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冬期休止期間外の約7カ月半で施工 塗膜剥離剤は「バイオハクリX-WB」を採用

NEXCO東日本 東北道小坂川橋で約12,000㎡の塗替塗装工事を実施

公開日:2022.07.21

集塵機と送風機により足場内の空気をクリーンに
 外避難通路も設置し2方向の避難経路を確保

 本工事では作業者の環境と安全を守るために、さまざまな対策を行っている。まず、集塵装置をA1側に上下線各1基設置し、A2側に送風機を設置することにより空気流動を確保して足場内の環境をクリーンに保った。ベンジルアルコール中毒などの対策では防護服および送気マスク(剥離剤塗布作業員)、電動ファン付き呼吸用保護具(かき落とし作業員)を使用し、さらに熱中症対策として防護服に冷風を供給するクーレットを装備することで防護服内部を快適な温度に保てるようにしている。また、クリーンルームも上下線各1室を設置した。


A2側に設置した送風機/クリーンルーム(左写真撮影=*)

 火災対策では、非常用昇降階段をA1側とA2側に設置して2方向の避難経路を確保するとともに、朝顔の外側に手摺付の外避難通路を単管で組立てて迂回路として使用できるようにして、足場内のすべての地点から2方向避難を可能とした。同報タイプの熱・煙感知器は全24基を設置、消火器は各1径間に3基および足場外に2基を配置して、不測の事態に備えた。
 また、中段足場の開口部をすべてハッチ付きにして転落防止を図っている。


A2側の非常用昇降階段/外避難通路

火災防止設備配置図

熱・煙感知器の設置、消火器の設置のほかに避難誘導表示を設置して避難経路を明示

採用足場
 足場は、施工性や密閉性などを考慮してSKパネルを採用している。足場側面もSKパネルを使用し、上部の隙間はコンパネで塞いで完全防護としたが、10枚ごとにメッシュタイプのエキスパンドパネルを用いて採光を確保した。塗膜剥離作業と素地調整後はアクリル板に変更することによって、塗装時の照度確保を図る。


採光のためにメッシュタイプのエキスパンドパネルを使用(撮影=*)/足場内部

床版取替工事
 小坂川橋では床版取替工事を2019年秋(下り線)と2020年春(上り線)に実施している。そのため、「端部などからの漏水に悩むことなく施工できるのはメリットがある」(佐野塗工店)とともに、「床版取替と塗替塗装をセットで施工する計画にすることで、橋梁全体のリニューアルを図ることができる」(NEXCO東日本)という。

小坂川橋以外の施工
 同橋以外では、津刈川橋(橋長61.9m、鋼単純箱桁)が2021年度に施工が完了している。塗替面積は、上り線が1,536.9㎡、下り線が1,555.9㎡だった。

津刈川橋の施工

ブラスト作業

素地調整後

下塗り2層目完了後

上塗り完了後

 坂梨橋(上り線58.0m/下り線55.5m、鋼単純合成箱桁)と湯ノ沢橋(上り線38.0m/下り線42.0m、鋼単純合成鈑桁)が2023年度に施工予定となっている。塗替面積は、坂梨橋が上り線1,408.3㎡、下り線1,366.1㎡、湯ノ沢橋が上り線1,369.4㎡、下り線1,700.0㎡だ。

 元請は、佐野塗工店。一次下請けは、津刈川橋が畠山塗装工業(下り線のみ)、小坂川橋がイトウ建材店(上り線)、三浦建装(下り線)。

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