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PC舟形橋など独自の形式も 

大阪府 万博前に建設した構造物をどう管理していくか

大阪府都市整備部
交通道路室 道路環境課長

佐藤 広章

公開日:2016.02.05

法面対策は105カ所が完了

 ――全国的に異常気象などによる土砂災害が相次いでいますが、大阪府として道路に面する斜面や古い法面などをどのように補修補強して道路を守っていきますか
 佐藤 平成22年度に「道路防災総点検」を実施し、点検結果から「要対策箇所」は全体で372箇所指定しており、平成26年度までに105箇所の対策が完了しています。工法は法枠などが主です。
 対策は今年度以降も行っていきますが、今年度また防災点検を行っていますので、これによって箇所数が変わる可能性があります。
 また、集中豪雨時は通行規制などにより二次被害を未然に防ぐよう努めています。
 ――ソフト的な対策として、現在の通行止め基準よりもさらにフレキシブルな基準、例えばNEXCOなどが行っているような直近1時間の雨量が記録的なものとして認められた場合、すぐに路線を閉鎖する。そうした対応を取るような方針はありますか
 佐藤 難しい面もあります。なぜなら大阪府の道路は高速道路とは違って、路線沿いに住む人々にとっては「最後の」生活道路であり避難道路であるからです。安全確保は最優先にしなくてはいけませんが、その判断は難しい面があります。とりわけ平成26年夏の台風のように大阪府全域がその影響下に陥り、代替路線も確保できないような状況下ではますます判断が困難になります。それでも道路を止め、その結果、土砂崩落は起きたが人的被害が出なかったという路線もありました。本当に判断は難しいのですが、空振りでも人命優先で慎重に対応しているところです。
 また道路の土砂崩落対策については、そこがだれの土地なのか上部の民地の問題があります。所有者を見つけるだけでも一苦労で対策は非常に難しい状況です。
 ――最後に保全における新技術・新工法の採用について
 佐藤 トンネル点検においてレーダー3次元測定システムを搭載した走行車両の導入を行っています。
 ――ありがとうございました

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