道路構造物ジャーナルNET

淀川左岸線、府県間道路の整備も着々

大阪府 新名神開通に合わせてアクセス道路整備

大阪府都市整備部
交通道路室
道路整備課長

久保 幸太朗

公開日:2016.01.20

ニーズの高い府県間道路の整備

 ――新名神アクセス道路以外は
 久保 京奈和自動車道へアクセスする南北道路について、大阪府では(和歌山県との)府県間道路の整備で、現在手がけているのは2路線です。1つ目は、国道371号の大阪府河内長野市~和歌山県橋本市を結ぶバイパス道路の建設を進めています。同路線は橋やトンネルなどの構造物が多数存在します。(下MAP参照)

 2つ目は、国道371号の西側に国道480号があり、ここについてもバイパス事業を進めていますが、府県間トンネル区間については、国土交通省が直轄代行事業として建設を行っています。(父鬼バイパスは大阪府事業。鍋谷峠道路は国直轄代行事業)
 大阪府に対する周辺府県の道路ニーズは高く、特に大阪に行く道路のニーズが高い傾向にあります。そのため(府県間道路において)近隣府県側からの整備要望があります。府県間道路は前述の2事業以外にも、大阪府・和歌山県間の道路はありますが、直ぐに改良事業など着手出来る状況ではありません。
 奈良県側は現在、新たなBP事業はありませんが、兵庫県側は1路線、整備の必要な事業があります。兵庫県側の山手幹線は、概成しているものの、大阪府側は現在事業中です。

 ――具体的な構造物について
 久保 大阪府は、池田(豊能地域)、茨木(三島地域)、枚方(北河内)、八尾(中河内)、富田林(南河内)、鳳(泉北)、岸和田(泉南)の7土木事務所に分かれて、それぞれの道路事業を所管しています。主な構造物の建設を行っている5事務所の紹介をします。


道路・街路事業一覧

曲線半径の小さな鋼9径間連続鋼床版箱桁の建設

 ――ではまず、池田土木事務所管内から
 久保 新名神高速道路への直結ランプとして国道423号の整備が進められています。箕面グリーンロードは大阪府道路公社が直近まで整備を完了しており、府は新名神とグリーンロードとの直結ランプを整備しています。橋梁は(仮称)箕面IC付近に建設されるFランプ橋と、余野川渡河部に架橋されるGランプ橋があります。Fランプ橋は非常に小さなR(曲率半径50㍍)を有しており、鋼9径間連続箱桁(橋長422.5㍍)で、NEXCO西日本に委託して工事を進めています。Gランプ橋(鋼単純非合成箱桁、39㍍)は今後発注予定です。


(仮称)箕面ICの平面図

名神、JR、阪急を跨いでアクセス
 6橋を予定、全長は1㌔弱

 ――茨木土木事務所管内は
 久保 (仮称)高槻ICへのアクセス道路である伏見柳谷高槻線(高槻東道路)を建設中です。(仮称)高槻ICから交差道路やJR東海道本線などを跨ぎ国道171号に接続する延長3.3㌔の道路事業です。橋梁部は918.8㍍を占めます。道路線形を大きく東に振っているのは現道の一部を活用することができるためです。都市計画道路として現道を使わずに南に突っ切って国道171号に接続する案もあるのですが、(距離的には短くなる一方で)市街地に道路を作ることになるため、道路の地下化を勘案せねばならず、当該地域の市民にも納得してもらう時間が必要であること、コストも高くなること、何よりも平成28年度の新名神供用に間に合わせる必要があることから、現在の計画になりました。新名神関連事業建設事業所は平成19年度に設立し工事を進めています。


高槻東道路平面図

 橋梁は6橋を予定していますが、現道の伏見柳谷高槻線を跨ぐ橋梁が2橋あるほか、JR東海道本線、名神高速道路、阪急京都線などを跨ぐ橋梁があります。名神高速道路に沿って拡幅しつつ、山から平野に下りるように橋梁を建設する構造になっています。橋梁は全て(スパン割や架設を考慮して)鋼桁としています。


五領高架橋の下部工(左)/同橋上部工(右)

 防食方法は府道と名神高速道路を跨ぐ橋梁は重防食塗装、JRおよび阪急を跨ぐ橋梁は耐候性鋼材を使用しています。JRおよび阪急などの鉄道を跨ぐ橋梁は塗り替えの不要なメンテナンスフリーを考慮し耐候性鋼材を採用していますが、NEXCO西日本からは、錆汁の落下の可能性を指摘され、塗装仕様となりました。府道でも特に山に近い凍結防止剤を散布する可能性のある個所では適用にあたっては注意しています。

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