道路構造物ジャーナルNET

浜坂道路などで工事を推進

兵庫県 高速道六基幹軸の整備を促進

兵庫県
県土整備部 土木局
前 道路街路課長(現 道路企画課長)

門間 俊幸 氏

公開日:2015.05.01

平面線形がタイトで拡幅橋かつ斜橋
 大庭大橋――慎重な施工が必要

 ――特徴的な構造物は
 門間 大庭大橋は浜坂IC(仮称)のすぐ東側にあり拡幅橋で、かつ、斜橋であることからキャンバーに気をつけた施工をしなくてはいけません。具体的には、桁下を流れる岸田川の流れを阻害しないように橋軸方向に対して橋脚が斜めになっています(斜橋)。また、浜坂ICに向かって橋の幅員が変化していく拡幅橋でもあります。このような橋を張り出し工法で架設するのは全国的にも珍しくなっています。
 課題としては、まず①キャンバーを考慮した施工管理が必要になることです。とりわけ本橋の特徴として2つの橋脚から張り出す桁は長さも幅員も異なるため、放置すれば両側のたわみが異なり、中央の結合部に大きな段違いが発生してしまいます。次に②本橋は橋脚の左右で重量が異なり、かつ、斜橋のため、応力状態が複雑で難度の高い橋梁です。このため、張り出し架設においては、施工前に詳細な解析で各施工状態での挙動を予測し、現場で特別な方法を用いたたわみ管理が必要であるとともに、複雑な応力が発生することによるコンクリートのひび割れを抑制するよう適切な補強を行う必要――があります。
 ――具体的な対策は
 門間 ①については各ステップにおいてたわみ量を考慮して上げ越し施工しています。中央閉合部のたわみ差解消のためにあらかじめウエイトを置き、左右の高さを微調整した後に、打設したPC桁に見合うウエイトを順次除荷していくことで架設後に不要な応力が発生することを防ぎ、コンクリートにひび割れが発生する危険性を低くします。
 ②については工事段階ごとの荷重計算を行って左右のバランスをとった施工計画を立てるとともに、3次元モデル解析やFEM解析を用いて橋の挙動を詳細に把握します。さらに施工時には特殊な測量機械を用いてたわみの観測や出来方管理を行い、結果を架設計画にフィードバックします。

合理化トラス橋+サンドイッチ床版
 長谷橋――鋼重を2割軽量化、防食方法も様々に工夫

 ――次に長谷(ながたに)橋については
 門間 橋長94㍍の鋼単純合理化トラス橋です。合理化トラス橋+サンドイッチ床版を用いたところが特徴です。サンドイッチ床版を使用して合成桁化することで縦、横桁、上横構の本数を減らしていることも特徴です。その結果鋼重を当初の420㌧から340㌧に少なくすることができ、すっきりとした橋梁にすることができました。
 また、サンドイッチ床版はプレキャストパネルを配置していき、コンクリートを流し込むだけで施工できるので、本橋が谷部に立地していることを考えると、従来の現場打ちコンクリート床版と比較してスムーズに施工することができます。県では今回初めて施工します。


 サンドイッチ床版を用いることですっきりとした形状に

                                  長谷橋側面図

                                   長谷橋平面図

 ――鋼橋・コンクリート橋問わず、防食などLCC縮減の手法について対策していることがあれば
 門間 大庭大橋ではコンクリート膨張剤を採用しているほか、躯体内部の温度低減を目的としてパイプクーリングによるコンクリートのひび割れ抑制を図っています。また、コンクリートが適切に充填できるよう高強度鉄筋(SD495)を採用し、鉄筋径を細くしています。
 長谷橋では耐候性鋼材および安定さびの促進剤を採用していますが、さらに凍結防止材の飛散に配慮して桁端部の防食下地に金属溶射を施工した上で塗装しています。下弦材はニッケル系高耐候性鋼材を採用し、なおかつ下弦材の格点付近にはC-5系の重防食塗装を施します。支承のソールプレートにテーパー加工を施すことで疲労亀裂を抑制する手法を採用しています。また、沓座そのものに角度をつけて水を流れやすくすることで、桁端部から供給される水の滞留を抑制し、劣化要因を排除しています。排水管には塩害に強い高気密ステンレス製品を採用し長期耐久性を向上させています。
 また、久斗大橋ではPCのグラウト材に、標準の高粘性型グラウト材に比べて、流動性が約3倍向上する超低粘性グラウトを採用しています。横組コンクリートには、低添加型コンクリート用膨張材を添加することで乾燥収縮量の低減を図っています。
 ――トンネルは
 門間 対田第1・2トンネルは、中流動コンクリートおよび高機能AE減水剤による配合の工夫を行っているほか、天端引き抜きバイブレータおよび型枠バイブレータにより確実にコンクリートを充填するようにしています。保温保湿養生シートによってコンクリートの品質向上に努めるほか、締固充填検知システムを用いた充填確認も行っています。施工後には電磁波レーダー探査による覆工厚測定を行い背面空洞を調査し、また、ひび割れ計測システムによるひび割れ調査を行い、初期欠陥個所を補修した上で供用します。
 西蒲田トンネルは、背面平滑型覆工ライニングシステムを採用し、覆工コンクリートと地山との密着性を向上させます。また、セントル養生バルーンによる材齢28日までの継続した養生の実施や三次元レーザースキャナによる施工段階ごとの出来型管理などを行っています。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム