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橋梁4348橋、トンネル130本を管理

山口県 小郡萩道路の整備事業や荒神大橋架替事業が進捗

山口県
土木建築部
審議監

森岡 弘道 氏

公開日:2019.10.31

小郡萩道路 絵堂IC~萩ICまでの約15kmの事業を推進
 同区間の構造物は橋梁14橋(ランプ橋2橋)、トンネル4本

 ――整備中の路線を教えてください
 森岡 地域高規格道路の小郡萩道路があります。小郡萩道路は、県央の交通拠点である山口市小郡、県の主要観光地である秋吉台、山陰の都市である萩市を結び、中国縦貫自動車道などと接続することにより、高速道路ネットワークを形成する延長約30kmの道路です。
 本道路の整備により、山陰地域と県央部との交流促進や主要都市と空港や新幹線駅、重要港湾などの広域交流拠点との連携強化、観光拠点を結ぶ広域観光ネットワークの形成などの効果が期待されています。
 ――整備状況は
 森岡 延長約30kmのうち、中国縦貫自動車道と接続する美祢東JCTから秋吉台ICを経て絵堂ICまでの12.9kmは供用済みとなっています。
 事業中の区間(一般国道490号絵堂萩道路、完成2車線)は、絵堂IC(美祢市美東町絵堂)から萩・三隅道路(国道191号)に接続する萩IC(萩市椿)までの約15kmとなります。そのうち、絵堂IC側から約9kmがバイパス整備区間、萩市側の約6kmが現道活用区間です。


小郡萩道路概要図

一般国道490号絵堂萩道路概要図

 2014年度に国の補助事業として新規採択を受けて、同年11月に現地測量・設計などに着手しています。2016年1月には工事用道路の工事に着手、2017年10月から本線部の工事に着手しました。
 ――事業進捗率は
 森岡 事業費ベースで約2割となります(2019年3月末時点)。
 ――現道活用区間が約6kmとのことですが
 森岡 2003年に地域高規格道路の構造要件緩和があり、今は、それに基づいて現道活用ができるかどうかを確認しているところなので、正式に決定しているわけではありません。基本的には現道をそのまま使用して、設計速度60km/hを確保できることを目指して整備します。また、現道活用区間の整備内容としては、歩車分離を行うことなどを検討するとともに、現道上には交差点がありますので、交差点に車が流入することによる本線の速度低下の割合を検討するなど、安全で円滑な交通を確保することが可能であるかを確認しています。
 ――現道活用区間はまだ工事着手していないということでしょうか
 森岡 そうです。
 ――バイパス整備区間の構造物は
 森岡 橋梁がICのランプ橋を含めて14橋(ランプ橋2橋)、トンネルが4本です。橋種別では、PC橋が5橋、鋼橋が9橋となります。
 ――構造物比率では
 森岡 設計上では約2割となります。
 ――橋梁の進捗状況から教えてください
 森岡 橋長12.2mの11号橋(単純PCプレテン床版橋(ホロー桁))は下部工(橋台)が完成、架設も完了しています。


11号橋の施工

 4号橋(鋼2径間非合成鈑桁橋、橋長84m)は、2018年度に下部工に着手して橋台が完成し、橋脚工事に着手しています。上部工は今年度に発注予定です。(仮称)明木ICのランプ橋も2018年度に下部工に着手し、完成しています。現在は、上部工を製作中です。


4号橋の施工

 ――最も橋長のある橋梁は
 森岡 12号橋(鋼単純非合成鈑桁橋+鋼3径間連続非合成箱桁橋)で288mです。詳細設計は完了していますが、工事の発注は次年度以降となります。
 ――その他の橋梁の発注状況、予定は
 森岡 その他の橋梁についても詳細設計は完了しています。工事の発注は次年度以降を予定しています。
 ――4本のトンネルについては
 森岡 3号トンネル(延長502m)を2018年度に発注し、今夏に掘削を開始いたしました。1号トンネル(延長290m)は今年度発注予定、2号トンネル(延長638m)と4号トンネル(延長189m)の発注時期は未定となっています。


3号トンネル坑口

 ――その他に特徴がありましたら
 森岡 縦断勾配が平均4%となる4号橋から5号橋の先まで付加車線を約1000m設置する計画になっています。
 ――山間部で縦断勾配もあるので、冬期には凍結防止剤の散布が予想されます。塩害対策など維持管理の点で工夫されていることはありますか
 森岡 この地域では冬季に積雪による影響が大きく、周辺道路では凍結防止剤の散布がなされています。絵堂萩道路は自動車専用道路なので、一般道に比べ凍結防止剤の散布量や頻度が多いことを踏まえ、橋梁設計ではその影響を考慮しています。例えば、橋座や桁端部、箱桁内面などへの防食塗装を採用するなどし、凍結防止剤の影響による腐食を防ぐこととしています。また、山口県では鋼橋に無塗装用耐候性鋼材の採用を原則としており、適切な計画、設計や維持管理等により優れたLCCの確保を目指しています。絵堂萩道路でも、耐候性鋼材がその性能を満足に発揮できる環境を整えるため、設計時に桁端部の通気性を良くする検討を行っていますが、実際に採用するかは未定です。さらに、維持管理を考慮した点として、支承部のジャッキアップスペースについても検討しておりますが、どこまで対応するか検討しています。
 ――一般国道490号絵堂萩道路以外の整備箇所は
 森岡 現在は、県道岩国大竹線や県道美祢油谷線などで改良事業を進めています。
 ――改良にともなうトンネル建設は
 森岡 周防大島町の県道橘東和線では、線形改良のために地家室トンネル(延長228m)を掘削しています。現道は小さな岬を回る線形になっていましたが、そこをトンネルで抜いていきます。


地家室トンネルの施工

県道徳山下松線 荒神大橋・切戸大橋の架け替え事業を推進
 荒神大橋は今年度末に供用予定

 ――架け替えの橋梁はありますか
 森岡 県道徳山下松線の荒神大橋(橋長108.0m)と同線の切戸大橋(橋長31.8m)で架け替え事業を進めています。荒神大橋は1944年に建設された9径間単純RC桁橋、切戸大橋は1942年に建設された3径間RCT桁橋で、老朽化対策と耐震補強のコストを検討した結果、架け替えたほうが安価だったため、架け替えを決定しました。


荒神大橋(左)と切戸大橋(右)の現橋

 ――荒神大橋の施工状況と新橋の構造形式は
 森岡 2012年度に事業着手し、仮橋を構築して現道を切り回したうえで、現道の位置に新橋を建設しています。3月に送り出しでの架設が完了し、現在は床版工を進めていて、今年度末の供用を予定しています。新設橋梁は、橋長116mのPC3径間連結ポストテンションI桁橋(バイプレ工法)となります。


荒神大橋 仮橋と下部工施工時

荒神大橋 上部工施工

 ――切戸大橋の施工状況と新橋の構造形式は
 森岡 2014年度に事業着手し、荒神大橋と同じく仮橋を構築して新橋を建設します。現在、下部工は完了しており、上部工は11月より着工予定です。新設橋梁は、橋長34.3mのPC単純ポストテンション中空床版橋(バイプレ工法)となります。


切戸大橋 仮橋(左)と下部工施工

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