道路構造物ジャーナルNET

IHIインフラシステムが現場に最適化した門型床版取替機を設計・運用

NEXCO西日本 中国道川西高架橋 伊丹空港の高さ制限を回避しつつ床版取替

公開日:2022.08.18

70tラフターで組み立てる 機体重量は最大でも60t
 門型架設機はレール上を移動 75mの敷設範囲内は据付け直し不要

 機材は分解してトレーラーないしトラックで小割にして搬入し、70t吊ラフタークレーンで1週間くらいかけて組み立てている。機体重量は最大でも60t程度となっている。すぐ脇を一般車両が通行しているため、初めに柱を寝させた形で、4m程度の高さで組み立てる。 その後、夜間に近接する車線を規制し、門型クレーン上部のフレームをジャッキで押し上げることで、柱を立ち上げ、所定の高さにする。
 クレーン組立てと並行して、各施工箇所の主桁直上の既設床版上には、最初に撤去する箇所を除いて門型架設機を移動させるためのレールを敷き、そのレール上を門型架設機が移動する。
 センターホールジャッキを用いた剥離機で床版を剥がし、吊り上げた後、門型架設機の後方に入ったトラックに載せて、場外に搬出する。そして門型架設機を後方にずらした後、次に撤去する床版の上から不要になったレールを撤去(これも門型架設機を活用する)し、主桁間の床版を撤去するということを繰り返していく。床版を撤去した後の桁直上はワイヤーソーによりジベルごと水平切断し、ガラを撤去した後、上フランジ全面をきれいに研掃していく作業を並行して行う。


既設床版の切断


既設床版の撤去

 各施工区間内の既設床版を完全に撤去し、主桁上フランジ直上の研掃が完了した後は、その上に再度、最初の新設PCaPC床版パネルを架設する部分を除いてレールを敷設(モルトメールなどを設置)し、門型架設機を自走させPCaPC床版パネルを架設、完了後は次に架設する部分のレールを撤去し、新たに架設していくということを繰り返していく。



床版の架設

床版架設後は動きやすいようフレームの長手方向を橋軸方向に旋回させて戻っていき、また運んで架設を繰り返す(井手迫瑞樹撮影)

 つまり本工事においては、75mの範囲は架設機を据え付け直す必要がなく、スムーズに撤去・架設を行うことができる。
 中分部は、その後、上下線の床版取替時に2車線を確保するための車線運用を行わなくてはいけない。そのため、最終的には中分部はセパレートになるが、運用時はその部分をスポンジ材などで埋め、その上に舗装をかけて、車両通行できるように一体化する。また、主桁に想定外の負担が生じないように仮設の横桁を配置する補強も施している。


横桁で補強

床版の撤去・架設期間は延べ2週間程度
 分割床版の縦継目は横締めPC鋼材を使用

 上下線撤去時は、いずれも片方の脚が既に架設された新設PCaPC床版(G4主桁直上)、もう片方が既設RC床版直上に位置することになる。先行する中分側と同じやり方を踏襲すると、両方の脚の長さが変わることになるが、上下線の床版撤去においては、桁間および張り出し部の床版は撤去するものの、門型架設機の脚がかかっている上フランジ直上の床版は撤去せず、新設PCaPC架設時に、該当部分のレールを撤去し、桁上の既設床版残部をワイヤーソーなどで切断・撤去し、上フランジ上面を研掃して、新設床版を架設するということを繰り返していく。


(レールを敷設していた)フランジ上に残った床版コンクリートのワイヤーソーによる切断

 撤去・架設(その後の間詰コンクリート施工以降の工種は除く)にかかる期間は延べ2週間程度ということだ。
 床版間の継手はループ継手を採用している。間詰コンクリートは50Nの早強コンクリートを採用している。分割床版どうしの縦継目は横締めPC鋼材を用いる。


縦横どちらともループ継手を採用している(左、中)/SPジョイント(右)(いずれも井手迫瑞樹撮影)

 4径間ごとにあるジョイント部についてはSP ジョイントを採用した。
 床版防水については、中分部などを除き、高性能床版防水(ここではHQハイブレンAU工法を採用)を施し、本設の舗装を施工している。

 


床版防水工の施工状況


舗装まで完了した状況

 元請は横河ブリッジ・三井住友建設・IHIインフラシステム・奥村組・横河NSエンジニアリングJV。既設床版撤去・PCa床版設置の一次下請は松和工業、成和工業、汐義建設工事、コンクリートコーリング、鎌田メンテナンス、吉川建設工事 。

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