次世代社会インフラロボット
新浅川橋で現場検証試験
東北大学
富士フィルム
そうした中、現場で高評価をうけていたのはジビル調査設計の「視る・診る」だ。
同システムはコンパクト化を基本コンセプトの1つにおいており、幅1㍍、長さ2.7㍍のクローラー台車ユニット、橋梁側面や下面へ点検機器を挿入させるためのアームユニット、そしてアーム上の点検ユニット(ビデオカメラなど)からなっている。占有幅は1.5㍍と比較的小規模で良いため、橋梁上の規制を最小限に抑えることができる(新浅川橋の試験では橋上に設置されている歩道の幅員内で点検することができた)。アームは鉛直部が9.2㍍、水平アームが7.2㍍それぞれ伸ばすことが可能。すでに約200橋の現場で実績を有している。
全ての点検は台車上に設けてあるコントロール室からの遠隔操作で行えるため、橋梁の形状や環境に作用されず安全に点検することができる。近接目視代替はハイビジョンビデオカメラによる近接撮影によって行われる。撮影された画像をコントロール室内のモニタで確認しながら点検を行うというわけだ。ひび割れ幅は、アームに備え付けてある釣竿を利用してコンクリート表面にクラックゲージを押し付けることで撮影しながら確認することができる。また、試行段階ではあるが、通常はビデオカメラを設置しているアーム先端の雲台上に遠隔操作可能なインパクトハンマーを取り付けることで、打音検査を行うこともできる。これはいわゆる弾性波法(コンクリートの弾性率、密度によって伝搬する速度が変化する。また、内部に空洞があれば空洞位置で弾性波が反射する性質を利用した検査法で、打撃によって生じる弾性波を測定し、健全な構造物の測定データと比較することで健全か否かを測定できる)を援用して打音検査に代えるもの。
委員からは、「撮影された画像が見やすい」、「実績もあり、現場でも使えるのではないか」という評価が実証試験の現場でなされていた。