道路構造物ジャーナルNET

鋼床版厚が12㍉の既設橋部

新利根川橋でSFRCを用いて鋼床版を補強

公開日:2015.02.16

 7,400平方㍍を14工区に分けて施工
 施工時の負曲げモーメント

 SFRCの施工にあたってはあらかじめ延長方向に124~125㍍、幅員を半分に分ける形で総和高架橋と合わせて14工区に現場を区分けして、①研掃(1種ケレン)・防錆プライマー塗布、②SFRC打設用型枠・コンクリートフィニッシャー移動用レールの設置、③接着剤塗布、SFRCの打設(①~③は1週間)、④養生(1.5日)を行った。区分けをこのように細かくしたのは、一方向に連続施工した場合、(フィニッシャーの締め固め施工時に)中間支点上に構造的な負曲げモーメントが生じることが予想され、それを防ぐため。また、限られた工期、施工ヤードの中、ショットブラスト、フィニッシャーなど各種機器をラップさせずに効率的に配置することでスムーズな施工を実現し、16日にはほぼ全面積のSFRCの打設を完了している。

 


                           施工平面図

 表層のアスファルト舗装は新利根川橋の大型車交通量の多さを考慮して、表層のわだち掘れを抑制すべく、塑性変形抵抗性、摩擦抵抗性に優れ、とりわけ鋼床版上のたわみ追従性に優れている改質Ⅲ型WF(密粒度アスファルト)を採用した。施工前に表面含水率10%以下を確認してからSFRC上面にアスファルト系接着プライマー(カチコートX)、同系防水層(フレッシュコート)を設置し、その上に舗設した。SFRCとの間に防水層を設けるのは、舗装上から浸入する水(とりわけ冬季は凍結防止剤(塩化ナトリウムなど)を散布するため塩分が含まれる)が、SFRCに生じたひび割れを伝って鋼床版の腐食を惹起しないよう未然に防止するため。もっとも鋼床版上は防錆プライマーを塗布しており、防食面を考慮している。
 施工は鹿島道路(SFRC補強および舗装工など)、IHIインフラ建設(鋼床版の損傷調査、当て板補修)、一次下請はフタミ(WJ、ショットブラスト)など
 工期は2014年9月25日~2015年3月25までの半年間。

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