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―上長房橋床版取替工事―

車線規制による床版取替工事の実施について

公開日:2014.10.16

 最小床版厚の決定は、設計要領第二集 橋梁保全編 7.床版増厚工法に準じて行っており、床版最小厚の照査として、図-5(設計要領抜粋)により、最小必要床版厚d=220㎜ > 現況床版厚170㎜より、現況床版厚より50㎜の増厚が必要との結論を得た。
 図-6に現況床版と改良後の床版断面の計画を示す。
 また、図-7に床版上面増厚部と床版取替部との接続部を示図す。


図-5 増設縦桁の不等沈下を考慮した床版最小厚 図-6 現況床版とPC床版・床版上面増厚の計画断面図

                     図-7 床版上面増厚部と床版取替部の接続

 これに伴い、既設伸縮装置、排水装置の取替または嵩上げと土工区間における舗装の摺付けが必要となる。また、現場打ち床版および間詰めのコンクリートは、材齢24時間で40N/㎜2以上の強度を発現する速硬性混和剤(Facet)のドライミックスタイプを初めて床版に採用した。これにより従来の超速硬コンクリートより安価となり、コストダウンを図った。
 継手鉄筋については、床版厚220㎜に対してループ継手鉄筋を用いると曲げ半径が収まらないこと、省力化を図ること等から、鉄筋端部に鋼製バンドを圧着したエンドバンド継手鉄筋を採用した。また、既設床版と新設PCaPC床版接合部の構造も同様とした。(図-8)


                              図-8 エンドバンドによる継手鉄筋

 現場打ち床版部における1次床版(追越側)は、土日の規制解除時および走行規制時に輪荷重が載ることから、PC鋼棒φ26mm(SBPR930/1080)を使用して仮締めを行うこととし、完成時は他のPCaPC床版と同様、PCより線による緊張とした。
 また、床版取替区間において、標準版(床版厚220㎜)は、PC床版設計・施工マニュアル(案)(平成11年5月)より、コンクリート強度σck=50N/㎜2とした。

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