える。併せて、現場で必要とする技術の開発やこれまで蓄積してきた技術やノウハウの伝承、次世代を担う若手技術者の育成にも努め、安全・安心・快適・便利な高速道路ネットワークの維持と資産の保全に貢献していきたいと考える。

【参考文献】
1) 東日本・中日本・西日本高速道路(株):高速道路の長期保全および更新のあり方に関する技術検討委員会報告書 2014.1
2) 東日本高速道路(株):設計要領第二集 橋梁保全編 
3) 高橋、岩沖他:北陸地自動車道 親不知海岸高架橋における波浪対策について 第一回北陸橋梁保全会議報文 2013.11 
4) 東田、花谷、小野塚、後藤:飛来塩分環境下のPC橋梁上部工予防保全対策工法の検証:土木学会第68回年次学術講演会 2013.9
5) 花谷、小野塚、後藤他:豪雪地帯における塩害損傷状況を考慮した橋梁補修対策について 第一回北陸橋梁保全会議報文 2013.11 
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