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ロッキングピア対策は今年度に概成

2020年新春インタビュー NEXCO中日本 大規模更新・長大橋耐震が進む

中日本高速道路株式会社
取締役常務執行役員
保全企画本部長

源島 良一 氏

公開日:2020.01.01

人手不足と安全の両立に大型移動式防護車両を導入
 作業スペースは最大で約10ⅿ×2mを確保

 ――今後の技術開発の方向性は
 源島 基本的前提として人口減少による人手不足があります。現場で点検から補修に至る作業は労働集約型の業務ですが、それをいかに機械化、自動化して省力化し、人手を減らせるかが大きなポイントであると考えています。
 また、現場での事故も課題として考えています。省力化するという事は、働く方の安全性も(狭小ヤード内での人口密度が減り)同時に高められますので、そこを主眼において開発を進めていきたいと考えています。
 本線を規制して行う作業では貰い事故が増えています。ついこの間には、パトロール隊の隊員が、車に突っ込まれて亡くなられた事故がありました。こうした痛ましい事故は無くしていかなければなりませんが、そのため新しい大型移動式防護車両を子会社の中日本ハイウェイ・メンテナンス名古屋が開発しました。


大型移動式防護車両(NEXCO中日本HPより抜粋)

 ――どのようなものですか
 源島 規制区内に誤って進入してきた車両から人員を直接防護できるスペースを確保する車両です。米国にある同種車両を参考に日本の法令に適合するようカスタマイズしたものです。車両中央部の保護ビームを伸縮させることにより、作業スペースを剛なもので覆い、確保します。保護ビームは左右に移動させることができるため、走行車線規制、追い越し車線規制のどちらでも利用できます。車体後部には衝撃緩衝装置を装備しており、さらにその工法に防護車両を配置することで、万が一にも車両が後方から追突した場合でも作業スペース内の人員を防護できます。


活用状況(同上)

 車長は走行時で15.9m、作業時は23.4mまで伸ばせます。作業スペースは最大で約10ⅿ×2mです。
 ――範囲としてはそれほど広くありませんが安全ですね
 源島 作業をしつつ、車両のため自走できるため同一車線の規制及び作業はスムーズに行うことができます。こうしたもので覆えない現場は、先ほど申し上げたように省力化して作業人員を減らすか、ロボット化するしかないと思っています。工事に従事される方から亡くなる方を出さないという取り組みが必要です。そうしなければ高速道路で維持管理に携わる従事者はいなくなってしまうという危機感がすごくあります。

「i-MOVEMENT」 82団体が申し込み 
 構造物劣化予測はエキスパートシステム型が合点

 ――最後に10年先を見据えた保全サービス事業の運営改革について
 源島 「i-MOVEMENT」(最先端の ICT 技術・ロボティクスなどの導入により、人口減少などの高速道路を取り巻く環境の激変に対応しつつ、高速道路モビリティの進化を目指す NEXCO中日本の活動(ムーブメント))がそれに当たります。
 人手不足下での効率的な維持管理を実現するためには、当社が今まで節点のなかった企業や知識を有する方々と一緒になって技術開発していかなければならないとのスタンスで活動しているものです。例えば、我々は高速道路上で起きている事象を全てリアルタイムでは把握できていないわけです。そうしたことにも対応していかないと、自動運転車両への適切な情報提供もできないわけです。また、安全性を高度に高めるためにもこうした活動は必須です。
 今夏に設置したイノベーション交流会へは既に移動体監視で66団体、変状分析で63団体、工事規制で54団体が申し込まれています。


112社184名が説明会に参加

 ――同活動では、I0Tやビッグデータ、AI、RPA(ロボティクス・プロセス・オートメーション)などの技術活用も模索していますね
 源島 既に年末年始の渋滞予測には一部でAIなどを活用しています。
 ――構造物の劣化予測への活用は
 源島 今後活用できればと思っています。道路を管理する側としては結果だけでなく、その判断過程などの説明も必要ではないかと考えています。
 ――その辺は土木研究所の中で説明責任を果たすことができるエキスパートシステム型AIの開発を模索していますね
 源島 先日西川理事長のご講演を聞く機会があり、管理者の立場から合点がいくシステムだと思いました。
 ――ありがとうございました
(2020年1月1日掲載)

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