道路構造物ジャーナルNET

新橋は橋長約360mの鋼2径間連続アーチ橋を採用

岐阜国道 川島大橋上部工の撤去が完了 架設桁を用いて既設桁を撤去

公開日:2023.04.14

木曽川の澪筋 P4橋脚のある右岸側に寄りやすい特徴
 A1橋台は将来の堤防断面を考慮した位置まで約15m引く

新設橋
 新設橋の建設に当たっては、今次の被災原因を見極め、被災に強い新橋を建設するため、川島大橋復旧方法検討会を立ち上げて検討を進めた。4回にわたる検討会の中でポイントになったのが、既設橋P4橋脚の洗堀メカニズムを踏まえた対応である。


川島大橋の澪筋の変化

 木曽川の澪筋は蛇行しているが、川島大橋周辺の地形特性から、長年の流れの作用で澪筋がP4橋脚のある右岸側に寄りやすい特徴を有していた。また、被災時の3,000m3/sという流量が継続的に流れる状況がちょうどP4橋脚の周辺の局所洗掘が最大となりうる状態であった。さらには、洪水の終盤の流量の減少が速く、通常の場合に生じる洪水の後半に上流から土砂が運ばれて洗掘孔が埋め戻される作用が働かなかった。このような河道内の地形・水量・水の流れ方などを考察した結果、P4橋脚が洗掘されたままの状態で洪水が収まったことにより、P4橋脚基礎のケーソンが支えを失い、洗掘が激しい上流側に傾いてしまったものと推測された。また、岐阜県が過去に調査した時点で軟弱地盤の可能性が確認されたため、今回の架替えに当たって軟弱地盤の広がりを調査するため追加ボーリング調査を行った。この結果、軟弱地盤とされた砂層は、薄く広がっているだけという事が確認できたため、その僅か下の砂礫層(洪積層)を支持層として計画することとし、基礎の支持層の深さは、ボーリング孔口よりP1橋脚がGL-21m、A1橋台がGL-29m、A2橋台がGL-24m程度となっている。


新橋の設計条件/計画支持層

 これらを総合的に勘案した結果、被災原因の除去の観点から澪筋がある部分には橋脚を設置しない方針で進め、既設のP4橋脚のあった澪筋部には橋脚を設置しないことにした。
 また、A1橋台については、現道接続、周辺影響、将来の河川堤防位置や高さを想定した結果、将来の堤防断面を考慮した位置まで約15m引くこととなった。A2橋台については、現道位置も堤防位置も変わらないことから、ほぼ同じ箇所に設置することとなった。また、河川内の橋脚については、施工が非出水期に限られるなど、制約条件があるため、早期復旧の観点からできるだけ基数を少なくすることが求められた。

 その結果、新橋は橋長約360m、有効幅員9m(車道部6m、歩道部3m)の鋼2径間連続アーチ橋(補剛桁は鋼箱桁)を採用した。橋脚は壁式橋脚、橋台は逆T式とした。下部工は新橋の径間や規模、又、現行の道路構造令に合わせて設計するためいずれも既設橋に比較して大きくなる予定だ。

新設アーチ橋の桁高は約20m 景観に配慮して桁高を抑える
 P1橋脚 最低でも2非出水期での施工が必要

 既設橋のトラス橋からアーチ橋へ変更する過程で工夫しなければいけない大きな点は、まず景観面だ。上部工桁高は既設橋の7.8mに比較して、新設アーチ橋は約20mと約3倍になるが、これでもアーチライズを抑えている。その目安になったのが、A1側にある施設、川島会館の高さで、これを超えないようにして、地域の景観に悪影響を与えないようにした。アーチ橋は厳密にいうと鋼ローゼ桁橋で、左右2本の上弦材を鉛直材で支持し、上弦材どうしは支点部の横梁および中間の横支材で繋ぐ構造としている。端支点部の桁高を下げるため高強度鋼材を用いる工夫なども検討している。


既設橋と新設橋の構造の違い

イメージパース

一番右の建物が川島会館

 現在はP1橋脚の施工を進めている。P1橋脚については柱部が壁式橋脚で直接基礎(1ロットケーソン基礎)形式を採用しニューマチックケーソン工法による施工を進めている。

 新設P1橋脚の規模について、橋脚柱部は橋軸方向幅5m、橋軸直角方向幅18mの小判断面柱であり、柱部高さは約31mである。橋脚基礎部は、橋軸方向幅16m、橋軸直角方向幅20mの矩形断面とし、直接基礎の高さは3.7m、ケーソン部の高さは2.3mの合計高6mである。直接基礎(1ロットケーソン基礎)の沈設深さはケーソン刃口先端にて27mであり、ケーソン掘削時の有人施工深さと無人化施工深さはそれぞれ21mとその下方の6mを予定している。1非出水期での橋脚施工は難しく、最低でも2非出水期はかかる予定だ。


P1橋脚基礎の施工状況(井手迫瑞樹撮影)

 A1、A2橋台については、逆T式橋台で場所打ち杭基礎(ベノト杭)を予定している。令和4年度非出水期に基礎杭(ベノト杭)までの施工を行い、躯体の構築は令和5年度の非出水期に引き続き施工を行う予定。A1橋台側の路面高が今回の計画で上がるため、それに従ってP1の橋脚高も既設橋脚に比べて若干高くなる予定だ。

 上部工架設方法については、河川内にベント設置する工法のため、非出水期のみの施工の河川条件等を踏まえ、河川管理者と協議を進めている。又、架設に必要な施工ヤードの確保についてはA1側の左岸側は現在のヤードを引き続き使用するが、右岸側の施工ヤードについては、現在検討を行っている。

 撤去及び建設の設計は建設技術研究所。
 上部工撤去の元請は三井住友建設鉄構エンジニアリング。下部工撤去の元請はP3が市川工務店、A2が青協建設。A1、P1、P2基礎部、P4基礎部の撤去は未発注。
 新設橋の元請はP1(1期目)が市川工務店。A1及びA2基礎部は市川工務店。上部工製作架設はIHI・瀧上特定建設工事共同企業体。
 一次下請は、上部工撤去工事が杉本工業所(A1~P3間 解体撤去工)、河西運輸(A1~P3間 重機工)、国土(床版撤去工、足場工)、程内工業(A1~P3間 既設高欄撤去、現場吊金具溶接)、オックスジャッキ(A1~P3間 ジャッキ工)、横山基礎工事(仮桟橋工)、KJS(交通誘導)。下部工撤去のうち、A2橋台撤去工事が横山基礎工事(A2橋台撤去)、横建(仮設工・構造物取壊し工)、享栄建工(盛土ヤード整備)、東海カッター興業(舗装版切断)、篠田(付属物撤去工)、国見重機工業(仮設工 クレーン作業)、佐久間組(仮設道路盛土・防水シート)、DB(測量工)、KJS(交通誘導)。

 P1橋脚新設工事の一次下請が、横山基礎工事(鋼管矢板工)、丸十工業(ニューマチックケーソン基礎工(沈下掘削・設備関係))、豊進鉄筋(RC橋脚工 鉄筋工)、横建(RC橋脚工、型枠工、コンクリート打設、掘削工(積込、土砂運搬))、名南電機興業(仮設工仮設電気工事)、コンクリートポンプ(RC橋脚工 コンクリート圧送)、クレーンギフ(仮設工、クレーン作業)。

ご広告掲載についてはこちら

お問い合わせ
当サイト・弊社に関するお問い合わせ、
また更新メール登録会員のお申し込みも下記フォームよりお願い致します
お問い合わせフォーム