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保全は床版の疲労損傷、塩害対策などが主

千葉県 北千葉道路、妙典橋などまだまだ盛んな道路建設

千葉県
県土整備部長

永田 健

公開日:2015.09.16

50年以上経過橋梁は2割強
 50年経過トンネルは3分の1弱

 ――次に保全ですが、現在の管内橋梁・トンネルの内訳は
 永田 県が管理している橋梁は全体で2,146橋あります。橋種別では鋼橋が524橋、コンクリート橋が977橋、ボックスカルバートは621橋、その他24橋となっています。


千葉県の橋梁・トンネル維持管理状況

 供用年次別では、50年以上経過している橋梁が442橋(20.6%)に達しています。30年以上経過している橋梁は1,400橋(全体の3分の2弱)あり、架設年次が分からない橋梁も237橋あります。こうした老朽化する橋梁について対策をしていく必要があります。
 また、延長別では15㍍未満が1,302橋ありますが、15㍍以上も844橋に達します。
 県が管理するトンネルは全体で136カ所あり、工種別はNATMが14、在来矢板工法が107です。供用年次別は50年以上経過が47個所と全体の3分の1弱を占め、31年以上50年未満が62個所あり、合わせると8割近くに達します。トンネルの老朽化の進捗は全国より10年程度速い状況です。延長別は100㍍以上が69個所と過半を占めます。

疲労損傷が多いRC床版
 沿岸部では塩害による損傷が顕著

 ――点検を進めてみて見えてきた構造物の劣化状況について詳しく答えてください
 永田 損傷の特徴としては、県北の都市部は交通量が多くRC床版の疲労による損傷が多く見られます。県境の橋については鋼橋が多いのですがここでもRC床版に疲労損傷が多く見られます。沿岸部のコンクリート橋については塩害が顕著にみられています。また、県内全域でRC床版の2方向ひび割れが発生しています。
 橋種別、部位ごとの損傷としては、鋼橋の主桁には腐食や防食機能の劣化、コンクリート橋の主桁には剥離や鉄筋露出が多く見られます。また、鋼橋のRC床版にはひび割れや漏水、遊離石灰の発生が多く見られます。鋼製支承についても腐食や防食機能の劣化が発生しています。



橋梁の損傷事例

 平成22年に策定した「千葉県橋梁長寿命化修繕計画」では長寿命化修繕計画の対象となる15㍍以上の橋梁など(776橋)の主な部材(鋼橋の主桁とRC床版、コンクリート橋の主桁、下部工、鋼製支承)について、径間ごとの点検結果を損傷種類と損傷程度により整理しました。
 その結果分かったのは、鋼橋の主桁については腐食が約40%の径間で発生していたこと、防食機能の劣化に至っては約60%の径間で発生していたことです。これは修繕費用の実に3割を占めます。損傷要因としてはやはりジョイントの排水機能の劣化や床版のひび割れ部から供給される漏水が排水管などを伝って下フランジ上面やウェブに損傷を与えていることなどが散見されています。「腐食」の中には断面欠損など劣化の著しい径間もありましたが、それらについてはすでに当て板などによって補修を完了しています。鋼製支承も同様の傾向が見られました。
 鋼橋のRC床版は床版のひび割れが約50%、剥離・鉄筋露出(一部打設時の被り不足)が約35%(鉄筋露出は約30%)、漏水・遊離石灰が約50%の径間でそれぞれ発生していました。床版ひび割れのうち2方向以上のひび割れは約14%の径間で発生していました。これらは主に疲労が原因であると考えています。
 コンクリート橋の主桁ではひび割れが約18%、剥離・鉄筋露出(一部打設時の被り不足)が約30%、漏水・遊離石灰が約15%の径間で損傷が発生していました。これは主に塩害や施工時の被り不足によるものと考えられます。ポステンT桁が多く、後打ちコンクリートの部分などに損傷が顕著です。
 下部工は、ひび割れが約50%、剥離・鉄筋露出(一部打設時の被り不足)が約20%(鉄筋露出は約15%)、漏水・遊離石灰が約25%の基数で発生していました。鉄筋露出は塩害と中性化によるものが大きいと考えています。

平成10年以降に床版防水を標準化

 ――床版のひび割れは主に疲労によるものとされていますが、舗装上から供給された漏水がすり磨き現象などにより損傷を急速に進めることも知られています。千葉県は床版防水の敷設状況を把握していますか。また疲労が主因ということであれば防水工も耐久性の高いものが必要と思われますが
 永田 全体的には把握していません。但し、平成10年以降に建設した橋梁については床版防水を標準施工しています。それ以前に架設された橋梁においても、橋面舗装の更新の際に床版防水を行っています。床版防水については施工性・経済性・耐久性を考慮し、塗布系またはシート系を採用しています。NEXCOで採用している高性能床版防水の採用については、橋梁修繕工事で今後検討していきたいと考えております。
 ――塩害による損傷はどのような環境で発生していますか。また、ASR(アルカリシリカ反応による骨材膨張)による劣化損傷はありませんか
 永田 塩害は外房を中心に主に沿岸部の橋梁で多く発生しています。損傷状況は先に話したとおりですが、特にPC橋ではPC鋼材の腐食も発生しています。
 鋼橋は主に塗り替え、コンクリート橋は断面修復が主ですが外部電源方式による電気防食(例:国道128号勝浦大橋、一般県道愛宕山公園線 名洗橋)や表面被覆(シラン系含浸材)、脱塩工法(例:国道128号 内浦橋)を実施している橋梁もあります。また、PC鋼材が部分的に破断している場合は外ケーブルによる補強も行っています。
 ASRにより劣化が進行し、対策を実施している事例はありません。

27年度は40橋で修繕対策を実施

 ――修繕計画の進捗状況は
 永田 橋梁長寿命化修繕計画で対策が必要な橋梁は458橋となり、緊急な対応が必要な68橋については平成26年度までに修繕を完了しました。平成27年度は、早期の修繕が必要な橋梁231橋のうち40橋について対策を進めていきます。
 ――同様にトンネルについては
 永田 点検の結果、早急に対応が必要なものはありませんでした。損傷としては浮き・剥離、漏水などが確認されています。

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