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床版架設前に壁高欄を構築するフルキャスト壁高欄で工程短縮

NEXCO西日本 中国道・大谷橋で半断面床版取替工法を採用

公開日:2020.08.12

1日あたりの床版撤去・架設枚数は3枚
 供用車線に影響を与えないように対策を徹底

既設床版撤去・新設床版架設
 5月15日に車線規制を開始し、路面切削後、既設床版と壁高欄の切断を行った。既設床版はロードカッターを用いて、橋軸方向2m×橋軸直角方向最大4.85m(重量約6.6t)のブロックに切断。壁高欄は既設床版と一体で撤去するため、ワイヤーソーを使用して橋軸直角方向に鉛直切断した。あわせて縦目地部分の切断と撤去も実施している。その後、床版架設機をトレーラーで搬入し、据付を1日で完了させた。


既設床版と壁高欄の切断

縦目地部分の切断と撤去

床版架設機の搬入と据付

 床版取替は、6月3日からA1(美作IC)側からA2(作東IC)側に向けて開始している(完了は6月22日)。施工は昼間のみで、標準的なサイクルは、既設床版を撤去して翌日に搬出、午前10時半頃までに上フランジの研掃と塗装を完了させて、プレキャストPC床版を架設、床版架設機を移動して、新たに既設床版を撤去するというものだった。



既設床版の撤去

上フランジの研掃と塗装

 施工にあたっては、「防護柵がない橋梁区間以外で、供用車線側に万が一にも資機材等が飛び出さないように安全面の配慮を行った」(元請のピーエス三菱)ほか、防護柵に単管を立てて目隠しネットを張って飛来物を防ぐとともに、打設時にはメッシュシートを内側に張る対策を行った。


施工現場の真横を車両が通行するため、安全に最大限の注意を払った(*)

 切断済みの既設床版は油圧ジャッキを用いて桁から剥離後、床版架設機で壁高欄とともに吊り上げ、トラックの荷台上に下ろして搬出をしている。1日あたりの撤去枚数は3枚で、総枚数は55枚だった。
 新設床版のサイズは橋軸方向1.99m×橋軸直角方向4.77m~5m(重量約7t)で厚さは220mm。撤去枚数と同数の1日あたり3枚(合計53枚)を、1枚ごとにトラックの荷台から床版架設機のクレーンで吊上げて架設している。床版を所定位置に配置するためには旋回をする必要があり、「供用車線側に影響が出ないように、架設機のクレーンを供用車線と反対側に寄せて施工した」(ピーエス三菱)という。


新設床版割付図



新設床版の架設

 プレキャストPC床版は、ピー・エス・コンクリートの水島工場で製作した。1期施工と2期施工のパネルを一体化するときに縦目地部形状の精度が良くないと合わなくなるので、高精度の型枠を使用してマッチキャスト並みの高精度型枠となる工夫を行っている。また、1期施工分では地覆立ち上げ部を一体化したうえで壁高欄も工場で製作して、壁高欄付き床版で工場から出荷した。


工場製作の様子

壁高欄を設置した状態で工場から出荷した

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