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横浜湘南道路はトンネル部が5.6kmで延長の約75%を占める

横浜国道事務所 上下部工が輻輳する栄IC・JCT(仮称) BIM/CIMを活用して施工

国土交通省
関東地方整備局
横浜国道事務所長

鈴木 祥弘

公開日:2021.03.05

下部工は全124基のうち88基完成
 ランプ橋は7橋施工中で3橋の架設が完了

 ――下部工の施工状況は
 鈴木 124基のうち、88基が完成、20基が施工中で、6基が発注手続き中となります(2020年11月末現在)。ランプ橋、本線橋の下部工とも施工を進めているところとなります。
 ――上部工については
 鈴木 ランプ橋20橋のうち、7橋の施工を進めています。このうち、Jランプ橋、Hランプ2号橋、Iランプ橋の3橋については架設が完了しました。
 ――3橋の概要は
 鈴木 Jランプ橋は橋長248.8mの鋼5径間連続非合成箱桁橋+非合成鈑桁橋(設計:大日本コンサルタント・綜合技術コンサルタント/施工:日本ファブテック ※設計・施工会社は編集部で記入。以下、同)。Hランプ2号橋は橋長329.0mの鋼6径間連続非合成箱桁橋(設計:日本工営・綜合技術コンサルタント/施工:川田工業)。Iランプ橋は橋長337.6mの鋼7径間連続非合成箱桁橋(設計:日本工営/施工:瀧上工業)で、3橋ともクレーンベント工法での架設を行いました。


Jランプ橋(左)とHランプ2号橋(右)の施工時(架設)状況

Iランプ橋の施工時(架設)状況

 ――残る4橋の施工状況と概要は
 鈴木 Eランプ橋、Hランプ1号橋、Bランプ3号橋は3橋と同じクレーンベンド工法での架設を進めています。
Eランプ橋は橋長270.6mの鋼5径間連続非合成箱桁橋です(設計:綜合技術コンサルタント/施工:横河ブリッジ)。


Eランプ橋の架設状況

 Hランプ1号橋は橋長108.0mの鋼3径間連続非合成箱桁橋です(設計:大日本コンサルタント・綜合技術コンサルタント/施工:日本車輛)。


Hランプ橋の架設状況

 Bランプ3号橋は、橋長339.6mの鋼6径間連続非合成箱桁橋です(設計:日本工営・綜合技術コンサルタント/施工:横河ブリッジ)。


Bランプ3号橋の架設状況

 Cランプ2号橋は橋長396.4mの鋼7径間連続非合成箱桁橋で桁製作を行っています(設計:綜合技術コンサルタント/施工:JFEエンジニアリング)。
 ――施工中以外のランプ橋の状況は
 鈴木 今後順次施工を行う予定ですが、橋梁の架設が進められていくと限られたヤードの中で上部工を施工することになるので、架設順序や施工ヤードをよく考えながら施工を行っていきます。
 ――施工での取り組みがありましたら
 鈴木 BIM/CIMを活用した施工を行っています。測量・調査、設計段階から3次元モデルを導入することにより、その後の施工、維持管理の各段階でも3次元モデルを連携・発展させて事業全体にわたる関係者間の情報共有を容易にし、一連の建設生産・管理システムにおける品質確保とともに受発注者双方の業務効率化・高度化が図れます。
 施工では3次元モデルの導入により、施工時のシミュレーションやAR(拡張現実)による現場の可視化、2次元の図面では分かりにくい部材などの干渉チェックなどが可能となります。
 具体的には、下部工事では、周辺の完成済みの橋脚やヤード状況をモデル化してコンクリート打設時のポンプ車配置や導線の確認、現実空間にBIM/CIMで作成した3次元モデルを重ねることによる完成形のイメージ・位置確認、過密配筋箇所の鉄筋干渉チェック、レーザースキャナーによる3次元点群データを用いた出来型管理などを行っています。上部工事では、桁架設時の隣接する橋梁との離隔・クレーン位置の確認、工場製作時における配水管など付属物の干渉や溶接施工の作業性の確認などに活用しています。


CIM活用の事例

 ――本線橋の橋長と上部工形式を教えてください
 鈴木 5橋合わせて橋長約1,300mで、鈑桁や箱桁等の上部工形式を採用しています。
 ――上部工の施工は
 鈴木 釜利谷JCT側の本線第2-1橋はJR東日本の京浜東北線や東海道本線、横須賀線など9線を跨ぐ形となります。その本線第2-1橋(橋長261m、鋼3径間連続鋼床版箱桁橋)のうち鉄道と交差する中央径間は送り出し工法で架設しますが、線路閉鎖の限られた時間内で行うため、安全管理や工程管理に特に留意する必要があります。なお、この架設工事はJR東日本へ工事委託を行っています(設計:横浜環状南線交差部設計共同企業体(JR東日本コンサルタンツ、日本交通技術)/施工:横浜環状南線交差部上部工新設共同企業体(大林組、奥村組、戸田建設))。
 ――送り出し桁の桁長、重量、送り出し延長は
 鈴木 送り出しを行う支間長は上り線(PU7~PU8間)は94.5m、下り線(PD7~PD8間)は89.7mとなります。
 ――現在の施工状況は
 鈴木 上り線の桁送り出し作業は2021年2月上旬に完了しました。その後送り出し桁の降下作業等を行い、上り線の架設は終了となります。下り線は上り線を利用して施工する予定となります。


鉄道と交差する本線第2-1橋の中央径間は送り出しで架設(JR東日本提供)

架設直前と架設完了(JR東日本提供)

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