道路構造物ジャーナルNET

熊本地震復旧や横軸になるルートも必須

九州地方整備局 東九州道などの幹線道路整備が進捗

国土交通省
九州地方整備局
道路部長

前佛 和秀

公開日:2018.03.06

有明海沿岸道路 大牟田~大川などが進捗

 ――次に地域高規格道路を有明海沿岸道路から
 前佛 有明海沿岸道路は、重要港湾三池港や九州佐賀国際空港などの広域交通拠点及び大牟田市や柳川市など有明海沿岸の都市群を連携し、地域間の連携、交流促進を図るとともに、一般国道208号等の混雑緩和等を図ることを目的とした延長約55kmの地域高規格道路です。
 これまでに、三池港~大川東間(23.8km)、嘉瀬南~芦刈南間(6.5km)が開通しています。
 現在、国土交通省において、有明海沿岸道路(大牟田~大川)、大川佐賀道路の事業を進めており、佐賀県において、佐賀福富道路、福富鹿島道路の事業を進めています。


有明海沿岸道路(国土交通省九州地方整備局公開資料より抜粋)

 ――熊本環状道路は
 前佛 熊本環状道路は、熊本都市圏の環状機能を果たす延長約30kmの地域高規格道路です。これまでに、花園~下硯川間(4.1km)が開通しています。現在、熊本市において、(一)砂原四方寄線(池上工区)の事業を進めています。
 また、同様の機能を担う道路として、国土交通省において、植木バイパス、熊本北バイパスの事業を進めており、植木バイパスは、部分的に開通している箇所もあります。熊本北バイパスは、2車線で開通済みですが、交通量の増加に伴い、4車線化の事業を進めています。
 ――中九州横断道路は
 前佛 中九州横断道路は、大分県大分市の東九州自動車道と熊本県熊本市の九州縦貫自動車道を結ぶ延長約120kmの地域高規格道路です。同事業も九州横断自動車道延岡線と同様、熊本・大分県境や、熊本県内の多くで事業未着手箇所があります。現在、大津町~熊本市間(約14km)について、環境影響評価手続きを進めています。
 これまでに、犬飼~朝地間(19.3km)が開通しています。現在、大野竹田道路、滝室坂道路の事業を進めています。平成30年度は、大野竹田道路の朝地~竹田間(6.0km)の開通を予定しています。また、滝室坂道路は、平成24年7月の九州北部豪雨で崩れた現道をトンネルで抜く構造の道路であり、現在、工事入札の手続き中です。
 ――都城志布志道路は
 前佛 都城志布志道路は、宮崎県都城市から鹿児島県志布志市に至る延長約40kmの地域高規格道路です。九州縦貫自動車道宮崎線の都城ICと国際バルク戦略港湾志布志港を連結し、効率的な交通体系の形成と、多様な輸送手段を確保することにより、地域の活性化を支援する路線です。実際に志布志港はかなり活気づいており、工業団地も完売したと聞いています。志布志港のさらなる発展のためにも同道路事業は東九州自動車道の延伸と並んで重要です。
 これまでに、宮崎県側で平塚~金御岳間(7.6km)、鹿児島県側で、末吉~有明東間(12.6km)が開通しています。現在、宮崎県側で、国土交通省において、都城道路(Ⅱ期)、都城道路の事業を進めており、平成30年度は、都城道路の南横市~平塚間(2.8km)の開通を予定しています。また、宮崎県において、(一)飯野松山都城線(金御岳工区)、鹿児島県において、(一)飯野松山都城線(末吉道路)、(主)志布志福山線(有明志布志道路)、(主)志布志福山線(志布志道路)の事業を進めています。
 ――島原道路は
 前佛 島原道路は、長崎県南島原市深江町から長崎県諫早市に至る延長約50kmの地域高規格道路です。これまでに、南島原市深江町~出平間(11.3km)、吾妻西~森山東間(3.5km)が開通しています。
 現在、国土交通省において、森山拡幅の事業を進めており、長崎県において、出平有明バイパス、瑞穂吾妻バイパス、(一)諫早外環状線(鷲崎~栗面工区)、(一)諫早外環状線(諫早インター工区)の事業を進めています。
 ――熊本天草幹線道路は
 前佛 熊本天草幹線道路は、熊本県熊本市から熊本県天草市本渡町に至る延長約70kmの地域高規格道路です。これまでに、合津~上津浦間(13.3km)が開通しています。現在、国土交通省において、熊本宇土道路、宇土道路の事業を進めており、熊本県において、大矢野バイパス、本渡道路の事業を進めています。

黒崎道路 現道3号の渋滞解消目指す
 4車線化、ランプ増設など

 ――黒崎道路は
 前佛 黒崎道路は、北九州市の小倉都心と黒崎副都心を結ぶ延長約6kmの地域高規格道路です。これまでに、尾倉ランプ~陣原ランプ間(5.2km)が開通しています。しかし、現在は都市高速道路からつながって、開通している5km区間をバイパス的に抜ける効果しかない状況で、並行する現道の国道3号の渋滞解消には全面的に寄与していると言い難い状況です。現在、春の町ランプ・黒崎西ランプ・陣原ランプの整備を進めています。ただ市街地であり、JR九州の鉄道路線も並行している狭いエリアでの施工を行わなくてはならないため、細心の注意を払いながら施工を進めています。構造物はすべて高架構造です。
 ――佐賀唐津道路は
 前佛 佐賀唐津道路は、佐賀県唐津市から佐賀県佐賀市に至る延長約40kmの地域高規格道路です。これまでに、相知長部田~多久原間(11.0km)が開通しています。多久市~佐賀市間(約15km)について、都市計画及び環境影響評価手続きが完了し、現在、国土交通省において、多久佐賀道路(Ⅰ期)の事業を進めており、佐賀県において、佐賀道路の事業を進めています。

鹿児島東西幹線道路 東西トンネル(仮称)の立坑工事に着手

 ――鹿児島東西幹線道路は
 前佛 鹿児島東西幹線道路は、九州縦貫自動車道および南九州西回り自動車道の鹿児島ICから中心市街地へのアクセス機能を強化することなどを目的とした延長約6kmの地域高規格道路です。これまでに、鹿児島~田上間(0.4km)、田上~建部間の上り線(1.8km)が開通しています。現在、鹿児島東西道路の事業を進めており、東西トンネル(約2km)の立坑工事に着手したところです。


鹿児島東西トンネル(国土交通省九州地方整備局公開資料より抜粋)

 ――同トンネルは土被りの薄さで施工が非常に難しいと聞いています
 前佛 本体工の着手は未定ですが、技術上の課題に対応するため九州地方整備局で初となるシールド工法を採用する方針です。既存の武岡トンネルや新武岡トンネルの下を抜いていくような形で掘進していく形になります。
 ――今年度の主要橋梁・トンネル事業の計画と進捗状況は
 前佛 平成29年度に施工中の主要橋梁(橋長100m以上)は24橋です。また、平成29年度中に完成予定の橋梁は、東九州自動車道の安楽川橋など7橋となっています。


安楽川橋の架設状況(国土交通省九州地方整備局提供、以下注釈無きは同)

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