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阪神高速道路の維持管理報文連載

⑤ 大規模更新・修繕事業 技術開発(その2)-床版取替えに対応したUFC床版の開発-

阪神高速道路株式会社
建設・更新事業本部 湾岸線建設推進室 課長代理

小坂 崇

公開日:2017.06.16

3. 床版取替への適用性の検討

3.1 平板型UFC床版の構造
 平板型UFC床版の応力度の制限値を表-1に示す。平板型UFC床版は2辺支持の平板であることから、設計曲げモーメントは道示を準用した。最小床版厚は、図-4に示すようにプレテンション鋼材およびポストテンション鋼材の配置に応じて、かぶりおよびあきを考慮して設定した。


 平板型UFC床版同士の接合部の構造および施工試験時の接合面の状況を図-5に示す。間詰め材として場所打ちUFCを充填し、ポストテンションPC鋼材によって現場でプレストレスを導入するPC構造による接合構造である。場所打ちUFCは、床版の架設場所(プレキャスト床版の工場以外)で,練混ぜ,打込み,養生するAft系UFCである。接合部は、活荷重作用時に引張応力を生じさせないフルプレストレスとなるように設計している。

 接合部については、図-6に示す静的試験、疲労試験を実施し十分な耐力があることを確認している4)。なお、実験では安全側に接合面に凹凸を設けない試験体を用いている。

3.2 床版および合成桁の質量比較
 床版および合成桁の質量について床版支間長4.0mに対して既設RC床版、平板型UFC床版、PC床版の比較を表-2に示す。PC床版の最小厚さはループ継手を用いるプレキャストPC床版を想定し240mmとした。UFC床版は、既設RC床版と比べ16%、新設PC床版と比べ39%軽量となる。よって、UFC床版はPC床版や既設RC床版と比較し軽量となることから既設鋼桁、橋脚および基礎構造への影響が小さく、橋梁の耐震性が低下しない利点を有する。

3.3 床版曲げ剛性の比較
 床版および桁剛性の比較を図-7に示す。UFC床版の床版厚は小さいが、ヤング係数が大きいため既設RC床版と同等の曲げ剛性となる。取替え対象の床版が厚い場合は、鋼桁への影響等を検討する必要がある。

 なお、床版剛性に起因する振動への影響については、剛性が小さくなる場合の振動特性の確認としてワッフル型UFC床版を現場に設置し加振および車輌走行による振動試験を行い、共振などの問題がないことを確認している(写真-1)5)。よって、平板型はワッフル型よりも剛性が大きいことから振動に関する問題は生じないといえる。

3.4 床版取替えの試設計
 試設計の対象橋梁を,図-7,図-8に示す。本橋梁は昭和40年代に建設された鋼単純合成桁(桁高2.0m,支間長32m,5主鈑桁(RC床版厚180mm))である。試設計の結果,UFC床版の厚さを150mmと算定した。

 

 床版を支持する鋼桁への影響を検討した。建設時は死荷重合成桁であるが,取替え時には桁下の条件によって仮設ベント支柱を設けないこととし,活荷重合成桁となることによって鋼桁下フランジの鋼当て板補強が必要となることを想定し,補強量を算出した。図-9にG1桁(外側の主桁)の補強範囲を示す。死荷重のうち床版重量をPC床版より軽量化したことによって,PC床版よりも鋼桁補強量を小さくすることができた。図中の矢印はUFC床版,PC床版それぞれの補強量を示している。

 

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