道路構造物ジャーナルNET

小型IH式塗膜剥離工法「エレクトロリムーバー」も中小鋼橋の塗替え市場で需要

ビルドメンテック バキュームブラストを水平展開しジョイント補修で市場を作る 

ビルドメンテック株式会社
代表取締役

石飛 愼二 氏

公開日:2022.03.23

 ビルドメンテックは、来年に創業25周年を迎える。当初は建築物の外観改修などをメインに行っていたものの、創業年の終わりごろから阪神淡路大震災後、各地で行われる平成8年道路橋示方書対応の耐震補強工事に携わるようになり、自前で有していたオープンブラスト設備を用いて表面処理および耐震補強を行う下請け業者として頭角を現した。その後、無機系コンクリート保護工の施工、JR九州の維持管理などにも携わるようになり、現在は鋼橋の塗膜処理としてIH工法、橋梁伸縮装置の延命化工法としてREJ工法およびJWS工法を積極展開している。同社の石飛愼二社長に詳細を聞いた。(井手迫瑞樹)

創業時は建築外壁補修がメイン
 阪神淡路大震災対応の耐震補強の表面処理が土木への転機

 ――会社を創業されたのはいつですか
 石飛社長 1998年1月に操業しました。当初は建築の外壁補修が主な仕事でしたが、その年の暮れに阪神淡路大震災の耐震補強のオファーがありました。JH(現NEXCO西日本)が管理する高速道路高架橋の橋脚の補強前にオープンブラストで表面処理する仕事で、バキュームブラストを10台、4t車に搭載して、施工していきました。JH九州支社管内の当時の対象橋脚のうち、9割は当社が表面処理しました。施工を効率化するために自動ロボットを製作したりもしました。表面処理だけでなく、アンカー工事など一連の耐震補強工事を行っていきました。
 99年には、当時、恒和化学工業(現在はダイフレックスの一部)が保有していたコンクリート保護としての無機塗装の販売・施工にも携わるようになりました。同塗装は00年に北九州都市高速道路のトンネルなどに初めて使われ、当社も元請の九鉄工業(JR九州の子会社)の下請として施工にも携わりました。
 それが縁でJR九州の補修関連にも携わるようになり、宮崎・鹿児島を除く各県の構造物の補修も積極的に行っています。JR九州の補修工事は現在も当社の主力事業の一つとなっています。

JR九州管内の跨線橋や鉄道トンネルの補修補強状況

ジョイント補修 「REJ工法」の開発には約5年を費やす
 表面処理を適切に行い、ジョイントの止水能力を回復

 ――現在の主力事業であるジョイントの補修はどのような縁で携わるようになったのですか
 石飛 8~9年前だったでしょうか、北九州の地元企業が落札した橋梁補修工事を中外道路さんの下で施工させていただいたのがきっかけでNEXCOメンテナンス九州様のジョイントの止水関係の開発に取組むことになりました。
他の発注機関と同じくNEXCOさんもジョイントの止水構造の劣化による桁端部や床版端部およびその下の支承や橋脚の劣化に悩まれていました。さりとて、ジョイントの取替には膨大なコストと施工時間がかかります。特に後者は高速道路であり、場所によっては断面交通量10万台/日を有する事業者としてはなかなか難しい工事です。しかし、止水材のみの撤去出れば、本体はそのまま生かせるため、コストも安く済みますし、施工時間も1夜間に短縮できます。しかし、止水能力を万全にするためには、止水シール材を確実に付着させるため、鋼材表面の下地研掃を確実にSa2.5で行う必要がありました。そのため、当社に白羽の矢が立ちました。

 ブラストの施工を確実に行うための手法を確立するため、約5年の年月を費やして、試験を行い、漸く3年前からNEXCO西日本さんの九州管内を中心に簡易鋼製ジョイントを対象とした漏水補修工法「REJ(リフレッシュジョイント)工法」を施工するようになりました。REJ工法は、止水材を撤去して鋼材部をブラストにより1種ケレンしたのち、フラッシュラストを防ぐための防錆剤を塗布し、その上に相性の良いプライマーを塗布した上でシリコーン系の伸縮性および付着性に優れた弾性シール材を充てんして止水機能を回復させるものです。伸縮装置本体を取り換える必要がないため、コストを大幅に縮減可能です。

REJ工法の施工状況①

JWS工法 高欄や地覆部が対象も、伸縮量が小さい伸縮装置へ適用模索
 REJ工法 需要増に対応するため工事管理者や拠点、施工設備も増やす

 ――もう一つの止水工法としてJWS工法がありますね
 石飛 橋梁のジョイント部における地覆や壁高欄の遊間部からの漏水を防止する工法です。地覆・壁高欄遊間部に伸縮性・付着性・耐候性に優れた特殊樹脂(ポリウレア)シートを貼り付けて止水する工法です。施工は表面処理後、特殊樹脂(ポリウレア)シートを貼り付けるだけなので、施工時間が早く形状に応じて対応できます。
 現在は壁高欄および地覆部が対象ですが、これを伸縮量が小さいフィックスの伸縮部にも適用できないか、試験を重ねています。従来のタイプでは交通荷重に耐えられないため、アラミドとザイロンのハイブリッド繊維シートをポリウレアシートでサンドイッチした構造とすることで強化しており、現在は経過観察中です。

JWS工法の施工状況

 ――とりわけREJ工法は施工実績が伸びていますね
 石飛 2021年度は1,050mに達しました。現在は九州支社管内だけでなく、NEXCO西日本全体、もしくは他のNEXCO各社や都市高速からのオファーもいただいています。例えば、NEXCO東日本さんは青森や八戸の管理事務所管内などで工事実績ができました。NEXCO各社以外では、本四高速の本線を跨ぐ高架橋で使っていただいております。国交省でも3件の実績ができ、自治体でも秋田県内や九州を中心に数件の工事を積み上げました。来年度の需要予測は3,000mと約3倍に達しています。


REJ工法の施工状況②

 これを確実にこなすためには、同工法の工事管理者を増やし、育てなくてはいけません。工事そのものはそれほど複雑ではないため、工法の講習さえ施せば、資格を有していなくても施工できます。3か月ほどで急速育成できます。現在は7人ほどの工事管理者しかいませんが、これを当面は、当社が保有するバキュームブラスト機材数と同じ11人まで増やしていきます。また二級土木施工管理技士の資格試験も受けさせて、専門的な知識も拡充させていきます。
 営業体制も拡充します。既に東京には拠点がありますが、現在の1人体制を3人まで増員しました。また、東京は八王子に協力業者も確保しました。来年度には大阪次いで東北にも拠点を開く予定で、これら各拠点には最終的に3台ずつぐらい施工設備を配置する予定です。

 ――長期的な需要予測は
 石飛 このペースで行くと、26年度には10,000mを超えるものと思われ、施工体制を整えることはもちろん重要ですが、合わせて工程や仕事の時期を(極端なピークを作らないように)コントロールしなければいけないと考えています。
 ――JWS工法についてはどのように営業していきますか
 石飛 JWS工法については材料販売に特化していきたいと考えています。当社で施工することは考えていません。

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