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第2竹田川橋梁は鉄道橋PC箱桁橋の中で最も長い支間長

2021年新春インタビュー③ JRTT大阪支社工事第三部 北陸新幹線のうち33.8kmを所管

独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構
大阪支社 工事第三部長

鳥山 博樹 氏

公開日:2021.01.01

九頭竜川橋 新幹線初となる鉄道・道路併用橋
 橋脚幅は33.6m 中央に鉄道橋、左右に道路橋を配置

 ――九頭竜川橋梁の特徴は
 鳥山 新幹線初となる鉄道・道路併用橋となります。
 ――橋長と上部工形式は
 鳥山 414mの7径間連続PC箱桁橋です。
 ――鉄道橋の部分が7径間連続PC箱桁橋ですか
 鳥山 道路橋も同様の構造です。
 ――鉄道と道路の桁配置は
 鳥山 構造としてはひとつの橋脚の上に、中央に鉄道橋の桁があり、両側に道路橋の桁がある形となります。
 ――では、橋脚幅が非常にあるのですね
 鳥山 33.6mあります。各2車線の道路が両側にできます。
 ――鉄道橋で道路橋併用というと、本四架橋のようなダブルデッキ構造が思い浮かんでいました
 鳥山 JRTTでは常磐新線(つくばエクスプレス)の利根川橋梁、小貝川橋梁、成田高速鉄道の印旛沼橋梁などで今回のような桁配置の実績があります。
 ――併用橋を作る場合、新幹線と在来線での一番の違いは
 鳥山 基本的には設計は鉄道のRC標準で行うので大きく変わりませんが、桁のたわみ量などで新幹線では制限が出てくると思います。

限界値が厳しい新幹線桁のたわみ許容値
 道路橋の上部工は福井県が担当

 ――たわみ量の許容値はどのくらい違うのですか
 鳥山 たわみの設計限界値は、列車の最高速度とスパン長により決定します。
例えば常時の走行安全性から定まる桁のたわみの設計限界値は下記の通りです。
 新幹線)最高速度260km/h、スパン長Lb=60m、複数連の場合⇒桁のたわみの限界値 Lb/1200。電車・内燃動車)最高速度130km/h、スパン長Lb=60m、複数連の場合⇒桁のたわみの限界値 Lb/500となります。
 以上より、新幹線は在来線と比べ、たわみの限界値が厳しく、上部工の桁高が大きくなります。また、それに伴い上部工反力が増えるため、下部工も大きくなります。
 ――道路橋は縦横断勾配も鉄道橋よりも許容されています。九頭竜川橋梁は道路橋を含めてJRTTが下部工を施工しているのですか
 鳥山 そうです。
 ――道路橋の縦横断勾配も鉄道橋と同じ感覚(基準?)で作っているということになりますか
 鳥山 当然そうなります。
 ――相当良い道路橋になるということですね
 鳥山 (笑)ただ、最終的なところは沓座で決まってきますよね。埋め込むべきストッパーなどはJRTTで施工しましたが、上部工の施工は福井県が行っています。

表面保護としてCS21をスプレー塗装
 地覆にはエポ鉄筋を使用

 ――新幹線は凍結防止剤を散布しなくていいと思いますが、道路橋では散布の可能性があり、塩が道路橋から鉄道橋に飛散することが予想されます。その場合の塩害対策は
 鳥山 鉄道橋の上部工に関しても塩害対策をしており、鉄筋被り厚を確保するとともに、表面保護工として珪酸塩系表面含侵工法(改質剤)を適用しています。具体的にはCS21をスプレー塗装しました。
 ――架線柱の防食を厚くすることは
 鳥山 特段対策はしていません。
 ――エポ鉄筋の採用は
 鳥山 地覆にエポ鉄筋を使用しています。
 ――支承の防食は
 鳥山 沓座コンクリートで橋脚よりも少し高くして、ゴム支承を乗せています。水が流れても抜けていくという考えを取っているので、支承の特別な塩害対策はしていません。
 ――架設工法は
 鳥山 張出架設です。で1ブロック長は2~3mとなります。

九頭竜川橋の張出架設状況
 ――コンクリートの最大圧送距離は
 鳥山 施工では橋梁に並行して桟橋を構築して、そこから打設していますので、圧送距離は長くはありません。
 ――スランプは
 鳥山 12cmです。上部工柱頭部は40-12-20Nの普通セメント、張出部施工は40-12-20Hの早強セメントを採用しました。

九頭竜川橋の橋脚コンクリート打設状況
 ――渇水期の架設ですか
 鳥山 そうです。
 ――マスコンクリートになると思いますが、スランプ12cmは現場、それとも生コン工場で計測したものですか
 鳥山 JRTTの示方配合が12cmで、生コン工場や現地の状況により、流動化剤を入れたりしているかもしれません。
 ――施工は渇水期何回で完了したのですか
 鳥山 4渇水期です。
 ――下部工から含めて4渇水期ですか、それとも架設のみですか
 鳥山 下部工を含みます。
 ――下部工と上部工の割合は
 鳥山 7径間ありますので、1年目は片側3本の橋脚の施工、2年目に逆側の下部工と前年に完成した下部工部分の上部工を施工しています。左右施工しながら進めています。

九頭竜川橋のケーソン基礎掘削状況

天然記念物「アラレガコ」に配慮して施工
 自然石を使った護床工

 ――ほかに施工上の工夫はありますか
 鳥山 九頭竜川はアラレガコの生息地として天然記念物指定されています。そのため、環境に配慮した施工をしています。護床工では、通常ではコンクリートブロックをつなげていきますが、自然石を使った護床工にしています。河川内工事では、通常、瀬替えを行うところを川の環境を変えないために水が流れている箇所には桟橋をつくり、そこから躯体を構築する方法を取りました。
 ひび割れ対策では、基礎が1ロットケーソン(ニューマチックケーソン)でマスコンとなるため、温度解析を行い、ひび割れ抑制鉄筋を入れて配筋をしています。
 ――膨張材は使用しなかったのですね
 鳥山 使用していません。
 ――温度解析はFEMも使用しましたか
 鳥山 しました。
 ――東北地整などでは施工状況把握チェックシートやSWATなどを使用して透水性などを調べていますが、九頭竜川橋では施工品質確保のために行っていることはありますか
 鳥山 とくに行っていません。
 ――ワーゲンの養生は
 鳥山 足場上全面に防水シートを設置しました(技術提案)。

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