道路構造物ジャーナルNET

-分かっていますか?何が問題なのか-
第67回 ウルトラファインバブルにチャレンジ!
-諦めるのは何時でもできる、千里の道も一歩から-

これでよいのか専門技術者

(一般財団法人)首都高速道路技術センター
上席研究員

髙木 千太郎

公開日:2023.09.01

「構造上の欠陥」は、対象橋梁が監視、点検、保守が必要
 凍結防止剤に含まれる塩分が耐候性鋼材の腐食進展を早めた

 米国連邦政府道路局(FHWA)は、2021年連邦援助高速道路法案(Moving Ahead for Progress in the 21st Century Act(MAP-21))に従って、2017年5月20日に「高速道路および橋梁の性能指標に関する最終規則」の一部として、「構造上の欠陥」の定義を変更した。そもそも「構造上の欠陥」とは、車両の通行が制限されている、通行止めになっている、または修繕が必要な状態を指している。
 米国で使われている「構造上の欠陥」とは、橋梁が要監視や修繕が必要な要素を抱えていることであり、対象橋梁が崩壊する可能性があることや、安全でないことを意味するものではない。要するに「構造上の欠陥」は、対象橋梁が監視、点検、保守が必要であることを示唆している。

 新たな「構造上の欠陥」の定義では、床版、上部構造、下部構造、暗渠といった主要な構造要素のいずれかが不良、またはそれ以上に悪い状態であると評価された橋梁に分類が限定される。

 全米の道路橋数は、617,000橋と我が国の道路橋数の8.8倍であり、我が国との面積比28.3倍(9,834,000 km²/378,000 km²)から考えると、我が国の管理橋の密度は高いが、抱えている課題は共通、もしくはそれ以上に多い。また、問題の管理橋梁に関する施策としては、米国のほうが道路橋点検・診断、修繕、マネジメントにおいて我が国よりも先行して取り組んではいるが、先にも説明した資料等で明らかなように課題が多く、米国の種々な事例から学び、学んだ教訓をいち早く今後の維持管理やマネジメントに生かすことが重要である。
 また、ピッツバーク市ファーン・ホロー橋崩落事故の原因が不適切なメンテナンス、それも図-7に示すような状態に至る原因、凍結防止剤に含まれる塩分が耐候性鋼材の腐食進展を早めたことを考えると、付着塩分の除去や橋面、伸縮装置及び排水システムに堆積する異物除去を主目的として行う、橋梁洗浄は非常に重要であると私は考える。今回は、公表されたNTSBの追加資料、米国土木学会の専門技術者の提言及び私が調べた結果報告を連載導入編とした。


図-7 著しく腐食し穴が開いた耐候性鋼橋脚:Fern Hollow Bridge

 次に、前回に続き、読者が期待しているウルトラファインバブル水を使った構造物洗浄の続編として、第2回「ウルトラファインバブルにチャレンジ!」を表題に話題提供する。

2.ウルトラファインバブルにチャレンジ!

 前回の話題提供、第1回「ウルトラファインバブルに飛びついた!」は、米国で私の目で見て知った橋梁洗浄(図-8参照)を起点として、私がウルトラファインバブルの効果と環境保護に着眼して手を付けた、ウルトラファインバブルによる構造物洗浄の導入編である。
 米国のメンテナンスは、我が国とは違って荒っぽいが、新たな施策を導入すると決めたら徹底的にやろうとする実行主義的な強い姿勢が感じられる。例えば、今回の話題提供の橋梁洗浄であっても我が国では交通規制無しで洗浄を行うことは考えられないが、米国の場合は全くお構いなし、図-9に示すように交通規制一切無しで施工する。


図-8 道路橋鋼桁洗浄状況:米国/図-9 道路橋支承及び下部工洗浄状況:米国

 橋梁洗浄した後の橋梁を見に行くと、白色となって固結していた凍結防止剤(岩塩等)、塵埃や土砂等は綺麗に除去され、洗浄がメンテナンスには有効であることが明らかであった。このような私自身の経験もあって、先にも示したように、私は我が国においても橋梁洗浄が飛来塩分の多い地域や凍結防止剤散布地域の構造物には確実に機能すると数十年前から考え、関連する取り組みも行っていた。
 ここに示した考えを持つ私は、ウルトラファインバブル(以降、UFB)が鋼部材の塗装外面に付着している飛来塩分、凍結防止剤に含まれる塩分や塵埃・土砂を効果的に除去すると考え、実証実験を行うことにポジティブとなっていた。前回説明したが、私自身、UFB自体を良く理解せずに実証実験を進め、少なくとも私は、UFB水による鋼部材塗装外面を対象とする洗浄が、一般的な水や温水と比較して確実に効果があると思い込んでいたのは事実であり、期待もしていた。

 しかし、UFBに期待した効果は、肝いりで行った第1回実証実験でものの見事に打ち砕かれ、屈辱的な評価をせざるを得ない結果となった。当然、私以外の実証実験に携わったメンバーの総論は、やはり夢のような話には落ちがあり、良く分からないUFBに期待することは無理な話、一日も早く実証実験を中止し、「効果なし」の結論を出すべきとの流れであった。
 それはそれとして、UFBによる洗浄効果は、テレビコマーシャル等でPRしている人の肌や髪であれば一定の効果があり、全くの眉唾の話ではないはずである。もしも、シャワーヘッドに生成装置を組み込み、作り出されるUFBの効果が無いとするならば、消費者庁が動き、テレビや新聞等のコマーシャルは一切なくなるはずである。
 しかし、実証実験を見る限りでは、橋梁洗浄にUFBに期待した効果が発揮できていないことは明らかであり、私は、実証実験を中止するか、進めるかの決断せざるを得ない事態に追い込まれていった。ここまで読まれた読者の多くは、「私がウルトラファインバブルによる洗浄を見限っていたならば、今回の連載、話題提供をするはずが無い。次回にはそれが示されるはず」と結論付けたと考える。

 読者が期待した通り、追い込まれた私の頭の中ではネガティブな考えが頭をもたげ、「誰かのせいにして、責任を回避するのが最善策!」と、それに反する雄々しく凛とした「そんなはずは無い。始める当初そんな安易な気持ちで提案したのではない。チャレンジすべき!」が戦い始めた。そうこうしているうちに、私の頭の中ではUFB水による洗浄にチャレンジが勝ち、何とかならないものかとの考えが優位を占めていった。

2.1 インターネット検索による新たなUFB生成装置を使った取り組み

 追い込まれた私自身、よくよく考えてみると、今回、橋梁洗浄に新たな技術をと考えた最大の理由は私にとって異分野で新技術のUFBである。UFBに私が興味を引かれた原点は、M氏が関係するUFB生成装置の話を私に提供した著名な有識者からの意見では無い。
 私の関心は、UFBが自らの領域である土木とは全く違う化学分野であること、そして、UFBが持つ特別な機能に興味を引かれ、直感的にこれには何かがあると感じたからである。しかも、UFB水の構造物洗浄実証実験を計画したのは私であり、効果検証を実施することで実務へ適用する道筋を示し、実証実験の予算取りを依頼したのも私である。考え直し始めた私は、「今回行った実証実験には大きな誤りがあり、それが理由で一般水との差異が無い結果となったのだ」との考えが頭の中で多くを占めた。そこで私は、前回説明したUFB水による洗浄を一から整理し、基本的な事項を確認することとした。

(1)UFB水と一般水に差異が無いのは何故か?

 一般水による洗浄と石鹸による洗浄の違いは、石鹸の持つ脂質との親和性、脂質をドロップ上に包み込む乳化性、そして最も重要な脂質と水とを混ざりやすくする界面活性剤作用の3つを持つことである。
 石鹸と対比してUFBの洗浄原理は以下である。UFBの洗浄原理は、微小な気泡が微小な汚れ分子表面に付着し、汚れや有害物質を分解・酸化させる効果の高い酸化還元能力と、プラスに帯電している汚れに対してマイナスに帯電しているUFBの吸着作用などがあり、それらを総称する図-10に示す界面活性作用があげられる。


図-10 ファインバブル特有の作用:界面活性作用

 また、UFBは、物体表面に微小な振動や衝撃を与え、汚れや付着物を剥がす効果であるキャビテーション効果も持っている。物体からキャビテーション効果によって剝がされた異物は、バブル周辺の微小な流れや振動によって物体表面からはく離させるナノバブル効果がある。
 以上がUFBの洗浄原理であり、塗装外面等に付着した汚れや塩分を除去する効果は水道水と比較して確実に大きいはずである。
 UFBの持つ効果を活用事例としては、作物の生育や収穫量を向上させたり、病害虫の発生を抑えたりしている農業分野、水質の改善や酸素濃度の維持、魚のストレスの軽減や成長促進などで使われている水関連分野、汚染水に噴霧することで、有機物や窒素・リンなどの除去や分解、悪臭の低減などの効果をあげている環境分野、そして今回話題提供しているUFBに関連する肌や髪に優しく、汚れや菌の付着を防ぐ効果の洗浄分野などがある。

 公開されている資料からUFBの洗浄原理と活用事例を調べれば調べるほど、今回行った洗浄実証実験の結果に大きな疑問が湧く。私は、鋼材塗装面と人の肌の違いはあるが、付着している汚れや塩分に対してUFB原理が機能しないのは、UFB自体に問題があるか、もしくは洗浄方法に問題があるはずと結論付けた。
 そこで第一の疑問点は、私を含め関係者は、M氏が提供した装置Bを通過した洗浄水をUFBが含有していると信頼しきっていたが、それを現地で確かめた訳ではない点にある。ここで、装置Bを通過した水がUFB水かどうかを確かめるには、装置Bを使った検証が必要となるが、M氏は継続研究を辞退しているので確かめることは不可能である。
 そうなると、継続してUFB水による構造物洗浄検証実験を行うには、市場にある他のUFB生成装置が必要となる。そこで私は、困った時に機能するインターネット検索を使ってUFB生成装置を調べることとした。ネット検索すると、なんと社会には、多種多様のUFB生成装置があることが分かった。また、UFBを総称するファインバブル生成方式にも、旋回液流方式(気液混合せん断方式),スタティックミキサー方式,ベンチュリ―方式,キャビテーション方式,加圧溶解方式、界面活性剤添加微細孔式などがあり、その仕組みや特徴等が明らかとなった。表-1にファインバブル生成措置の方式別概要を取り纏めた。


表-1 ファインバブル生成方式と仕組み

 前回もUFB生成装置を表で説明しているが、この表の中で旋回液流方式、加圧溶解方式、界面活性剤添加微細孔式とキャビテーション方式がUFB生成方式に分類される。しかし、どれが確実にUFB水を生成できるか何処にも保証がない。
 種々調べていくうちに私は、既に道路橋やサービスエリアのトイレ等で実績がある西日本高速道路株式会社の所有するUFB生成装置に行き着いた。併せて私は、UFB生成装置を調べる過程で、道路橋にUFB水を使って洗浄する論文が目に留まり、それが西日本高速道路株式会社から投稿された論文であることが分かった。
 論文内容は、道路橋桁端部の腐食に対してUFB水を使った内容が記述され、私が内容を確認する限りかなり信頼度が高いと思った。西日本高速道路株式会社が投稿した論文には、洗浄に使ったUFB生成装置についてもコメントがあった。ここで使われたUFB水生成装置『BUVITAS HYK-32』は、洗浄の成果が得られなかった装置Bとは異なり、UFB生成方式についても明記されており、それは旋回液流方式に区分される装置であった。論文と公開されている資料を基に、生成装置の仕組みを読む限りUFB生成装置として信頼度が高く、実績もあることからチャレンジする価値は十分あると判断した。

(2)性能保証を受けたUFB生成装置による再実験を始める

 さてそこで、肝心のUFB水生成装置『BUVITAS HYK-32』を使ってどのように橋梁洗浄をシステム化して、実証実験を行うかである。私としては、一度失敗しているので、二度目の失敗は許されない。そこで、先に示した実績のあるUFB水生成装置の入手方法検討に入った。確かに、UFB水生成装置を所有する西日本高速道路株式会社に問い合わせれば良いが、第四四半期で年度末、短期間にUFB水生成装置を取得するには時間制約等が多すぎる。しかし、躊躇していると時間ばかりが過ぎるので、何とかならぬものかと西日本高速道路株式会社本社に問いあわせたところ、2日後に何とか担当者にたどり着き連絡が取れ、私のUFB装置に関する趣旨と希望を伝えた。

 しかし、肝心の担当者から私への連絡は直ぐに来ず、私が考えていたUFB生成装置選定期限が間近に迫り、私の心は焦るが、ことは進まず、1週間が経過していった。ここでまたまた、私の何時もの悪い癖、強行突破策の模索が始まった。技術者倫理を大学で講義していた私にとって、最悪の行為、パワーハラスメントの実践、力による打開策の行使である。西日本高速道路株式会社の役員を調べ、その中に知り合いのY氏がいること見つけ、図々しく直接電話依頼となった。
「Yさん、髙木です。大変ご無沙汰しております。突然の電話で驚かれたとは思いますが、私からのお願いがあり、失礼とは思いましたが電話しました」と話し、Y氏の返答が冷たいようであれば、八方塞がり万事休すとなる。
 しかし私が依頼したY氏は「髙木さん、ご無沙汰しています。何ですか急に。私が出来ることであれば良いのですが、遠慮なく話してください」と、私には電話越しでもY氏の暖かくにこやかな顔が浮かび、緊張の糸が緩むのを感じた。
 そこで、「私からのお願いですが、Yさんの西日本高速道路が所有するウルトラファインバブルを作る装置があるのですが、その装置についてのお願いです。先日、担当のK氏には電話とメールでお願いしたのですが、Yさんから何とかお口添えをしていただけないでしょうか?」と話すとY氏は、「髙木さんからの直接のお話しですから、どうなるか分かりませんが何とか話をしてみましょう。私から担当部署に問い合わせ、現状を聞きますので少しお待ちください。私に何か分かる資料を送っていただけませんか? それはそうと髙木さん、どうしてほしいのですか?」と、私としては涙が出るありがたい言葉であった。
 頭に乗った私は「Yさん、すみませんが私が現在取り組んでいるのはウルトラファインバブルが含有した水を使った橋梁洗浄です。お分かりにならないと思いますので、後ほど資料を送ります。私の希望としては、ウルトラファインバブルの生成装置を直ぐに貸し出してほしいのです」と話した。

 Y氏は、「髙木さん、依頼の内容は何となく分かりましたので、至急資料を送ってください、お待ちしています」と返答が返ってきた。電話を切って直ぐに関連資料を送付。翌日、Y氏から電話があり「髙木さん、事情は分かりました。担当者のK氏の上司に話をしてあります。装置の貸し出しは直ぐにできますが一つお願いがあります。髙木さんが依頼した日程に合わせるように手配をしましたので担当者から連絡が行きます。お貸しする装置ですが、往復の輸送費等の支払いをお願いします。また、技術的なサポートは、機器を所有する西日本高速道路エンジニアリング関西のほうで行いますからご心配なく」との嬉しい回答であった。
 今回私が進めたUFB装置手配の過程は、常道を外れたかなり強引な行為ではある。しかし、私にとっては今回の折衝は、最適なルート選択であった思う。今回の折衝が上手くいった最大の理由は、私がこれまで多くの人々と付き合い、労を惜しまず取り組んできた成果であり、読者の方々に薦めはしないが、成果に向かって突き進む私の熱意だけはご理解頂きたい。
 しかし、国内外、私にとって何時ものことではあるが、持つべきものは友、口先だけの付き合いの人と真に役立つ人の差異をまたも感じた瞬間であった。氏名を明かすわけにはいかないが、「Yさん本当に感謝しています、今後ともよろしくお願いいたします」と言いたい。

(3)新たなUFB生成装置を使った洗浄水の生成

 西日本高速道路エンジニアリング関西株式会社が所有するUFB生成装置は、前回説明したM氏から提供を受けたものとは全く異なっていた。当然、見た眼で判断するのは技術者としては失格との意見もあるとは思うが、今回の判断については大目に見て頂き、私としては装置の外観から信頼できる生成装置であると、ほくそ笑んだ。
 UFB生成装置としては、見た目や仕組みも前回紹介した装置Bと比較すると大掛かりで、外部への説明においても自信が持てる。加えて、Y氏に全面的なサポートをお願いしたことからか、UFB生成時及び実証実験には、装置の操作説明と監理を行う専門技術者2名が同行してきた。ここでもY氏の特段の配慮があったからテクニカルサポートが受けられると感謝しつつ、いよいよ待ち望んだUFB試験生成が開始された。
 同行技術者からUFB水生成にあたっての注意事項として、使用水、温度管理などの説明がなされ、図-11に示す『BUVITAS HYK-32』を使ってUFB試験生成が終了した。


図-11 UFB生成状況:BUVITAS HYK-32

 素人的な感覚で申し訳ないが、M氏の持ち込んだ装置がUFB生成の方式が細孔を生成水が一度通過するキャビテーション方式であるのに対比して、『BUVITAS HYK-32』は旋回液流方式であることからモーター駆動で生成水を循環させる仕組みであり、UFB個数濃度(1㎖中に含まれるUFBの個数にこと。バブルの含有個数を示す標準語句として使われている)は当然高くなるはずと考えた。
 西日本高速道路エンジニアリング関西の技術者は、これまでの経験から構造物洗浄にはUFB個数濃度が1億個以上必要であるとの説明があった。しかし私としては、前回の失敗からの教訓を考え、UFB個数濃度の目標値1.5と億個以上必要とし、安全側で目標値を満たすように装置稼働時間を約2時間と設定し、実証実験に使うUFB生成を行った。前回とは何が違うのかと言えば、UFB生成装置から得られる洗浄水のUFB個数濃度目標値を設定したことと、生成水の事前確認が可能となったことにある。

 ここで私が問題としたのは、UFB生成目標値である個数濃度1.5億個をどのように確認するかである。同様な判断を行なっている西日本高速道路エンジニアリング関西の技術者からは、「精緻に個数濃度を確認する方法としては、生成前の水と生成後のUFB水をそれぞれ採取し、試験機関に送り測定することが必要。測定方法には、粒子軌跡解析法とレーザ回析・錯乱法がある」との見解が示された。
 しかし私としては、前回のUFBの洗浄効果が得られなかった原因は、「UFBが一定量含有しているUFB水であるか否かにある」との思いが強くなったことから、何とかしてリアルタイムでUFB水を確認する方法はないかと探し始めていた。結果的に私としては、専門家に教えを乞うのが最善策であるとの結論に纏まりつつあった。また、これまでの経緯を考えると、私を含め関係者は、UFBに関連する種々な事項について、正しく理解できていない、適切に判断できない、無駄な作業を行う可能性が高いとの反省点がある。
 ここに挙げた理由や第1回の失敗も含め私は、UFB関連事項について専門家からのテクニカルアドバイスを受ける必要性を痛感した。ここでUFB水洗浄の責任を負う私は、今回の構造物洗浄に有効に機能するテクニカルアドバイザーを探し、支援と協力を仰ぐことが適切との判断に至った。

(4)テクニカルアドバイザーの選定と協力の依頼

 UFBに関する種々事項について有益なアドバイスを受けるには、UFBを専門に研究している学識経験者等から選択し、依頼をする方法が常道であり、間違いがない。しかし、UFBの専門技術者やUFBの分野、化学部門に知り合いはいない。
 そこで、またまた、UFB生成装置を依頼した西日本高速道路株式会社へ専門技術者紹介の依頼をすることとした。その理由は、特段の配慮をお願いしたY氏が送ってきた資料に開発当初のコンソーシアム組織のことが記述してあり、何名かの専門技術者がメンバーとして記録があったからである。その中から関東地方、大学、公的研究機関を条件に学識経験者及び研究者で絞り込んだところ、K大学のT教授が条件に当て嵌まり、公開されている研究論文等から最適と判断した。

 読者の多くは、私が新たな取り組みを行う時には、独自の判断で全てを進めるのではと思う方もいるとは思うが、私はそうあらず、分からないことはその道の専門家などに意見を聞き、アドバイスを受けて判断する考えが基本にある。このようなことから、今回のUFBに関することも同様で専門家探しを行い、T教授に白羽の矢を立てて、依頼することとした。
 T教授には、メールと電話で私の考えていること、UFB水を使った構造物洗浄の現状を伝え、対面での打ち合わせを依頼した。私がこれまで読者に提供した内容と五里霧中状態の話を聞いて、T教授は興味が湧いたようで、その後トントン拍子に話は進み、直接お会いして悩み事に対し支援して頂ける体制となった。
 この後、UFB水に関連して判断が迷った時は数多くT教授に登場願うことになったが、恵まれたことにT教授は穏やかで、種々なことに嫌がらずに初心者の私の話を聞いて、適切なアドバイスを頂けたことは、私自身感謝感激であった。さて、ここからが本題、UFB水による構造物洗浄実証実験である。

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