道路構造物ジャーナルNET

細かな日々の積み重ねで保全と向き合う

横浜国道事務所 横浜環状南線など事業中路線に注力

国土交通省
関東地方整備局
横浜国道事務所長

淡中 泰雄 氏 氏

公開日:2017.07.21

栄IC・JCTのランプ部を含めた橋梁延長合計は約7,900m

 ――横浜環状南線の構造概要および進捗状況は
 淡中 横浜横須賀道路の釜利谷JCTから国道1号の戸塚IC(仮称)までの延長8.9kmで、構造物比率は65%です。橋梁1.5km、トンネル4.3km、掘割1.4km、土工1.7kmとなります。事業進捗率は現在54%で、用地進捗率は97%。供用開始は平成32年度(※)を予定しています。交通量予測は、釜利谷JCT~公田IC間59,400台/日、公田IC~栄IC・JCT間57,300台/日、栄IC・JCT~戸塚IC間12,900台となっています。
 NEXCO東日本と事業区間を分担して施工を行っており、NEXCO東日本が釜利谷JCTから栄IC・JCTの東側までの5.9km、当事務所が栄IC・JCT(仮称)の東側から戸塚ICまでの3.0kmを担当しています。
※土地収用法に基づく手続きによる用地取得等が速やかに完了する場合



横浜環状南線概要図

 ――橋梁について詳細をお教えください
 淡中 橋梁は、NEXCO東日本の事業区間に、釜利谷JCT(下部工7基(既存橋脚増杭の1基含む)、上部工2橋)と神戸橋(橋長約170m、下部工10基、上部工2橋)がありますが、当事務所事業区間の栄IC・JCTに集中しています。複雑なランプ構造となっており、ランプ橋を含めた下部工が全部で124基、上部工が30橋となっています。ランプ部を除いた本線部の橋長合計は約1,330mで、ランプ部を含めた橋梁延長合計は、約7,900mとなります。本線上にランプ橋4橋が架かる5層構造(下図参照)となる部分があり、最も高い橋脚で構造高33.2mとなります。


栄IC・JCT完成イメージ図

本線とランプ橋の5層構造

Dランプ橋P5

 ――下部工施工での工夫や新技術の採用はありますでしょうか
 淡中 場所打ち杭では、鉄筋量を軽減し、組み立てが容易になる高強度鉄筋(SD490)を使用、組み立てでは施工性、品質が向上する無溶接金物を採用しています。鉄筋組み立てでは、施工性向上のためにプレート定着型せん断補強鉄筋を使用しています。また、ニューマチックケーソンでの無人化掘削のほか、施工箇所の一部分に軟弱地盤が存在し、フーチングの沈下対策と重機の安定確保のために、浅層・中層改良等の地盤改良も行っています。
 下部工が124基と多く、連続しているため、ストックヤードの確保にも苦労していて、施工状況を勘案しながらの工夫が必要になっています。同時に、建設の順番を間違えると、後の工事に影響が出ますので、一括発注と個別発注にわけて効率的に進められるようにしています。




下部工施工の進捗状況。
施工は、オリエンタル白石、安藤・間、小雀建設、福田組、東鋼橋梁、国土開発工業、錢高組、馬淵建設、奈良建設、ノバック、東鉄工業、りんかい日産建設、大野建設が担当。

 ――防水・防食対策についてはいかがでしょうか
 淡中 下部工のコンクリート打ち継ぎ目に、耐久性向上を目的とした高性能浸透性吸水防止剤を採用しています。
 ――JCTということもあり交通量が多くなると思いますが、床版を含め上部工について現在、検討していることはありますでしょうか
 淡中 上部工はまだ発注していませんが、約26,000トンの発注予定で、床版はRC床版となります。事務所としては、寒冷地や海岸沿い等の特殊事情もないため、とくに設計での上乗せ対応は考えていません。発注段階で施工業者側から技術提案が出てくるかもしれませんので、それは検討していきます。

横浜湘南道路ではシールド発進に向けて準備中

 ――横浜湘南道路の概要は
 淡中 横浜環状南線の栄IC・JCTから新湘南バイパスと国道1号に接続する藤沢IC(仮称)までの延長7.5kmとなります。トンネル5.6km、橋梁0.6km、土工0.6km、掘割0.8kmで、トンネルが約75%を占めています。事業進捗率は23%で、用地進捗率は99%です。供用開始は、横浜環状南線と同じ平成32年度(※)を予定しています。交通量予測は、55,800台/日となっています。
※土地収用法に基づく手続きによる用地取得等が速やかに完了する場合


横浜湘南道路概要図

 橋梁関係は横浜市小雀地区に高架橋があり、下部工が14基となります。藤沢IC付近も高架橋となっており下部工23基で、上部工は7橋となる予定です(下表参照)。トンネルはシールド工法、2車線トンネル2本となります。現在、シールド発進に向けて準備中です。


横浜湘南道路 高架橋一覧

厚木秦野道路では伊勢原北ICと秦野IC周辺部で事業を推進

 ――厚木秦野道路の概要は
 淡中 圏央道圏央厚木ICから秦野西IC(仮称)までの延長29.1kmとなります。新東名高速道路には、伊勢原北IC(仮称)および秦野西IC(仮称)の先の秦野ICで接続します。交通量予測は、厚木地区5,700台/日、伊勢原地区10,300台/日、伊勢原西IC~秦野中井IC間8,200台/日、秦野IC関連2,100台/日です。


厚木秦野道路概要図

 新東名高速道路の開通予定が厚木南ICから伊勢原北IC間では平成30年度、伊勢原北ICから秦野IC間では平成32年度となっていることから、現在、伊勢原北IC(仮称)と秦野IC(仮称)の周辺部を重点的に進めています。秦野西IC(仮称)は橋梁を予定していて平成29年度第2四半期に発注予定で、ほとんどが土工区間となる伊勢原北IC(仮称)は今年度から工事に入る段階です。NEXCO中日本と神奈川県が事業主体で、事務所としては付け替え道路を担当していきます。
 ――事業中の各路線で、LCCを踏まえて検討していることはありますでしょうか
 淡中 各路線ともに交通量が多くなることは考慮する必要があると思います。冬場であれば、凍結防止剤を撒くことになりますので、防食性に関する技術提案を期待しています。

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