道路構造物ジャーナルNET

境橋では床版取替、湯山橋、山ノ釣橋では上面増厚

大分河川国道事務所 三光本耶馬渓道路、高江拡幅、中九州横断道路などを推進

国土交通省
九州地方整備局
大分河川国道事務所長

久田 成昭

公開日:2016.02.16

表面含浸材で水を遮断
 境橋では鋼合成サンドイッチパネルで床版取替

 ――経年劣化や疲労などによる上部工の補修補強は
 久田 ここ3年でいいますと、24年度は、主桁にASRによる損傷があった琴平大橋(単純ポステンT桁)でひび割れ注入、断面修復、表面含浸工(シラン系)による補修を行いました。25年度は鍋ヶ迫橋(単純鋼合成鈑桁)、山中橋(同)、第一山中橋(単純RCT桁)、第二山中橋(同)、広瀬橋(単純非合成鈑桁)について補修を行っています。5橋とも桁端部や床版に凍結防止剤を原因とした塩害、または中性化による損傷がありました。このため鋼桁端部については塗り替えを行っています。床版(全てRC)についてはひび割れ注入、断面修復、表面含浸工(シラン系)を施しています。


琴平大橋

 また、広瀬橋については、桁の腐食が激しい箇所について当て板補強を行っているほか、RC床版に疲労による2方向ひび割れが見られましたので、炭素繊維シート接着工による補強も施しています。
 26年度は、岩崎橋(単純RCT桁)、宮川橋(単純PCプレテン床版)、三川橋(上り、下り、いずれも単純プレテンT桁)、森山大橋(下り、単純PCポステンT桁)、瀬社橋(単純PCポステンT桁)、橋津橋(RCゲルバーT桁)、橋津橋橋側歩道橋(下り、単純H型鋼非合成桁)、向野川橋(単純RCT桁)、山ノ釣橋(単純鋼合成鈑桁、連続非合成箱桁、単純鋼合成H桁)、琴平大橋の11橋で対策を施しています。宮川橋、三川橋の上下線、瀬社橋で主桁にASRを原因としたひび割れが生じていました。また山ノ釣橋では床版の中性化が進行していました。それぞれコンクリート部材の補修には断面修復、ひび割れ注入・充填、表面含浸工(シラン系、向野川橋のみケイ酸ナトリウム系)を施しているほか、鋼桁については塗替え塗装を施工しています。また、琴平大橋についてはコンクリート剥落防止工を行っています。


三川橋

瀬社橋

橋津橋

 27年度は国道210号の山ノ釣橋(単純鋼合成鈑桁、2径間連続非合成箱桁、単純鋼合成H桁×4連L=455㍍)、湯山橋(単純鋼鈑桁×3連L=141㍍)、新合田橋(2径間連続非合成箱桁L=120㍍)の3橋について補修を行う方針です。


山ノ釣橋

湯山橋

 山ノ釣橋、湯山橋は床版(厚さが180~190㍉と薄い)上面が被り不足の状況にあるため、床版上面の舗装基層部もしくは舗装全厚をコンクリートで打ち替える補修工事を行いました。
 また、今後の計画として国道210号の境橋(単純鋼合成鈑桁×2連、3径間連続鋼非合成箱桁L=226.8㍍)で床版の改修を行う予定です。具体的には、床版コンクリートの内在塩やASR、疲労による複合劣化が生じており、鋼合成サンドイッチパネルを用いて床版を交換します。メリットは、鋼殻パネルを持ってきて架設し、その中にコンクリートを打設・充填すればよいため、従来の場所打ちコンクリート床版に比べて時間の短縮ができることです。
 ――床版防水工の設置状況は把握していますか
 久田 設置状況の把握はできていません。損傷状況を踏まえて、床版防水工がない橋梁については、設置していく方針です。工法などについては、現場条件から鑑みて決定していきます。
 ――支承取替えやジョイントの交換は
 久田 新合田橋で鋼製支承のゴム支承への取替(A1、A2共に2基)を4基、ジョイント取り換えを2個所で施工しています。非排水化を行うとともに、止水工や受樋等のフェールセーフ構造化にも取り組んでいます。

塩害は内在塩、飛来塩分ともに要因
 ASRは進展期に該当

 ――塩害やアル骨による損傷は
 久田 塩化物総量規制前の橋梁で内在塩(海砂)による塩害で損傷した例が見られます。また国道10号は海岸に近い箇所を通過することもあり、飛来塩分による塩害によって損傷している橋梁も見られます。国道210号の水分峠付近は、九州でも降雪の多い積雪寒冷地であるため、凍結防止剤の散布量も多く、その影響による塩害も見受けられます。
 ASRによる損傷は国道10、210号ともに確認されています。劣化状態は「進展期」に該当します。主に橋脚に発生しています。
 塩害、ASRとも劣化を抑止するためには「水」の浸透をなくすことが重要です。そのため表面含浸材の塗布による損傷抑制対策を実施しています。
 ――道路の法面対策について
 久田 大分は時間当たり雨量の規制区間はありません。ただ、最近では青の洞門付近の山国川洪水により国道212号が、損傷したというようなケースも発生しており、注意が必要だと考えています。
 既設法面の風化による小規模崩壊や小動物による掘り起こしがあった箇所については吹付法枠工を実施しています。
 今後は引き続き定期的なカルテ点検等を行っていくとともに、梅雨などの大雨シーズン前には法面側溝などを点検し、法面に大量の水が流れ込まないように補修、清掃などを実施していきます。
 ――新設、保全問わず新技術(NETIS工法など)の活用や、コスト縮減策など
 久田 境橋では鋼合成サンドイッチパネル、湯山橋、山ノ釣橋では速硬性混和材「Facet」と高浸透性コンクリート改質剤「リバコン・リキッド」、滝瀬隧道ではFORCA(フォルカ)トウメッシュ工法、トランスEX工法、および湯布院地区のボックスカルバートではピングラウト工法およびコンクリート改質剤CS-21を採用しています。
 ――最後に付言して
 久田 管理面では、特に国道210号の橋梁劣化が進展していますので、如何に効果的に補修などの対策を進めていくかが重要であると考えています。単に補修するだけでなく、長寿命化の視点から対策を施していくように努めます。新設橋でも、維持管理で得た知見をもとに長寿命化に寄与する構造を積極的に取り入れて行きます。
 ――ありがとうございました

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム