道路構造物ジャーナルNET

シリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語」⑯

南三陸国道で行われる受発注者の協働思考 「お手伝い」から主要メンバーへ 

横浜国立大学
大学院 都市イノベーション研究院
准教授 

細田 暁 氏

公開日:2017.02.08

得たノウハウや知見を会社に戻って活かす
 施工計画に反映

 ――(編集部)今まで主業務は維持管理から補修設計までということでしたが、ここにきて、いきなり新設の品質確保の規準書を作れといわれて、かなり面食らったのではないですか。以前に私淑しているNEXCO東日本の方に言われたことがあります。「維持管理業務だけの経験では維持管理は難しい、なぜならば部分最適=全体最適とは必ずしもならないからだ。新設も経験することが重要だ」という言葉です。梅沢さんは、ずっと維持管理をこなしてきて、今回、ひび割れ抑制を通じて新設橋梁の全体的な品質向上を図る規準書を作る業務に携わったわけですが、それを通じて、(ウヌマに)帰ったらこういうことができるな、という得たことを少し言って頂ければ
 梅沢 今回の業務で得たノウハウや知識を今後に生かすイメージは正直まだできていません。ただ、以前に橋梁点検でひび割れやジャンカを見た際は、経年劣化だからしょうがないのかな、という認識でしたが、今回こういう手引き作成に携わる過程で、基本的な約束事を押えて施工すれば、従来の構造物より断然、劣化の発生や進行を抑えられる、という点をはじめて認識することができました。構造物の新設は減少していますが0ではありません。もし自分が新設構造物の設計に携わる機会があれば、今回の手引きづくりで得た目線で携わっていくことができると思います。私はコンサルタントですから、基本的に設計者であり施工にはあまり影響力はありませんが、施工計画も成果物として作りますので、その辺りにこういうエキスを注入できる報告書を作ることができれば、施工者および発注者にも良い影響を出すことができて、耐久性の高い構造物を実現することに繋がっていけるのかなっていう風に感じています。


表面吸水試験の立会/コンクリート構造物の品質確保講習会での発表情景

会社では点検業務を主に行っていた

 ――(編集部)こうした手引きを作成する過程で損傷の原因を逆側から推定する能力も磨かれたのではないですか。今までは事象だけを見ていたのが、こういうメカニズムでこうなった、というノウハウや知見が備わったわけじゃないですか。そうすると、会社に帰ってから、新設だけでなく維持管理でも適切な補修方法を選定できるようになったのではありませんか
 梅沢 そこまでまだ考えてなかったですけど、それにも役立たせればよいと思います。
 ――補修工事の品質を確保するためのチェックリストとか、多分そういったニーズも今後出てくると思います。維持管理は、新設以上に品質がばらつく傾向にあります。メンテナンスの設計が悪いというのもたくさんあるとは思うんですけど、材料選定が悪いというのもあると思うのです。実際に再劣化は相当起こっていますし、地域特性がもっと出てくると思うので、そういう必要性はあると思います。最後に先ほど佐藤和徳さんにマンツーマン指導を受けたと仰いましたが、梅沢さんの目から見て、佐藤さんの印象をどのように感じましたか
 梅沢 コンクリートをつまみに酒を飲む人ですね。
 ――(編集部)納得いく表現ですね
 梅沢 それくらいコンクリートLOVEな人ですね。
 ――おもしろかったんでしょうね
 梅沢 俺は定年だからもういいよ、とか言ってますけど、全然もう、心にはまだ燃える炎が、という認識です。
 ――楽しかったですか、一緒に仕事をされて
 梅沢 途中から楽しくなりました。最初はもう、所長なんて普段会う人じゃないんで、もう脇の下に汗たらたらですよ。その分だけ、得るものも大きかったと思っています。
 ――ありがとうございました

シリーズ「コンクリート構造物の品質確保物語」⑬~⑮
インタビューシリーズ「南三陸国道で行われる受発注者の協働思考」
①「コミュニケーションツール」を使って より良い構造物の実現を目指す
②「品種改良」と現場力、リーダーシップ
③高品質のトンネルを実現するには

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