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平成30年7月豪雨からの復旧

2019新春インタビュー④ NEXCO西日本中国支社 中国道と広島呉道路では砕石盛土でのり面再構築

西日本高速道路株式会社
中国支社
保全サービス事業部長

久米 富美男 氏

公開日:2019.01.01

中国道 北房IC~新見IC間の盛土のり面が約4,000m3崩落
 砕石投入シューターを使用して盛土のり面を再構築

 ――中国道の重篤被災箇所は
 久米 北房IC~新見IC間(上り線)の210.9キロポスト付近の本線盛土のり面が崩落しました。盛土の崩壊土量は約4,000m3となります。山陽道と同様に、ドローンを活用して全体の状況把握をして応急復旧計画の立案をしています。


北房IC~新見IC間の被災状況

 応急復旧では、まず切土崩落等にともなう土砂撤去作業や下り線における対面通行規制の準備作業を実施し、通行止めから3日と16時間後に下り線を対面通行により、交通開放しています。その後、上り線のり肩部に排水型の土留工としてH鋼を33本打ち込んで盛土の安全性を確保しました。これにより対面通行を解除して、上下線ともに交通開放を行っています。


対面通行による交通開放

 崩落した盛土のり面は、排水性を考慮して盛土材には砕石を用い、上り線路肩から砕石投入シューターを使用して、盛土を再構築しました。盛土の下にはJR姫新線が並行しており、安全確保のため仮設防護として大型土嚢を設置しています。のり尻部はふとんかごを採用し、水抜きボーリング工(8本)を実施して排水機能を強化しています。
 施工は熊谷組が担当して10月21日に完了しています。


砕石シューターによる盛土再構築

 ――今後の予定は
 久米 本復旧が完了しましたので、今後は崩落箇所に近接した両側の盛土の補強検討も必要と考えています。

広島呉道路 坂南IC~天応西IC間の盛土が約13,000m3崩壊
 国、JRと協力して復旧作業にあたる

 ――広島呉道路の重篤被災箇所は
 久米 坂南IC~天応西IC間の5.8キロポスト付近で本線盛土が約13,000m3崩壊しました。復旧にあたっては並行する国道31号、JR呉線も被災したため、国、JR、県、町の関係機関と綿密な連携を図る必要がありました。また、早期の復旧完了を目指し、学識者による「広島呉道路災害復旧に関する検討委員会」を立ち上げ、7月13日に第1回委員会を開催しています。



坂南IC~天応西IC間の被災状況

 検討委員会での調査の結果、本線盛土崩壊の原因は、区域外で発生した土石流が区域内の盛土ポケットに流入し、その土石流による大量の流木と土砂が盛土内の横断排水管の呑口を閉塞して盛土ポケットの排水機能が絶たれた結果、その後の雨により盛土内に水が浸透していき、盛土内水位が上昇して不安定となったためとされました。
 復旧は、現状の盛土構造の再構築と排水機能向上という委員会方針に基づいて行っています。
 14日に土砂の撤去を開始し、盛土復旧工事には8月10日に着手しています。盛土材は中国道と同様に排水性の高い砕石を使用することとして、砕石は、速やかな現場への搬入と一般道の混雑を避けるため、海上運搬とし、その後、現場へは主に夜間搬入としました。
 盛土にあたっては、本線路面等に砕石を仮置きし、砕石投入シューターを活用して施工性を向上させながら盛土を構築しました。また、排水機能向上のため、のり尻に鋼製枠のふとんかごを採用するとともに、地下排水管を湧水が認められる箇所などを中心に複数系統増設しています。元々敷設されていた横断排水管については内部を確認したところ健全でしたので、再利用しました。また、横断排水管の機能確保のために呑口には鋼製格子枠による閉塞軽減工を設置しています。


砕石の海上運搬状況/本線路面に仮置きされた砕石

砕石投入シューターを活用して盛土を構築

復旧作業中の状況①

復旧作業中の状況②

 国、JRと連携して復旧作業にあたりましたが、特に、国道31号を仮設道路により早期に啓開(7月11日23時通行止め解除)していただくなど多大な協力をいただいたことで、施工の自由度が広がりました。復旧目標は11月でしたが、これらの協力体制や昼夜連続での施工(施工会社は大林組)により、9月27日に本復旧することができました。


復旧完了

 ――今後、支社として行うことは
 久米 今回の災害は高速道路区域外からの影響が大きかったので、関係機関と情報共有を密にしながら調整を進めていきたいと思います。また、高速道路区域外の市町村管理のボックスカルバートや水路も数多く被災しており、これについては管理している自治体ごとに対応していただくことになりますが、NEXCO西日本としましては可能な限りの自衛手段として、横断構造物における通水の確保などの応急的な手当は管理区分にかかわらず実施しています。
 ――ありがとうございました
(2019年1月1日掲載 聞き手=大柴功治)

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