補修・補強などのさまざまな要望に正規に対応
SQS工法協会 一般社団法人設立発表会を開催
SQS工法協会(半野久光会長 右肩写真)は25日、東京都千代田区の如水会館で一般社団法人設立発表会を開催した。同協会はこれまで任意団体「SQS(Super Quick Spray)工法研究会」として土木・建設分野における超速硬化ポリウレタン樹脂吹付塗膜材「SQS材」を活用した表面被覆技術に関する研究を行うとともに、同材を用いた工法により構造物の長寿命化を図るために長年に渡り活動を続けてきたが、本年4月1日に一般社団法人化を行った。
設立発表会には会員企業をはじめ関係者が参加した
半野会長は冒頭の挨拶で、「昨今の我が国の国土強靱化計画にともない、新設構造物への対応に加え、既設構造物の補修・補強に関する対応が増えてきており、本材の特殊用途での見積依頼や技術的な問い合わせが多く寄せられている。こうした状況を踏まえ、発注者様のさまざまな要望に正規に対応するために、新たに一般社団法人として発足した」と法人化の目的を説明。「今後もSQS工法の普及活動を積極的に推進し、国のインフラ整備や維持管理活動に精力的に関与していきたい」と抱負を語った。
土木研究センター・渡辺博志専務理事と首都高メンテナンス西東京・桜井順社長が来賓として挨拶を行い、桜井社長は「首都高速道路では、レインボーブリッジのアプローチ部のコンクリート製壁高欄のたわみが大きく、複数の塗装材、防水材で試験施工をしたが、ひび割れに追従できたのはSQS材だけだった」と述べ、「法人化されたことにより普及と有効活用を通じて広く社会に貢献していただける」と期待を示した。
その後、同協会の増田健康理事が同工法の特徴や活用事例、事業説明などを行った。
同工法は、被覆材料として超速硬化ポリウレタン樹脂を採用することでゲル硬化時間が14秒程度であり、施工部位を選ばす、工程削減および次工程への時間短縮が可能であることが特徴となっている。下地挙動への追従性についても表面被覆材のひび割れ性試験で1mm以上(一般的な高追従以上)を有し、ひび割れからの劣化因子の侵入を防止するとともに、付着一体性、耐久性にも優れている。
SQS材の付着一体性と耐久性の試験結果(SQS工法協会提供)
また、車上プラントで施工が完結し、専用の圧送システムにより性能の安定化が図れる。活用事例として、構造物の地下防水や耐震補強表面保護工、コンクリート保護・防水塗装などがある。
今後の協会活動では、リニューアルを中心とした新用途に適応した材料、工法の改良・開発を進めるほか、同工法の設計基準に関する研究を行い、積算標準化の取組みを行う。さらに、技術研修などを通じた人材育成強化への支援も重要になるとした。
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