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インタビュー詳細

観光客に歴史的名所をスムーズに回ってもらいたい

奈良県 国道168、169号のアンカールートを整備

奈良県
県土マネジメント部長
山田 哲也 氏

168号辻堂バイパスが今年3月に全線供用

 天ノ川大橋、夢翔大橋などの特殊長大橋を建設

 ――進捗中の事業路線の目的と概要、現況について

 山田 先ほど申し上げた通り、国道168号、169号の改良事業を中心に整備を進めています。

施工中の主な橋梁・トンネル

 構造物を伴う大規模な事業としては国道168号辻堂バイパスがありましたが、2018年3月に全線供用しました。

 五條市大塔町宇井~小代間4.1kmのバイパス事業で、トンネルが25%、橋梁43%と構造物比率の非常に高い道路事業でした。同事業では堂平大橋(橋長376m、PC6径間連続箱桁橋)、天ノ川大橋(162m、スパンドレルブレースドアーチ(上路式トラスドランガー))、夢翔大橋(290m、PC3径間連続エクストラドーズド)などの長大橋を建設しました。

 天ノ川大橋では、バックヤードが不足していたため、側径間でクレーンベントによる架設、中央径間でケーブルクレーンを用いた片持ち張り出し(タイバック)架設工法を採用して施工しています。同橋は、LCCを考慮して耐候性鋼材を採用しています。

アプローチ橋の猿谷大橋と天ノ川大橋/建設中の天ノ川大橋

供用後の天ノ川大橋。美しいが耐候性鋼材の点検には留意が必要だ

 ――天ノ川大橋では凍結防止剤を撒かないのですか

 山田 撒きます。

 ――谷から吹きあがる風などはありませんか

 山田 可能性はあります。ある程度、錆の状態を監視していくことが必要かもしれません。

 ――夢翔大橋の特徴は

 山田 同橋では高強度コンクリートを採用することで部材寸法をコンパクト化し、地形の改変を最小限とし、県道高野辻堂線との干渉を避けました。また、高強度コンクリートを採用することで上部工重量の軽量化も図っています。


施工中の夢翔大橋


国道168号阪本工区 (仮称)新阪本橋は鋼下路式ローゼ

 新天辻工区では4.9kmの長大トンネルを建設予定

 ――国道168号阪本工区は

 山田 辻堂バイパスの北側に隣接する五條市大塔町小代~阪本間1.4kmが対象で、構造物比率はトンネルが64%と大半を占め、橋梁は8%ほどとなっています。

 橋梁は(仮称)新阪本橋(橋長106m、鋼下路式ローゼ桁橋)を発注する予定です。H30年度は上部工を発注予定です。現在はH29年度に発注の下部工(A1橋台)を施工中です。A2橋台は水位が低下する10月より工事を再開予定です。現在は同橋の取り合い部の施工を行っています。また(仮称)阪本トンネル(899m、NATM、設計済み)も予定しています。


新阪本橋(A1橋台)

同A2橋台

 ――同様に国道169号高取バイパスの進捗状況は

 山田 高取町兵庫~清水谷間の3.4kmのバイパス事業で、構造物比率はトンネルが1基(19%)、橋梁が4橋(22%)となっています。北側の1.4kmは暫定2車線で供用しており、現在、清水谷トンネル(635m)を施工中で、今年度中に、函渠工事(82m)も着手する予定です。代表的な構造物は、松山高架橋(橋長343m、鋼8径間連続非合成I桁橋、平成26年完成)などがあります。

清水谷トンネルの施工状況

 ――同様に国道169号御所高取バイパスの進捗状況は

 山田 御所市本馬~高取町兵庫間の3.4kmのバイパス事業で、構造物比率は橋梁が2橋(1%)となっており、現在、都市計画決定に向け、関係機関協議等を行っています。

 ――新規採択された国道168号新天辻工区について、構造物予定を教えてください

 山田 今年度新規事業化された国道168号の奈良県五條市大塔町阪本~西吉野町阪巻間延長 7.2kmに建設が予定されているバイパス道路です。同区間は現道でも新天辻トンネル(1959年8月完成、1,174m)がありますが、4.9kmの新規トンネルを中心とするバイパス道路を建設しようというものです。

新天辻工区(奈良県報道発表資料より)

 構造物は、トンネル3箇所(第1号トンネル:約260m、第2号トンネル:約1,088m、第3号トンネル:4,969m)、橋梁3箇所(第1号橋梁:約34mを、第2号橋梁:約102m、第3号橋梁:約443m)を予定しています。

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