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第2竹田川橋梁は鉄道橋PC箱桁橋の中で最も長い支間長

2021年新春インタビュー③ JRTT大阪支社工事第三部 北陸新幹線のうち33.8kmを所管

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
大阪支社 工事第三部長

鳥山 博樹 氏

公開日:2021.01.01

福井架道橋 アーバンリング工法を採用
 基礎形式は鋼管ソイルセメント杭とケーソン

 ――次に福井架道橋の特徴を基礎からお願いします
 鳥山 北陸自動車道に変位を与えないように、また工期の関係もあり、アーバンリング工法を採用しました。
 ――基礎は深いですか
 鳥山 P2・P3橋脚がケーソン基礎で、P2が52m、P3が53.5m(φ11.0m)。P1・P4橋脚が鋼管ソイルセメント杭基礎で、P1が43m、P4が48m(いずれもφ1.5m、9本)です。

アーバンリング工法を用いた(写真はP2橋脚)
 ――鋼管ソイルセメント杭(合成鋼管杭)は基本的に摩擦支持で使われるものですが、鉄道橋では摩擦支持は避けると思っていました。採用理由は
 鳥山 支持層が50m以深にあるため、場所打ち杭の完全支持は選定案から除外し、摩擦杭として杭基礎形式を検討した結果、鋼管ソイルセメント杭が施工性、経済性とも優れていたため、採用しました。
 ――新幹線での採用は多いのですか
 鳥山 基本は支持杭です。しかし、設計上、成立しない場合は採用することもあります。
 ――中央径間(110m)は鉄道橋の合成桁として最長タイとありますが、もう1橋は
 鳥山 同じく北陸新幹線で北陸自動車道と交差する浅生架道橋(富山県魚津市)です。
 ――防食は金属溶射+塗装となっていますが、溶射の上に塗装を塗り重ねているのですが
 鳥山 塗り重ねています。溶射は亜鉛・アルミ合金溶射(通称JIS工法)を行い、一般部の工場塗装はスプレー、添接部などの現場塗装はローラとはけによる塗装をしています。

福井架道橋の送り出し施工状況①

福井架道橋の送り出し施工状況②

福井架道橋の送り出し施工状況③

柿原トンネル 延長2,530mの約1/3が土被り
 1D部分は事前に上と中から地山改良

 ――トンネルについて。加賀トンネルは
 鳥山 全延長は5,463mで北、中、南の3工区に分かれており、工事第三部では南工区(終点方)1,350mを担当しています。

第三工事部主要トンネル一覧(拡大して見てください)

指中トンネルの掘進状況と坑口部

樋山T出口~指中トンネル

 ――特徴と工夫点は
 鳥山 ショートベンチカット工法で掘進し、一部地山が悪い箇所では長尺鋼管先受工を採用しました。若干、膨張性の地山となっているため、盤膨れ対策としてインバート形状を少し変えています。

加賀トンネルの掘進状況

 ――柿原トンネルは。地山状況がほかのトンネルと違います
 鳥山 未固結で水を有している地山で、NATMでは厳しい施工状況の地山です。土被りも相当薄く、延長2,530mの約1/3が1Dとなっています。


柿原トンネル(延長2,530mの約1/3が1D)

 ――トンネルの上には何があるのですか
 鳥山 田畑、他に市民グランド及びゴルフ場があります。
 ――固めながら掘進したのですか
 鳥山 1D部分は事前に上と中から地山改良を行っています。補助工法もフォアポーリング、フォアパイリング、鏡ボルトなどを採用しながら掘進しました。機械掘削(ショートベンチカット工法)で施工していますが、部分的には早期閉合を図るためにミニベンチ(3m)を入れました。

柿原トンネルの掘進状況①

 ――NEXCO中日本のある現場では土被り2Dのトンネルがあり、岩質も悪くて1日の掘削スピードが遅くなる現場を取材したことがあります。柿原トンネルの1日あたりの掘削スピードは
 鳥山 水の多いところでは、日進1m以下でした。補助工法に時間がかかります。
 ――その現場では上に三重県が管理する道路があり、掘削中の変位は許されず、ものすごい数の変位計を設置していました。本現場では
 鳥山 当然、地表面の沈下測定は行いました。内空でももちろん計測しています。

柿原トンネルの掘進状況②

 ――通常と比べて測定点は増やしているのですか
 鳥山 その通りです。さらに、水をたくさん含んでいるので、観測井を設けて地下水の水位を観測しながら施工しました。
 ――湧水もあったのですか
 鳥山 ありました。透水係数が非常に低くて、水がなかなか抜けなくて掘削に苦労しました。水抜きボーリングを行ってもなかなか効果が出ませんでした。
 ――地下水が溜まって水抜きパイルで水を抜きながら施工した事例もありましたが、同様でしょうか
 鳥山 中尺、長尺の水抜きを行っています。
 ――掘削期間は
 鳥山 3年です。

柿原トンネルの掘進状況③

 ――次に第2福井トンネルについて伺います。覆工コンクリート打設時期を見極めるため、インバート変状収束確認のために地中変位計を設置、さらに、セントル脱型後、材令28日まで湿潤養生を行ったとありますが
 鳥山 基本的には内空変位を計測するだけなので、地中変位計は設置しません。新幹線の場合、盤膨れが走行に直接かかわり大きな問題となりますので、インバートについて着目することがあり、本トンネルではインバート変位の収束が確実に完了したのを確認して、覆工コンクリートを打設しました。また、通常、湿潤養生は1週間程度ですが、それを4倍にしています。

 ――構造物の長寿命化を考慮して、コンクリートにフライアッシュを使用していませんか
 鳥山 九頭竜川橋などの橋長の長い橋梁ではありませんが、アルカリ骨材反応で引っかかった橋梁で使用した事例はあります。
 ――生コンプラントで試験をしてアルカリ骨材反応の恐れがある構造物でフライアッシュを使用したのですね
 鳥山 そうです。
 ――九頭竜川橋で含浸材を使用しているという話がありましたが、他の橋梁で珪酸塩系含浸材を使用した事例は
 鳥山 標準設計ではないです。PCの端部の防水工でCS21を使用しているところはあります。
 ――今後の進捗予定は
 鳥山 ひとうひとつの工事で言えば、安全に決められた工期内でできるように、施工者とともに頑張りたいと思っています。  ――進捗率は
 鳥山 福井県内の土木工事は福井県内で92%(2020年12月1日現在)となっています。  ――工事第三部管内も同じ程度と考えてよろしいでしょうか
 鳥山 良いと思います。
 ――ありがとうございました
(2021年1月1日掲載)

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