道路構造物ジャーナルNET

平成28年台風10号からの復旧

NEXCO東日本北海道支社 災害対策工事は1件完了予定、2件が進捗

東日本高速道路株式会社
北海道支社
道路事業部長

松本 吉英 氏

公開日:2018.09.19

管理延長687.9kmのうち、橋梁延長78.8km、トンネル延長65.1km
 供用から30年以上経過は18.5%(延長比)

 ――管内の概要について。まずは営業延長と路線の経過年数状況は
 松本 高速道路687.9km(道央道443.5km、札樽道38.3km、道東道206.1km)、一般有料道路8.4km(日高道4.0km、深川・留萌道4.4km)の合計687.9kmです。路線別の経過年数は、道央道25年、札樽道38年、道東道14年、日高道20年、深川・留萌道19年となっています。小樽IC~札幌西ICと千歳IC~北広島ICの区間(47.2km)は供用後40年以上が経過しており、延長比では6.8%となります。供用後30~40年が81.7km(11.7%)、20~30年が181.4km(26.1%)、10~20年が236.8km(34.0%)、10年以下が149.2km(21.4%)です。
 ――橋梁とトンネルの内訳は
 松本 橋梁延長は78.8kmで、鋼橋が32.6km(41.4%)、PC橋が30.9km(39.2%)、RC橋が15.3km(19.4%)となります(下り線での延長)。トンネル延長は65.1kmで、在来工法が6.3km(12チューブ)、NATM工法が58.9km(43チューブ)です。


橋種別橋梁一覧表(延長と構成比率)

 ――構造物の全般的な劣化状況は
 松本 北海道でスパイクタイヤの使用が禁止された平成3年以降、凍結防止剤の影響や、凍結防止剤を含んだ水が伸縮装置や排水管から漏水し、コンクリートや鋼材に触れることで損傷が起きています。
 コンクリートの損傷としては、コンクリート内部に塩分が浸透することで内部鉄筋の腐食により鉄筋の腐食膨張が起こり、かぶりコンクリートの剥離が発生しています。コンクリートの損傷は、損傷箇所をWJで除去し、鉄筋に防錆剤を塗布してから、コンクリート断面修復材で補修を行ってます。鋼材に錆が発生している場合は、錆の除去を行い、防錆剤の塗布をしています。また、鋼材腐食により板厚減や孔食に対しては、当て板補強による補修となります。
 トンネルでも塩分の影響で覆工が一部劣化しているところもあります。


補修事例 札樽道 宮の沢高架橋P20橋脚(左:施工前/右:施工後)

 ――変状が出ているトンネルの対策は
 松本 在来工法で施工が行われているトンネルについては、覆工コンクリートの劣化状態を確認し、今後はく落対策を行う予定です。在来工法で施行を行っているトンネルは管内に12チューブありますが、現時点ですぐに補修・補強を行う箇所はありませんので、計画的に進めて行く予定です。

日高道の8橋で耐震性能照査を実施中
 ロッキングピア 耐震補強工事着手へ

 ――耐震補強の進捗状況は
 松本 昭和55年以前の道路橋示方書で設計された橋梁の耐震補強は完了しています。今後は、熊本地震で被災した橋梁を受けてのさらなる耐震や今後30年間に震度6以上の地震が発生する恐れのある地域から対象橋梁を選定し、耐震補強を行います。耐震補強の状況は、日高道の苫小牧東IC~沼ノ端西IC間の上下線8橋梁で耐震性能照査を行っています。耐震性能照査結果により、補強が必要となった場合は耐震補強設計を行い、補強工事を行います。想定される補強としては、橋脚の耐震補強(RC巻き立て、鋼板巻き立て、炭素繊維貼付)、落橋防止装置の設置です。
 また、日高道以外に道央道の苫小牧東IC~長万部IC間の橋梁については、耐震補強設計の発注準備中です。
 長大・特殊橋の耐震補強では、並柳橋と同様の形式例としてメップ川橋がありますが、現在、耐震性能照査まで行っており、今後耐震補強設計を行う予定です。
 ――ロッキングピアの耐震補強については
 松本 本線橋2橋とランプ橋4橋の計6橋あり、跨道橋が9橋で、合計15橋です。すべて設計が終わり、工事契約も完了していますので、早ければ8月中旬以降に工事着手する予定です。


ロッキングピアを有する跨道橋一覧表

 岩見沢管理事務所管内の1橋(キジ橋)を除いた、本線橋6橋と跨道橋8橋は札幌管理事務所管内の道央道の千歳IC~札幌南IC間に位置しています。北広島IC橋(ON、OFFランプ)と、その前後にある跨道橋の百年橋、開拓橋、里塚1号橋(上下線、歩道)をひとつの工区、千歳IC橋(ON、OFFランプ)と、本線橋の桜森橋(上下線)、跨道橋の長都橋、西島松跨道橋、輪厚橋をもうひとつの工区として発注しています。岩見沢管理事務所管内のキジ橋は単独発注となっています。


北広島IC橋/開拓橋

桜森橋

 ――補強方法は
 松本 補強は、桁の落橋を防ぐ対策を行います。具体的には、両橋台を固定化(F)、橋脚は剛結化(R)を行い、橋台と橋脚をRC巻き立てにより補強を行います。
 ――完了予定は
 松本 当初予定より、入札不調で工事契約が遅れたため、工事着手が遅れていますが、概ね3年程度で施工するという期間がありますので期間内に完了すべく施工を進めていきます。冬季は雪のため施工ができませんので、今後、施工業者と工程に関する協議をしていかなければなりませんが、2021年度末には完了する予定です。
 ――支承と伸縮装置の取替え実績と予定は
 松本 支承取替えは昨年度、今年度ともありませんし、計画も今の所ありません。
 伸縮装置は、昨年、登別室蘭IC~登別東IC間の幌別川橋(下り線P8)で建設時に設置されたビーム型ジョイントに損傷が発見されたため、鋼製フィンガージョイントに取替えを行いました。今年度は、4橋で各1箇所を鋼製の製品ジョイントに取り替える予定です。伸縮装置の取替えは、遊間量が小さく非排水構造が破損し漏水が発生しているものについて行っています。

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