道路構造物ジャーナルNET

1号羽田線を夜間通行止め 東京モノレールのき電停止時間内に施工

首都高速 大井水管橋のP1~A2を撤去、トラス桁に再架設

公開日:2017.01.16

2.新桁の架設
 新橋は、11月28日深夜~29日未明にかけて単純鋼トラス桁のA2側端部を除く部分を53㍍縦取り、および8.5㍍横取り架設した。施工は撤去時同様、1号羽田線を夜間通行止め(21時~翌朝6時)して施工した。


通行止め時の架設ステップ(首都高速道路提供)

 架設に際して必要な点は、迅速さと安全性の両立だ。施工は一夜間、厳密に言えばモノレールのき電停止期間内の0時半から4時までの間に安全に配慮しつつ送り出さなくてはならない。そのため、軌道装置はアングル材で構台にしっかりと固定するとともに、レールの繋ぎ目も少しの段差も起きないように配慮した。また、施工前日には実際の動作を確認するため桁を実際に載荷して作業構台上で模擬施工も行った。その上で、送り出しに用いるジャッキも予備を2台用意して万全の体制を敷いて施工した。
 縦取り施工は0時半過ぎに開始した。まずA1~P1側の後方台車と中間台車により、毎分1~1.5㍍の速度で縦方向に39㍍送り出し、A2側の工事用道路上にある前方台車に盛替える(中間台車は開放する)。次いでさらに14㍍ほど縦に送り出した後、2時半頃に横取り工程に入った。この際、縦取り設備から横取り設備への盛替えが迅速にできるように、あらかじめ縦取り用移動台車に横取り用のスライドジャッキ、クレビスジャッキ及び軌条を添架させている。縦取り完了後、縦取り用のスライドジャッキのストロークを下げて、移動台車に添架した横取り用のスライドジャッキと軌条を縦取り用の軌条上に降下・固定させ、さらに併設して設置済みの横取り用の軌条と接続・固定した。移動台車に添架させた横取り用のクレビスジャッキを横取り用の軌条に固定し、次いで横取り用のスライドジャッキのストロークを上げて縦取り用スライドジャッキを移動台車から解放させ、3時過ぎに横取りを開始し、3時半前には完了。最後にラッシング及び固定を行い、同50分前には後片付けを残し主な作業を完了した。


盛替え手順の図解①、②(首都高速道路提供)

盛替え手順の図解③(首都高速道路提供)

軌条設備(首都高速道路提供)

陸側の軌条設備(首都高速道路提供)

架設直前のトラス桁(右)とA1~P1の既設桁(井手迫瑞樹撮影)



遠方から見た架設状況。トラス桁がどんどん伸びていく(井手迫瑞樹撮影)

1号羽田線を跨ぎ/陸側の設備に近づく(井手迫瑞樹撮影)

陸側の縦どり設備に到達した桁(首都高速道路提供)

3時過ぎに横取りを開始し/ラッシングなどを施してその日の作業を終えた

ほぼ完成した大井水管橋の架け替え(2016年12月2日、井手迫瑞樹撮影)

 次いで、30日夜には再度夜間通行止めを行い、A2の端部桁と剛結させた長さ80㍍のトラス桁を所定の位置まで降下させ、高速道路の規制を伴う作業を完了させている。架設担当はエム・エムブリッジ。

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