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有明海沿岸道路が進捗、架替え3橋など事業目白押し

福岡国道事務所 いよいよ筑後川橋、早津江川橋に着手

国土交通省 
九州地方整備局
福岡国道事務所長

横峯 正二

公開日:2015.08.01

香椎高架橋は参道の並木に配慮
 参道付近であるため高欄デザインにも配慮

 ――架替え以外は
 横峯 まず国道3号博多バイパスは、平成29年度の全線開通に向けて工事を推進しています。現在は全体計画7.7㌔のうち4.4㌔を開通済みで、福岡市東区下原~松崎間3.3㌔の工事を進めています。平成27年度は構造物の詳細設計、改良工事、橋梁工事を進めていきます。
 ――主な構造物の進捗状況は
 横峯 今年度は香椎駅東橋(99㍍、PC3径間連続場所打ち中空床版橋)の上り線と香椎高架橋(96㍍、PC3径間連結ポステンプレキャストブロック工法中空床版橋)の上・下部工を施工します。
 ――香椎高架橋については香椎宮の参道付近を通ることになり、参道の並木に対して特別な配慮を必要とした記憶があります
 横峯 その通りで、参道付近の橋梁工事に際しては、並木(クスノキ)の移植をせずに、一部の枝を(工事の妨げにならないよう)最小限の範囲で剪定させていただき高架下に残す計画としています。また、鳥の営巣および糞害の助長が考えられるため充実断面にしています。これにより桁高も抑えられ、景観的な圧迫感もなくすことができています。さらに参道を跨ぐ部分の高欄は景観と調和したデザインを計画することで、通過するドライバーに香椎宮付近を走っているということを認識してもらおうと考えています。


香椎駅東橋(上り線)の施工状況

香椎高架橋の施工状況

徳益IC~柳川西IC間はH29年度開通
 筑後川橋・早津江川橋は上・下部工を発注へ

 ――有明海沿岸道路は
 横峯 これまでに、自動車専用道路部分は三池港IC~徳益IC間と柳川西IC~大川東IC間の約19㌔が開通しています。現在は、徳益IC~柳川西IC間4.5㌔について、平成29年度開通を目指して工事を推進しています。同区間はすでに下部工の施工が完了しており、現在は上部工および床版工の工事を進めています。


徳益IC~柳川西IC間4.5㌔の進捗状況

床版の工事が進む


下部工は完了している

沖端高架橋のP7橋脚では出水期施工も行われた(左写真は施工時、右のようにすでに完成)

徳益高架橋の上部工架設

沖端高架橋

柳川高架橋の上部工架設

大川高架橋の下部工施工

 また、大川東ICから筑後川、早津江川を渡って諸富IC間についても調査設計、用地買収、自動車専用道路の工事を進めていきます。この中で、筑後川橋の渡河部(鋼4径間連続中路式アーチ橋)については、デ・レイケ導流堤上に構築するP6橋脚工事に着手しました。主径間部上部工も平成27年度内に発注する予定です。現在はデ・レイケ導流堤の当該部の調査・解体を進めています。また、早津江川橋についても一部の下部工工事および渡河部(鋼4径間連続中路式アーチ橋)の上部工を発注する予定です。
 デ・レイケ導流堤は、建設当時の設計図面が無いことから、構造を調査しつつ慎重に解体していきます(後述)。また、本線の三池港ICが冠水地帯にあり、高潮で水没する可能性があるため、高潮対策の堤防ができている熊本県側の延長部分にランプを変更する事業に着手します。さらに有明海沿岸道路は、当初部分的な開通時(約9㌔)には約1万台通っていましたが、現在は2万台超と倍増しており、4車線化も必要なほどの交通量となっています。

橋梁部は地質条件に応じた杭基礎を選定
 盛土部は主に浅層混合処理工+深層混合処理工

 ――同地は全体的に軟弱地盤ですが、その対応は
 横峯 橋梁部は、地質条件に応じた杭基礎を選定したうえで、橋梁位置での支持地盤の深さに応じて、支持杭と摩擦杭とを選定しています。具体的には、徳益IC~柳川西IC間については、基本的にφ1,000~1,500㍉径の場所打杭を採用しています。また、大川連続高架橋については鋼管ソイルセメント杭を採用しています。
 盛土部においても、地質条件や一般道路等への影響を考慮し、浅層混合処理工+概ね10㍍程度の深層混合処理工を採用しています。
 ――供用路線は特に橋梁・高架の取り合い部でどうしても沈下などにより路面そのものが沈みこむ現象が生じています
 横峯 これは地盤条件から総合的に判断し、沈下を許容しており、走行する車両に影響を与えないよう今後も状況に応じてオーバーレイ等の維持・補修を行っていきます。
 ――橋脚によっては梁が非常に幅広のものがあります
 横峯 インター部で本線とランプが合流する部分の橋脚は、梁が30㍍に達する箇所があります。そうした橋脚の梁はPCケーブルで横締めしています。


幅広の梁はPCケーブルで横締め

今宿道路 有田中央~真方間3㌔の一般道路部を施工
 鳥栖久留米道路 筑後川橋が佳境

 ――西九州自動車道路の今宿道路事業は
 横峯 現在、計画23.3㌔中、14.5㌔の自動車専用道路が完成しています。自動車専用道路部は国土交通省と福岡県道路公社との合併施工で整備を行い、同公社が管理しています。また、一般道路部は、有田中央~真方間3㌔が未だ整備されていません。それを平成30年度までに完成させ、一般道路部の全線を開通することとしています。そのため、今年度は用地買収、改良工事を進めていきます。
 ――構造物は
 横峯 ほとんどが切土・盛土の計画です。橋梁は多久川橋(11㍍、PC単純プレテン床版橋)を予定しています。
 ――国道3号鳥栖久留米道路は
 横峯 現在、鳥栖から久留米市内に入る国道3号は片側1車線しかありません。また、3号と210号が分岐する筑後川渡河部付近の交差点や西鉄久留米駅付近の交差点は飽和状態になっています。そのような状況を改善するため、福岡県や久留米市とともに環状道路機能を形作る道路の整備を行っています。このうち県・市が整備を進めていた環状道路の南側部分(都市計画道路東合川野伏間線:国道210号との接続部から九州道久留米ICを経て国道209号との接続部まで)は完成しています。国土交通省は北側の国道3号との接続部から久留米ICとの接続部間4.5㌔を担当しています。


鳥栖久留米道路の筑後川橋架設状況

 ――構造物の進捗状況は
 横峯 筑後川渡河部で、筑後川橋(393㍍、鋼5径間連続非合成箱桁橋)の上部工の架設を進めています。現在、5径間中3径間の架設を完了しており、今年の10月から残り2径間の送り出し架設を行う予定です。また西鉄甘木線の跨線橋も今年度下部工を施工します。
 ――国道210号浮羽バイパスは
 横峯 久留米市~うきは市間のバイパス道路として整備しており、事業延長14㌔のうち12.9㌔を2車線で開通しています。起点側の残り1.1㌔について、今年度は用地調査などを進めていきます。

八丁峠道路本年度からトンネル掘削開始
 福岡国道分は1.1㌔

 ――国道322号八丁峠道路は
 横峯 福岡県からの権限代行として進めている事業で、八丁峠付近(嘉麻市から朝倉市)の冬季における積雪や路面凍結による通行規制の解消および線形改良のため、長大な八丁峠トンネル(3,791㍍)を整備するものです。同事業は北九州国道事務所と当事務所で分割施工しておりまして、当事務所は事業延長4.5㌔中、朝倉市側の2.2㌔を担当しています。今年度は改良工事を進めるとともにトンネルの掘削(福岡国道所管の掘削延長は1.1㌔)を開始します。なお嘉麻市側のトンネルの掘削は完了しています。

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