道路構造物ジャーナルNET

21路線 1,863kmを管理

2024新年特集② 中部地方整備局 東海環状、三遠南信、中部縦貫などの事業進む

国土交通省
中部地方整備局
道路部長

望月 拓郎

公開日:2024.01.01

 国土交通省中部地方整備局は、東海環状自動車道や三遠南信自動車道、中部縦貫自動車道などの高規格道路をはじめとして地域の利便性を高める道路事業を全力で進めている。そうした事業の進捗状況や技術的課題、維持管理分野も含め、望月拓郎道路部長にインタビューした。(井手迫瑞樹)

管内は全人口の13%に当たる1700万人が在住
 定時制や速達性を有する道路網整備が重要

 ――管内の概要について
 望月部長 中部地方整備局管内は国内全人口の13%に当たる1,700万人が在住しています。エリアは岐阜、愛知、三重、静岡の各県全域および長野県の一部に跨ります。
 自動車などを中心にとしたものづくり産業や、全国シェアで上位となる品目が多数生産される農業や水産業などが地域の発展を支えています。定時制や速達性といった観点で道路ネットワークがしっかりしていることが重要です。


事業箇所図

 さらに、現在、インバウンド需要はコロナ禍の落ち込みから回復傾向にあり、更なる需要増加を目指して、中部国際空港第2滑走路などインフラ施設の計画整備が進められています。また、長野県飯田市や岐阜県中津川市では、リニア新駅周辺の開発が進んでいます。
 こうした交通モード間の連携強化において道路の階層性に応じた移動のしやすさや強靭性など、求められるサービスレベルを達成するために、シームレスネットワークを構築していきたいと考えています。
 一方で、中部地整備局管内は、わが国最大の海抜ゼロメートル地帯の濃尾平野が広がるとともに、広範囲に、洪水・土砂災害・地震・津波に関する災害リスクを抱えており、道路面からも災害に対する備えや対策が必要です。
 ――管理道路延長は
 望月 管内21路線1,863kmを管理しています。中でも名古屋国道事務所管内は437kmと全国でも有数の管理延長を誇ります。

東海環状自動車道 開通に向けて事業が進捗
 現在は上下部工が全面展開

 ――東海環状自動車道について教えてください
 望月 東海環状自動車道は、愛知県豊田市を起点とし、瀬戸市、岐阜県岐阜市、大垣市等の主要都市を経て三重県四日市市に至る延長約153kmの高規格道路です。現在は約72%に当たる約110kmの区間が暫定2車もしくは完成4車で供用しており、現在、山県IC~大野神戸IC間、養老IC~大安IC間(いずれもNEXCO中日本との合併施工)で工事を進めています。

 同自動車道の構造物は、土岐~関間の延長約39kmでは、橋梁10.5km、トンネル9.3km、関〜養老間の延長約44.2kmでは、橋梁28.7km、トンネル10.5km、養老~北勢間の延長約18.0kmでは、橋梁5.7km、トンネル4.7km、北勢〜四日市間の延長約14.4kmでは、橋梁11.3kmとなっています。
現在は、関~養老間及び北勢~四日市間の令和6年度供用、養老~北勢間の令和8年度供用に向けて、橋梁上下部工やトンネルなど工事を全面展開しています。

 主な構造物としては、西深瀬高架橋(橋長239m、鋼5径間連続少数主桁橋)、海津高架橋(橋長約312m、鋼7径間連続少数主桁橋)が挙げられます。


西深瀬高架橋

御望山TNから船来山TNを望む/岐阜山県第一TNから山県ICを望む(起点より終点を望む)

西知多道路 東海JCTで橋梁上下部工事が進捗

 ――次に国道247号西知多道路について教えて下さい
 望月 愛知県東海市新宝町~同市東海町の東海JCT(延長約2km)と、知多市南浜町~同市日長間(延長約1.6km)の2区間で、権限代行事業として整備を進めています。
 東海JCTの構造物は、橋梁部1.6kmとなっており、現在、上下部工を全面展開中です。2021年に事業化された知多市南浜町~同市日長間は、橋梁0.3kmで、現在、調査設計及び用地買収を推進しています。


西知多道路 東海JCT

熊野道路 トンネル掘削に着手予定
 紀宝熊野道路 調査設計を推進

 ――国道42号熊野道路は
 望月 近畿自動車道紀勢線の一部となる一般国道の自動車専用道路であり、熊野大泊IC~熊野市久生屋町間(延長約6.7km)で事業中の道路です。構造物は、橋梁1.1km、トンネル約4kmとなっています。現在、橋梁下部工やトンネル工などを推進しています。
 主な構造物としては熊野宮川橋(本線)(橋長331m、鋼5径間連続箱桁橋)、熊野宮川橋(Aランプ)(橋長188m、鋼3径間連続箱桁橋)が挙げられます。また、今後は熊野第1トンネル(延長866m)及び熊野第2トンネル(延長1,307m)の掘削に着手する予定です。


熊野道路 井戸付近/同 大泊付近

 ――国道42号紀宝熊野道路は
 望月 熊野道路と同じく、近畿自動車道紀勢線の一部となる一般国道の自動車専用道路であり、三重県熊野市久生屋町~南牟婁郡紀宝町神内((仮称)紀宝IC)間(延長約15.6km)で事業中です。構造物は、橋梁6km、トンネル4.5kmとなっています。現在、調査設計を推進しています。

三遠南信自動車道 4区間で事業中
 残区間はトンネル比率高い

 ――三遠南信自動車道は
 望月 長野県飯田市を起点とし、静岡県浜松市に至る延長約100kmの高規格道路です。現在、飯喬道路の飯田上久堅・喬木富田IC~喬木IC間約7.5km、青崩峠道路の小嵐IC(仮称)~水窪北IC(仮称)間約5.9km、水窪佐久間道路の水窪IC(仮称)~佐久間IC(仮称)間14km、佐久間道路・三遠道路の東栄IC~鳳栄峡IC間約7.1kmで事業を推進しています。
 構造物は、飯喬道路(延長約22.1km)が、橋梁5.3km、トンネル3.5km、青崩峠道路(延長約5.9km)が、橋梁0.2km、トンネル5km、佐久間・三遠道路(延長約27.9km)が、橋梁3.6km、トンネル19.6km、水窪佐久間道路(延長約22.1km)が、橋梁1.3km、トンネル11.9kmとなっています。

 ――現在事業中の区間ごとの進捗状況は
 望月 現在、飯喬道路は橋梁上下部工、トンネル工事を推進、青崩峠道路はトンネル工事を推進、水窪佐久間道路は用地買収、調査設計を推進、佐久間道路・三遠道路は橋梁上部工を推進しています。


青崩峠トンネル(仮称)の施工進捗状況

中部縦貫自動車道
 高山清見道路 高山IC~丹生川IC(仮称)間が工事中

 ――中部縦貫自動車道高山清見道路は
 望月 長野県松本市を起点とし、岐阜県高山市等の主要都市を経て、福井県福井市に至る延長約160㎞の高規格道路です。現在、高山清見道路の高山IC~丹生川IC(仮称)間の延長9.5㎞で事業を推進しています。
構造物は高山清見道路(延長約24.7km)で、橋梁2.8km、トンネル10.4kmとなっています。
 ――高山IC~丹生川IC(仮称)間)の進捗状況は
 望月 土工、橋梁上下部工共に全面展開しています。6月には、中部縦貫自動車道下切高架橋(橋長595.5m、PC3径間連続ラーメン箱桁橋+鋼5径間連続PC床版箱桁橋)のうち、JR高山本線上を超える径間(約79m)について、国内に5台しかない1,000tクローラークレーンによる夜間架設を行いました。


国内に5台しかない1,000tクローラークレーンによる夜間架設した下切高架橋

岐大バイパス 岐阜市内で立体化工事が進捗

 ――岐大バイパスは
 望月 岐阜県岐阜市東中島~大垣市長松町に至る延長約23.9kmのバイパス(下が位置図)です。

 これまでに、岐阜市東中島~茜部本郷間4.2kmを立体化、長良川~大垣市長松町間で平面4車線または6車線で供用しています。
 茜部本郷~長良川間については、2021年7月に全線立体構造とする都市計画決定を行い、現在、岐阜市内立体として、調査設計、用地買収、改良工事を推進しています。


岐阜市内立体現場

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム