道路構造物ジャーナルNET

⑧長大橋技術大国へひた走る-中国雑感-

現場力=技術力(技術者とは何だ?)

株式会社日本インシーク
技術本部 技師長

角 和夫

公開日:2020.05.01

6.最後に

  中国の第13次五か年計画(2016年~2020年)では、重点プロジェクトとして港珠澳大橋(海上55km、香港~珠海~マカオを繋ぐ世界最長)(2017年完成)と鋼構造の道路・橋梁の建設を挙げている。特に、鋼構造の橋梁建設では特大径間は鋼構造を主とする、また、鋼構造橋梁の設計、製造、施工、メンテナンス技術の成熟化を図る、としている。2018年11月、中国運輸部、江蘇省等の政府関係者を震災資料保管庫にお連れし、巨大地震や長大橋の設計・施工や維持管理等について説明した。本省の方の質問で「点検技術者の待遇・地位は?」「教育・育成方法は?」と興味深いものがあった。持論の答えを返した。「管理者(発注者)、請負者(元請)共に丸投げは止める、とにかく現場第一主義(現場を見ろ)、設計が分からねば管理は出来ぬ」。
 阪神高速グループでは、上海市(グループ会社子会社)、浙江省、江蘇省及び河北省等と協定や覚書を締結して技術交流・研修等の事業を実施している。この一環でこの春から浙江省交通投資集団へ長期アドバイザリー契約で出張する予定であった。残念ながら新コロナの一件で実現はいつになることやら。今年で62歳になるが体が動く限り指導しながら自分も切磋琢磨する覚悟である。
  写真-18は、開通した港珠澳大橋(コウジュオウオオハシ)と青州橋(主塔には中国の祝い結びをデザイン)。

(2020年5月1日掲載、次は2020年6月に掲載予定です)

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