道路構造物ジャーナルNET

新たな良きパートナーを得て、さらに国民の安全・安心に寄与

宮地エンジニアリンググループ株式会社
代表取締役社長

青田 重利

公開日:2014.12.10

保全への対応力
FRPなど独自技術にアドバンテージ

 青田 昨年4月には保全事業部を立ち上げJRを中心に順調に推移しています。保全工事には、橋梁工場の操業にはほとんど寄与しない現場が主体の工事や、鋼床版の疲労に代表されるようなファブのノウハウが必要な工事などもあり、幅広い技術力や施工能力が求められます。ファブの旧宮地鐵工所とエンジニアリングの旧宮地建設工業の合併によりほとんどの保全工事に対応できるのが当社の強みであり、さらなるコスト競争力を高める施策と保全関連商品の開発も行っており、更なる利益率の向上に努めていきたい。また、他社にない技術アドバンテージとしては、FRP製の検査路や合成床版、桁を腐食から守る防護板等の商品を開発・販売し、軽く・塩害に強い素材が買われて、新設工事でも保全工事でも年々採用実績が増加しています。また、新規事業の太陽光発電設備にも軽量で錆びないFRP製の架台を採用するなど、FRPを使用した新商品の開発にも注力しています。今後は同じ商品でもFRP以外の素材を使用した商品も開発し、客先の多様なニ-ズに応えていく同商品多様化に取り組んで行きたいと考えています。


  (左)泊大橋FRP上部工検査路(沖縄総合事務局)      (右)熊坂橋FRP下部工検査路(NEXCO中日本)

「三菱」の技術を合わせ多角化図る
 鋼製セグメント、沿岸構造物

 ――三菱重工鉄構エンジニアリングをグループ化する狙いは
 青田 今後、さらに取り組まなければならないのが主力の鋼構造物の多角化です。
 鋼製セグメントや沈埋函といった分野は当社も実績を有していますが、今後は橋梁に続く柱としてこの分野にもしっかり対応していかなければならない事業環境であると認識しています。 
 特に鋼製セグメントは今後相当量の需要が見込まれます。今回、三菱重工鉄構エンジニアリングの株式51%を取得する狙いの一つもここにあります。(エム・エム・ブリッジに商号変更予定)同社は鋼製セグメントや沈埋函、加えてハイブリッドケーソンや浮体構造物などの沿岸構造物の技術や実績を数多く有しており、今後は当社においても鋼構造物の多角化を進めていきたいと考えています。
 また、調達、設計、製作、建設、機材などのあらゆる分野で、同社グループ化によるシナジーを最大化できるように、協力のあり方を今後両社で定量的に検証していきます。特に、オリンピック後の事業環境が不確実であることを踏まえると、機材、建設などの分野での固定費の変動費化で相当のコスト低減・縮減が可能であり、提携合意のシナジーは大変大きいと考えています。
 ――エム・エムブリッジの商号は
 青田 二つのエムは宮地とMHIのエムを指します。もはやブランドで仕事をする時代ではありません。事業環境の厳しさが今回のアライアンスの背中を押しました。宮地鐵工所と宮地建設工業の合併がそうであったように、社名も含めて過去をリセットし、社員一人一人が知恵と汗を絞って存在感のある会社に育て上げよう、という強い意志を持つことを願って決めました。


(左)宮山高架橋(関東地方整備局)H22年(三菱・宮地・新日鐵JV)、(右)町田立体(関東地方整備局)H21年(宮地・三菱JV)

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