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橋梁4348橋、トンネル130本を管理

山口県 小郡萩道路の整備事業や荒神大橋架替事業が進捗

山口県
土木建築部
審議監

森岡 弘道 氏

公開日:2019.10.31

供用後50年以上経過した橋梁は約4割
 コンクリート橋が全体の92%を占める

 ――保全について。全体的な方針をお願いします
 森岡 全国的に見ても同じような状況にあると思いますが、高度経済成長期に集中して整備した構造物の老朽化対策が喫緊の課題です。本県では「山口県土木建築部インフラマネジメント計画」を策定するとともに、橋梁、トンネルといった施設ごとの長寿命化計画を策定しています。
 その計画に基づき、維持管理費用の縮減、更新費用の平準化を図るために、継続的かつ効率的な維持管理ができるように取り組んでいます。とくに、道路施設の定期点検は今年から2巡目に入っていますが、その補修工事についてすべて実施するのは難しいので、緊急輸送道路などの優先度の高いところから集中して取り組んでいきます。また、予防保全的な維持管理にも切り替えています。予算の確保が厳しく難しいところですが、新設の道路とあわせてバランスよく、戦略的に行っていく考えです。
 ――管理橋梁の内訳は
 森岡 全体で4,348橋を管理しており、橋種別では溝橋が23%、RC橋が42%、PC橋が27%、鋼橋が7%で、コンクリート橋が全体の92%を占めています。供用年次別では30年未満が27%、30年以上50年未満が31%、50年以上が42%で、20年後には供用後50年以上となる橋梁が約7割に達します。延長別では10m未満が58%を占め、10m以上100m未満が38%、100m以上が4%と長大橋は少なくなっています。1,000m以上の長大橋は4橋あります。(2018年3月時点)


橋種別橋梁の割合/橋梁整備状況推移(2018年10月策定の橋梁長寿命化計画から) 

橋長別橋梁数と橋面積(2018年10月策定の橋梁長寿命化計画から)
点検中である溝橋等は不確定であったため橋長別数に含まれず。

 ――管理されているトンネルは
 森岡 130本を管理しており、工種別では在来工法が53%、NATM工法が43%、その他(吹付・素掘・石積工法)が4%となります。供用年次別では30年未満が46%、30年以上50年未満が34%、50年以上が20%です。延長別では100m未満が25%、100m以上500m未満が55%、500m以上が22%で、1,000m以上のトンネルは8本あります。(2019年3月時点)


工種別トンネル数および延長の割合/供用年別トンネル数
(2016年3月策定のトンネル長寿命化修繕計画から)


延長別トンネルの一覧(2016年3月策定のトンネル長寿命化修繕計画から)

2017年度までの4年間で3,166橋の点検を実施
 日本海側で塩害、県南東部でASRによる損傷が発生

 ――橋梁とトンネルの定期点検結果を教えてください
 森岡 2014年度から2017年度までの4年間で3,166橋の定期点検を実施しました。健全度判定区分Ⅳはありませんでした。予防保全段階のⅡが55%と半数以上を占め、Ⅲが24%、Ⅰが21%です。
 トンネルの2014年度から2018年度(速報値)の定期点結果は、Ⅰが2本、Ⅱが67本、Ⅲが60本で、Ⅳはありませんでした。
 ――点検を進めてみての全般的な劣化状況は
 森岡 劣化が見られるのは高度経済成長期に建設された橋梁が多くなっています。


架設年度・健全度評価区分ごとの橋梁数(2018年10月策定の橋梁長寿命化計画から)

 コンクリート橋では、浮きや剥離、ひび割れが多く見られています。鋼橋では、排水機能が機能していないことにより桁端部を中心に腐食が発生しています。


コンクリート橋の損傷事例(一般県道高井大道停車場線 佐波川大橋)

鋼橋の損傷事例(左:主要地方道岩国佐伯線 長浴大橋/右:主要地方道萩三隅線 橋本橋)

 トンネルにおいても、劣化が見られるのは高度経済成長期に建設されたトンネルが多くなっています。変状については、材質劣化(うき・はく落)による変状が多くみられます。


トンネルの損傷事例(一般国道316号 大ヶ峠トンネル)

 ――鋼床版での疲労き裂発生事例は
 森岡 県が管理する道路橋での発生事例はありません。
 ――塩害やASRなどによる劣化は発生していますでしょうか
 森岡 日本海側では、季節風の影響で海からの飛来塩分による塩害が発生する懸念があります。瀬戸内海側では、ASRによるひび割れが見られています。これは、20~30年前に骨材に海砂を多く使用していたことが原因と推察しています。


塩害・ASRの発生懸念箇所

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